MCMがBE@RBRICKをつくった理由【MCM FASHION GROUP JAPAN副社⻑インタビュー】 | MEDICOM TOY
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2022年11月25日

MCMがBE@RBRICKをつくった理由【MCM FASHION GROUP JAPAN副社⻑インタビュー】 | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

「BE@RBRICK MCM WHITE CHROME Ver. 100% & 400%」「BE@RBRICK MCM 1000%」

「Modern Creation München(モダン クリエイション ミュンヘン)」を意味する“MCM”と、勝利・武勇・栄誉を司る国際的シンボルであるローレル(月桂樹)の葉から成る“ヴィセトス”柄で世界的に知られるラグジュアリーブランド、MCM(エムシーエム)。
昨年11月、メディコム・トイとのとのコラボレーションでヴィセトス柄のロゴを全体にプリントし、ブランドを象徴するコニャックのカラーリングで仕上げた「BE@RBRICK 100% & 400%セット」を発売し話題になったが、今回新たに100% & 400%のクロームVer.と、1000%サイズのBE@RBRICKを発売することになった。これを記念してMCM FASHION GROUP JAPAN株式会社の金 海利代表取締役副社⻑にお話を伺った。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

100%&400%と1000%はアプローチが真逆。このコントラストにも是非ご注目頂けたら

──この機会に改めて、MCMとはどんなブランドなのか読者にご紹介ください。
金 海利副社長(以下、金) MCMは1976年にドイツのミュンヘンで誕生した、ドイツの歴史や伝統を受け継ぎながら最先端の技術による商品開発を進めるグローバルなラグジュアリーライフスタイルブランドです。今日まで音楽やアート、トラベル、テクノロジーなどをインスピレーションに、既成概念にとらわれず、クラシックなデザインを新しい解釈で生まれ変わらせるという独自のスタイルを貫いています。

MCMは現在、オンラインストアのほか、ミュンヘン、ベルリン、チューリッヒ、ロンドン、パリ、ニューヨーク、香港、上海、北京、ソウル、東京、中東をはじめとする世界40か国以上で650店舗のブティックも展開しています。
──MCMといえば高級バッグというイメージがありますが、近年はスタッズを配したアイテムが若い女性に人気です。現在の主力商品、特定の世代に人気商品について教えてください。
 以前から人気が高いアイテムは、スタッズをあしらったデザインが特徴の“スターク”というバックパック。ここ最近は型押しロゴが印象的なトートバッグの“ミュンヘン”、小ぶりなサイズ感の“アレン”も人気です。また、バッグ用アクセサリーのフレンチブルドッグ型チャームは年齢問わず人気の商材なので、入荷と同時に完売するアイテムの代表です。

ゴールドパーツをあしらった“トラビア”というウォレットもSLGカテゴリーではよく売れるアイテムですよ。また、昨年初めてローンチしたフレグランスは発売と同時に注目度が高くなり、第二弾でローンチした新作フレグランスも世界的に高い人気となっています。

MCMはシーズン毎にローンチするアイテムが非常に多いので、ベストセラーになるアイテムは日本だけでなく、グローバルで人気になるケースが多いのも特徴です。特定の年齢層やターゲットへ訴求するマーケティングアプローチを取っていないのが功を奏し、幅広い世代・性別の方々に愛されているのが現在のブランドステータスかと思います。
──MCMは日本でも人気が高いですが、これまで日本向けにどのような店舗展開やプロモーションをおこなってきたのでしょうか。
 ブティックの出店に関しては、入念なリサーチを重ね本国とも綿密な協議を行い慎重に進めています。現在、路面型店舗は銀座エリアに絞って、ラグジュアリー且つ前衛的なコンセプトを採用しています。百貨店のブティックについても、ブランドの世界観を表現できる規模と、商品ライナップが実現できる館を吟味し出店をしている状況です。このようにブランドコントロールを丁寧に行うことで、ブランド力が高い水準で維持できていると考えています。

