【三原康裕インタビュー】「靴紐結べな君」のソフビ人形に込めた思いとは？ | MEDICOM TOY

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Maison MIHARA YASUHIROのキャラクター「靴紐結べな君」

Maison MIHARA YASUHIROから生まれた、ユニークなキャラクターが「VCD 靴ひも結べなくん」となって登場。このキャラクターに込めた思いなど、デザイナーの三原康裕（ミハラヤスヒロ）氏に話を聞きました。

Text by SHINNO Kunihiko｜Edit by TOMIYAMA Eizaburo

「靴紐結べな君」はデザイナーの分身。ときどき暴走し、答えのない行動をとります

Maison MIHARA YASUHIROがメディコム・トイとのコラボレーションで「VCD 靴ひも結べなくん」を製作。これを記念して、生みの親である三原康裕氏にメールインタビューを敢行。靴なのに靴紐が結べないという謎に満ちたキャラクターについて理解のヒントとなる回答をいただいた。
さらに、今年9月、東京・日本橋三越前に期間限定でオープンしたギャラリー「日本橋アナーキー文化センター」にこめた思いについてもうかがった。

──『靴紐結べな君』というキャラクターはどういう経緯で誕生したのでしょうか。

三原康裕（以後、ミハラ）　もともとは僕のデザインノートの「ただの落書き」です。

──靴なのに「靴紐が結べない」という謎に包まれたキャラクターの背後に、現代人が求めている癒しを感じました。ミハラさんが込めたメッセージについてお聞かせください。

ミハラ　靴の「紐を結ぶ」という行為自体がさまざまなメタファーを感じさせます。あなたはどう感じましたか？　まるで「結べない」と言うのはそのメタファーに対してのアンチテーゼのようですね。
僕が思うに靴紐結べな君はルーズな性格の象徴だと思います。そのことに癒しを感じるならば、そのいい加減さが癒しに感じてもらえるのでしょう。靴紐を結ばずに歩いていると危険ですがね。

──現在Maison MIHARA YASUHIROで展開しているMY Foot Productsにも「靴紐結べな君」は登場しています。ブランド内ではどういう位置付けのキャラクターなのでしょうか。

ミハラ　デザイナーの分身です。ときどき暴走し、答えのない行動をとります。

【ミハラヤスヒロ・インタビュー】「靴ひも結べなくん」のソフビ人形に込めた思いとは？ | MEDICOM TOY

MY Foot Productsで展開された「靴紐結べな君」を起用した商品

──以前のインタビューで、ミハラさんの原点のひとつに「おばあちゃんに買ってもらったウルトラ怪獣のソフビ人形」があるとうかがいました。今回のVCD製作はその延長線上にあるものだったりするのでしょうか。

ミハラ　そうです。ソフビには特別な想いがあります。僕の人生は怪獣のソフビが作ったようなものです。

──今回の立体化に際してメディコム・トイにリクエストする際、特にこだわったポイントについてお聞かせください。

ミハラ　作る工程で、デジタル3Dキャドではなく、ソフビの原型のように原型師の方が実際に手で作った事です。なので微妙な優しさがあります。

──グレーとモノトーンの2種展開のカラーはどうやって決めましたか。

ミハラ　さまざまな色のことを考えましたが、モノトーンやグレーのような無彩色がずっとみていて飽きないと思ったからです。

──完成したものをご覧になった感想はいかがですか。ミハラさん自身はどのように遊んだり、飾ったりしてみたいですか。

ミハラ　すごく不思議な感じでした。まさかここまでこの「靴紐結べな君」に情熱をかけるとは思っていなかったからです。今では「靴紐結べな君」がどのように成長するか楽しみになってきました。
ウチにある怪獣のソフビと一緒に遊ぶのだろうと思います。

