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2020年12月2日
リステア代表取締役社長、清水博之氏が語る新たなオンラインストアのあり方。12月12日にはメディコム・トイも新規出店 | MEDICOM TOY
MEDICOM TOY|メディコム・トイ
リニューアルしたRESTIR.COMについて清水社長にインタビュー
20周年を迎えたリステアは、“これから先の未来にも残したい、伝えたいクリエーション”をキーワードに様々なコラボレーション企画を展開中。さらに、オンラインストア RESTIR.COMも大幅にリニューアルし、12月12日にはメディコム・トイも新規出店をおこなう。ここでは、ニューノーマルの時代をどう切り拓いていくのか、未来への展望をリステア代表取締役社長、清水博之氏にうかがった。
Text by SHINNO Kunihiko|Photographs by NAGAO Masashi|Edit by TOMIYAMA Eizaburo
20周年を迎えたリステアによる新たな試み
今年20周年を迎えたラグジュアリー・セレクトショップ「RESTIR(リステア)」のオンラインストア RESTIR.COMが、さらに使いやすい情報発信型ECサイトとしてリニューアル。トップページにローディングアニメーションを採用し、「“What's WOW Now”──いまワクワクするもの」をキーワードにリステアがキュレートした最新トピックや特集記事と共に買い物を楽しめるサービスを提供していく。
取り扱いブランドは、12月に過去の名作アーカイブコレクションを現代風にアレンジして発売することが話題のRAF SIMONS(ラフ シモンズ)を筆頭に、sacai(サカイ)、1017 ALYX 9SM(1017 アリクス 9エスエム)、TOM FORD(トム フォード)、 MAISON MARGIELA(メゾン マルジェラ)、LOEWE(ロエベ)といった旬な顔ぶれ。
さらに12月12日には新たにメディコム・トイがサイト内に初出店。オープンを記念して同サイト限定発売となる「BE@RBRICK BlackEyePatch 1000%」のほか、ポップアップイベント『AKASHIC RECORDS』で先行販売された各種アパレルを取り扱う。
コロナ禍に伴う外出自粛や在宅勤務の定着により、ユーザーの消費スタイルが大きく変わった2020年のアパレル業界。これまで以上に「“WOW”=ワクワクすること」を届けたいと語る株式会社リステア代表取締役社長、清水博之氏に、今回のサイトリニューアルに込めた思いをうかがった。
取り扱いブランドは、12月に過去の名作アーカイブコレクションを現代風にアレンジして発売することが話題のRAF SIMONS(ラフ シモンズ)を筆頭に、sacai(サカイ)、1017 ALYX 9SM(1017 アリクス 9エスエム)、TOM FORD(トム フォード)、 MAISON MARGIELA(メゾン マルジェラ)、LOEWE(ロエベ)といった旬な顔ぶれ。
さらに12月12日には新たにメディコム・トイがサイト内に初出店。オープンを記念して同サイト限定発売となる「BE@RBRICK BlackEyePatch 1000%」のほか、ポップアップイベント『AKASHIC RECORDS』で先行販売された各種アパレルを取り扱う。
コロナ禍に伴う外出自粛や在宅勤務の定着により、ユーザーの消費スタイルが大きく変わった2020年のアパレル業界。これまで以上に「“WOW”=ワクワクすること」を届けたいと語る株式会社リステア代表取締役社長、清水博之氏に、今回のサイトリニューアルに込めた思いをうかがった。
――このたびは20周年おめでとうございます。2000年に神戸に出店された第1号店から現在の東京・六本木店舗まで、リステアはラグジュアリー・セレクトショップの草分け的存在として常に最先端を走り続けてきた印象があります。
清水 ありがとうございます。リステアでは現在20周年を記念して「これから先の未来にも残したい、伝えたいクリエーション」をキーワードに様々なコラボレーション企画を展開中です。第1弾は京都の老舗竹工芸品メーカー 公長齋小菅(こうちょうさい こすが)の「竹箸」をピックアップさせていただきました。古くから日本人の暮らしに広く親しまれてきた竹は4~5年で成長し、農薬を使わないことからも環境に優しい次世代の素材として注目されています。同様にサステナブルという視点から、READYMADE(レディメイド)が新たに取り組む、ペットボトルのキャップをリサイクルした素材を用いた「EASY CHAIR」のインスタレーションとプレオーダーも六本木の店舗で開催中です。