また、グローバルからローンチされるビジュアルの訴求も、SNSを中心に行なっていますが、ローカルのマーケットに合わせて、ブランドのファンを公言する芸能人・著名人の方々にお力添えを頂きながらの商品訴求も並行して実施しています。セレブリティの方々を中心としたブランドサポートも頂いており、直近では先鋭的なデジタルテクノロジー“XR”を活用したKento Moriのパフォーマンスなども行うなど、日本のファッションシーンの中での独自の立ち位置を確立できたと思っています。
──今年9月からは4年ぶりとなるPUMAとのコラボレーションが展開されて話題になっています。MCMが考えるコラボレーションの意義についてお聞かせください。
 コラボレーションのパートナー選びは慎重に行なっています。実際、お互いのクリエーションが融合するので、掛け合わせるエレメントがユニークであること、新鮮でファンが喜んでくれるプロダクトが生まれること、セールス的な部分も含めあらゆる要素を検証しながら進めることが多いんです。本国でも、日本でも、オファーを頂戴する機会はありがたいことに多いのですが、MCMらしさを活かせる前衛的でクリエイティブマインドの高いブランドやデザイナーとの協業が多いのかもしれません。ブランド同士のケースもあれば、クリストファー・レイバーン、トビアス・レベルガー、エディ・カンなど様にアーティストとのコラボレーションを積極的に行うのもMCMの特徴です。

現在、私はフェノメノンの代表も行なっていますが、2010年にMCMとコラボレーションしたMCM by PHENOMENONは、2014年にMCM社でM&Aを果たし、2021年からはP+Mと名称を変えてパーマネントブランドにまで成長しました。まさにコラボレーションがきっかけでスタートし、進化を果たした恒例と言えるかもしれないですね。

第一弾BE@RBRICKは故オオスミタケシさんとの縁も

──メディコム・トイとのコラボレーションで発売するBE@RBRICKは、どのような経緯で実現したのでしょうか。
 2018年に三代目J SOUL BROTHERSのELLYさんからのギフトで、BE@RBRICKを今までに3点ほど頂きました。すぐに気に入って、親友でありフェノメノンのデザイナーでもあるオオスミタケシさんにMCMでも物づくりをご一緒できないか相談したんです。すると、メディコム・トイさんとオオスミさんが旧地の間柄でもあったのでスムースにご紹介いただけることになりました。

昨年リリースしたモデル、実はアイデア面でもオオスミさんに沢山のアドバイスを頂きました。試行錯誤を繰り返す渦中でオオスミさんが亡くなってしまい、一時はこのプロジェクトを中止しようかと考えたこともありました。ですが、無事に完成まで持っていけたのはご存じの通りです。本当にオオスミさんのおかげでリリースができたのが前回発売したモデルになります。

構想から販売まではみなさんが想像するよりも長い時間を掛けてじっくりと進めました。何度もサンプルを試作頂き、理想に叶うクオリティを実現できたタイミングが2021年の第一弾だった、という事です。発売当日、銀座のブティックに多くの方がお買い求めにお越しいただき、行列ができたのはメディコム・トイさんのご尽力の賜物です。銀座での発売後に新大久保でPOP-UPも実施したのですが、発売当日に一気にソールドアウトしたのも忘れられない出来事になりました。この結果を受け、再度パートナーシップを組んだプロダクトを出したいと思ったのが、今回のモデルを作成した大きな理由です。
──カラー、デザイン、仕上がりの際こだわったことなどBE@RBRICK製作時のエピソードを教えてください。
 100%と400%は煌びやかな配色、ヴィセトスのロゴをふんだんに散りばめたラグジュアリーブランドらしいデザインアプローチ、レザーを活かしたプロダクトが多いブランドなので高級感のあるマテリアル使い、とMCMらしさのコアとなるポイントをメディコム・トイさんには率直にお伝えしました。

第一弾同様、素材は通常BE@RBRICKで採用されているABS樹脂をセレクトしたのですが、カラーリングとフィニッシュの方法でラグジュアリー且つグリッターなムードに仕上がったと思っています。ミラーのように輝く仕上がりとなったので、発売が今から楽しみです。また、初めての試みとなる1000%は、第一弾で発売したコニャックカラーでデザインを伝えました。こちらはマットなフィニッシュに仕上げたので、100%&400%とはアプローチが真逆。このコントラストにも是非ご注目頂けたらと思います。