──今後の「靴紐結べな君」について、カラーバリエーションやサイズ展開、相棒やライバルキャラクターなど展開してみたいミハラさんの夢をお聞かせください。

ミハラ　さまざまな夢が広がります。「結べなランド」という遊園地を作るのが夢です。

VCD 靴ひも結べなくん
原型製作｜PERFECT-STUDIO
サイズ｜全高約225mm
カラー｜グレーとモノトーンの2種展開
価格｜各1万9800円(税込)
販売方法｜Maison MIHARA YASUHIRO直営店舗及び ECサイトにて発売予定
発売日｜2022年12月発売予定
販売元｜Maison MIHARA YASUHIRO
※数量限定販売となります。万が一品切れの場合はご容赦ください。
©︎ MAISON MIHARA YASUHIRO

──ミハラさんが1996年にブランドをスタートさせて今年で26年経ちました。どんな26年でしたか。

ミハラ　正直言えば、「好き勝手してきた」ので山あり谷ありなのは想像される通りです。

──今年9月から約1年間の期間限定で展開している「日本橋アナーキー文化センター（NACC）」（2024年着工予定の再開発予定地を利用し、さまざまなアーティストのクロスカルチャーの発信地として1.5カ月単位でファッション、アート、音楽など多様なジャンルの表現者が競演するギャラリー）も話題です。そこに込めた思いについてお聞かせください。

ミハラ　このプロジェクトは私たちの「社会に対する利他的文化貢献」です。ここでの利益は一切考えていません。とにかくさまざまな才能がダダ漏れしている空間にいると皆さんは気持ち良いでしょ？
得体の知れない熱量や情熱は気持ち良いです。無茶苦茶と言われるかもしれませんが「おっしゃる通り」です。無茶苦茶です。

【日本橋アナーキー文化センター】
「遊戯が人間活動の本質であり，文化を生み出す根源だとする人間観。そしてまた遊戯は生活維持を求める生物学的活動を超え、生活に意味を与えるものである。」
1938年、ヨハン・ホイジンガが著書「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)」で「遊びは文化より先に」と語りました。いわゆる「文化」というのは1つの概念ではなく様々な「遊び」が生み出した副産物であると言えるでしょう。
とは言えども、昨今の時代を見ると「遊び」という文脈が薄れ「文化=商業」のような定義になってしまいました。私たちは「文化を守る。文化を創造する。」など歯切れの良い言葉は言いません。その代わり得体の知れない熱量や情熱を欲しています。それこそが「遊び」であり、ぼんやりとした現代に対するアンチテーゼになると信じてます。
日本橋アナーキー文化センターでは約1ヶ月半の間、表現方法が異なる作家が作品を展示します。アート音楽建築映像写真ファッションエトセトラなど様々な自己表現の「場」。アーティストたちのショーケースであり、またクロスジャンルの化学反応を引き起こす「場」。
混沌であれ完結しない事。

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2022年10⽉29⽇ (⼟) ～ 12⽉08⽇ (⽊)
日本橋アナーキー文化センター Vol.2
参加アーティスト：＜アート＞「むいみなのだ」Curated by SHIGEO GOTO with G/P＋abp（千葉雅也、五木田智央、ノセレーナ、児島啓多）、HUMAN AWESOME ERROR（蔡海、海原志保）、彫刻家森靖、アーティスト DIEGO、Biko and Kenny from TZC　＜ファッション＞ファッションデザイナー吉田圭佑、シューズデザイナー串野真也、ファッションデザイナー大石麻央　＜音楽＞現代美術家/ホーメイ歌手山川冬樹、音楽家 doravideo、Fake Creators 【Fake Creators NFT Community Live】

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日本橋アナーキー文化センター
住所｜〒103-0022 東京都中央区⽇本橋室町1-6-2 ⽇本橋室町162ビル1F
営業日｜展示開催期間は全日営業
入場料｜無料　
営業時間｜平⽇10:00〜19:00 / ⼟⽇祝10:00〜20:00
電話番号｜03-6262-3862
アクセス｜東京メトロ / 半蔵門線、銀座線「三越前駅」A1出口前

問い合わせ先

Maison MIHARA YASUHIRO
お問い合わせフォームより　https://miharayasuhiro.jp/contact/
（日本橋アナーキー文化センターに関しては https://nac-c.jp/ をご覧ください）
Maison MIHARA YASUHIRO TOKYO　
Tel.03-5770-3291

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