ファッションの魅力って、ワクワクすること
──リステアならではの視点でセレクトしたアイテムの展開を楽しみにしております。今回はオンラインストア RESTIR.COMのリニューアルについてお聞かせください。近年のグローバル化やスマートフォンの普及に伴い、ファッション界におけるオンラインストアの存在感はますます高まっているのではないでしょうか。
清水 おっしゃる通りです。お客様の買い物の仕方も多様化していて、SNSやウェブサイトでチェックして、そのまま購入される方も非常に多いです。弊社もECでの売り上げが年々伸びており、東京以外のお客様、海外のお客様から購入いただく機会もずいぶん増えました。その傾向がコロナ禍でさらに加速したなと実感しているので、この先もっと重要なコンテンツになっていくことは間違いありません。なかなか不用意に出かけられないからスマートフォン、PCでいろいろチェックして、これはと思ったものを試着しに行く、あるいはサイズ感のわかっているブランドなら直接購入する。私自身この半年ぐらいでネットの利用率がグンと上がったので、お客様もきっとそうだろうと思います。
──東京・六本木の実店舗同様、 RESTIR.COMには旬のブランドが数多く並び、リステアのフィルターを通したアイテムが紹介されています。
清水 ウェブサイトをスタートしたのは10年以上前で、アパレル系ではかなり早いタイミングでした。サイトの顔となるトップ画面はこれまで何回も変えていて、前回──4年ほど前に変更したときはOff-White(オフホワイト)やVETEMENTS(ヴェトモン) といった求心力のあるブランドがたくさん出てきた時期だったので、それらを求めていらっしゃるお客様に向けてブランドを前面に出したレイアウトでワクワク感を演出させていただきました。
──それを今回のリニューアルではどのように変更されたのでしょうか。
清水 まずアクセスしていただくと、画像の読み込み時間に映画などの公式サイトでよく見られるローディングが出て、「“Find Your WOW Moment”──あなたがびっくりするようなこと、ワクワクすることをリステアで探してくださいね」というメッセージが流れます。おそらく私が知っている限り、アパレルのECサイトでローディングを入れているところってないんじゃないかなと思います。これからはECサイトもいろいろなメッセージやコンセプトを発信していかなければいけない時代になりつつある中、ここでまず我々の考えをお伝えできればと思い、こうした映像を用意させていただきました。
──"WOW"が重要なキーワードなんですね。
清水 やはりファッションの魅力って、ワクワクすることじゃないですか? ワクワクすることの楽しさは、コロナ禍だろうがいかなる場合でも変わらないですし、むしろこういう状況下だからこそ我々が率先して提供していきたいと考えています。そこでトップページには「“What's WOW Now”──いま何がWOWなのか?」を紹介する特集ページを設けました。ここでは先ほどお話ししたリステアのメッセージやコンセプトを体現する、お勧めしたいブランドやアイテムが次々と登場します。
──情報量は増えつつ、従来通りブランド別にアクセスもできるようになっていたり、ユーザーの利便性を重視したデザインという印象を受けました。
清水 トップページはすごくシンプルにしたかったんです。コンテンツが多くなると、どうしても見づらくなってしまいますので、本当に発信したい情報はヒュージフォントを使って発信しつつ、買い物がしやすい、そんな両方向を合わせたサイトにリニューアルさせていただきました。今後はニュース性のあるトピックを定期的に発信し、12月12日には「What's WOW Now」のトップにメディコム・トイさんの入口を設けさせていただきます。
いつか赤司さんと一緒にお取り組みしたいと思っていた
──今回、どういう経緯でメディコム・トイがRESTIR.COM内に出店することになったのでしょうか?