全サイズ共通で、ボックスはMCMのラゲッジパターンから着想したスペシャルなデザインにしたことで細部にまでブランドらしさが宿ったプロダクトになったと思っています。
──どのような層にこのBE@RBRICKを手にしてもらいたいですか。
 ブランドのファンの方はもちろんですが、年齢・世代問わず世界中の方に手に取って頂きたいです。新色はBE@RBRICKの持つ可愛らしいルックスをグリッターな表情に仕上げているので、パーソナルスペースを華やかに彩ってくれるはずです。自分へのご褒美や、友人やパートナーへのギフトとしても喜ばれると思いますので、ホリデーシーズンに活用いただくのもピッタリかと思います。1000%はある種コレクター向けのユニークピースかもしれません(笑)。ともにスペシャルなアイテムなので、本当に価値のわかる方が大切にして下さるのが一番の願いです。
──今回はBE@RBRICKを製作しましたが、今後メディコム・トイと何か一緒にやってみたいことはありますか。
 現在はABS樹脂を使用した素材ですが、将来的にラグジュアリーな素材使いや見たことのないディテールアプローチやデザインアプローチを採用したBE@RBRICKの作成ができたら、と既に構想を練っているところです。

MCMの原点はラグジュアリーでインパクトあるデザインのラゲッジプロダクトにあります。この本質をBE@RBRICKへ転化させることが出来れば、世界中の方々が喜んでくれるプロダクトが誕生すると感じています。ここで詳細まではお伝えできないのですが、希少性の高いマテリアルを使用したBE@RBRICKのアイデアをフェノメノンで実施することも目下思案しているところです。MCMの続編、フェノメノンの新作、とさまざまなアイテムの登場も楽しみに待っていて頂けると幸いです。
──最後に、2023年に向けてMCMが予定している展開について教えてください。
 ラグジュアリーラゲッジやレザープロダクトのイメージが強いブランドですが、ライフスタイルを豊かに彩るプロダクト提案は継続する予定です。近年人気の高いフレグランスや、アウトドアシーンを想定したインテリアのように、従来のブランドイメージとは少し毛色の異なるアイテムも多数出てくると思います。

とくに2023年に関しては、ラインナップにドラスティックな変化が見られる年となりそうです。ラインナップされるアイテムはとにかく斬新なアプローチが豊富で、従来のブランドイメージを刷新するほどのプロダクトばかり。

また、仮想空間メタバースとフィジカルを融合したアプローチも開始するなど、ブランドらしい前衛的なカスタマーアプローチも実施していくプランがあります。現在注目されているNFTもそうですが、アーティストとのコラボレーションの場合、著作権を保守する意味でも導入を検討していく可能性が高いと言えます。加えて、ローカルのデザイナーとの協業もブランド・デザイナー問わず行うことも現在進行している状況です。と、例年以上に多角的なアプローチを行う来年のMCMの新作コレクションに是非ご期待いただければ幸いです。よろしくお願い致します。
BE@RBRICK MCM WHITE CHROME Ver. 100% & 400%
サイズ|各全高約70mm / 280mm
販売方法|MCM国内直営店舗、MCMオフィシャルオンラインストア、メディコム・トイ直営店舗及びオンラインストア各店にて発売
発売日|2022年12月発売予定
価格|3万5200円(税込)
※数量限定商品のため、在庫が無くなり次第、販売は終了となります。  
BE@RBRICK TM & ©️ 2001-2022 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
BE@RBRICK MCM 1000%
サイズ|全高約700mm
販売方法|MCM国内直営店舗、MCMオフィシャルオンラインストア、メディコム・トイ直営店舗及びオンラインストア各店にて発売
発売日|2022年12月発売予定
価格|10万7800円(税込)
※数量限定商品のため、在庫が無くなり次第、販売は終了となります。  
BE@RBRICK TM & ©️ 2001-2022 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
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