清水 もともと15年前くらいからメディコム・トイの赤司社長はお客様として来店いただいていたんです。もちろんそれ以前からメディコム・トイさんのことは存じ上げておりましたし、BE@RBRICKはすごい発明だなと思っておりました。ひとつのプラットフォームであらゆるジャンルとのコラボレーションができて、世界中で愛される存在を考え出されたことに昔からリスペクトがあったので、いつか赤司さんと一緒にお取り組みしたいと思っていたんです。
そこで、今回のサイトリニューアルをきっかけに「赤司さん、今度リニューアルするんですけど、いかがですか?」とご連絡させていただきました。
そこで、今回のサイトリニューアルをきっかけに「赤司さん、今度リニューアルするんですけど、いかがですか?」とご連絡させていただきました。
──メディコム・トイの出店にあたってRESTIR.COM限定アイテムも用意されるということで、その第一弾として"取扱注意"のステッカーが印象的な「BE@RBRICK BlackEyePatch 1000%」が発売されます。
清水 BlackEyePatchさんは、ちょうどストリートのブランドが台頭してきた時期にアパレル展開を始めた日本のブランドです。ゆるふわギャングを篠山紀信さんが撮影したプロモーションをおこなったり、デザイナーの文化的造詣の深さとバックグラウンドがしっかりしているところが非常に面白いと思い、リステアでも長くお取引をさせていただいています。
去年リリースした同デザインの400%のBE@RBRICKを弊社でも販売したところ即日完売だったんです。海外からも注目されていますし、これから世界に向けてどんどん発信していく姿を応援したい気持ちもあって、今回1000%サイズをRESTIR.COM限定で販売させていただくことになりました。これも赤司さんとお会いしたとき、「いま1000%サイズのBE@RBRICKがすごく売れているんですよ」と教えていただいたんです。確かに言われてみれば、インスタグラムで海外の方がご自宅に置いてある写真をよく見るなと思って。今回、発売を記念して"取扱注意"BE@RBRICKの写真を使ったフォトTシャツとiPhoneケースも発売しますので、BlackEyePatchファンの皆さんは楽しみにしていただきたいです。
去年リリースした同デザインの400%のBE@RBRICKを弊社でも販売したところ即日完売だったんです。海外からも注目されていますし、これから世界に向けてどんどん発信していく姿を応援したい気持ちもあって、今回1000%サイズをRESTIR.COM限定で販売させていただくことになりました。これも赤司さんとお会いしたとき、「いま1000%サイズのBE@RBRICKがすごく売れているんですよ」と教えていただいたんです。確かに言われてみれば、インスタグラムで海外の方がご自宅に置いてある写真をよく見るなと思って。今回、発売を記念して"取扱注意"BE@RBRICKの写真を使ったフォトTシャツとiPhoneケースも発売しますので、BlackEyePatchファンの皆さんは楽しみにしていただきたいです。
BE@RBRICK BlackEyePatch 1000%
サイズ|全高約700mm
価格|5万8000円(税別)
©️BlackEyePatch
BE@RBRICK TM & ©️2001-2020 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
サイズ|全高約700mm
価格|5万8000円(税別)
©️BlackEyePatch
BE@RBRICK TM & ©️2001-2020 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
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もっと「人」や「カルチャー」に注目して発信していきたい
──メディコム・トイのアイテムを販売するだけではなく、独自のフィルターを通した商品展開がおこなわれるわけですね。
清水 その通りです。いままで我々はセレクトショップとして数々のブランドさんをピックアップしたり、アイテムをセレクトしてきたわけですが、時代も変わりこれからはもっと「人」とか「カルチャー」に注目して発信していきたいというのが今後のミッションとしてあります。その意味で今回のメディコム・トイさんの出店についても、ファッション、アート、トイといったカルチャー全般に知識と教養が豊富な赤司さんがリステア向けにセレクトした商品をRESTIR.COM内で販売しますというコンセプトが重要なポイントなんです。
先日、渋谷パルコで開催された赤司さんのキュレーションによるポップアップイベント『AKASHIC RECORDS』を拝見して改めて実感しましたが、ただビジネス目的で売れるものを集めたり、こういうのがウケるだろうとやってもお客様には見透かされてしまいますし、そもそも個性が出せません。もともとニッチなマーケットでビジネスをしているリステアとしても、良い意味でメディコム・トイさんとは親和性があると思っていました。六本木という場所だけに、来店いただくお客様も芸能関係の方や富裕層の方、他の人とは違う格好をしたいというコアな方が多いので、当然ECサイトにいらっしゃるお客様もそういった方がメインとなります。そういう方々に向けてピンポイントでメディコム・トイさんの商品を伝えていけることが我々の最大の強みでもありますし、それによって反応が起こることが非常に楽しみです。
先日、渋谷パルコで開催された赤司さんのキュレーションによるポップアップイベント『AKASHIC RECORDS』を拝見して改めて実感しましたが、ただビジネス目的で売れるものを集めたり、こういうのがウケるだろうとやってもお客様には見透かされてしまいますし、そもそも個性が出せません。もともとニッチなマーケットでビジネスをしているリステアとしても、良い意味でメディコム・トイさんとは親和性があると思っていました。六本木という場所だけに、来店いただくお客様も芸能関係の方や富裕層の方、他の人とは違う格好をしたいというコアな方が多いので、当然ECサイトにいらっしゃるお客様もそういった方がメインとなります。そういう方々に向けてピンポイントでメディコム・トイさんの商品を伝えていけることが我々の最大の強みでもありますし、それによって反応が起こることが非常に楽しみです。
──今後の展開についても少しだけお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。
清水 まだ企画段階ですが、赤司さんから「BE@RBRICKをリステア風にデザインして何かできませんか」という言葉をいただいてます。これからは自分たちがほしいもの、発信したいものを生み出していくことも必要だなと思っていたところなので、いろいろ試行錯誤しているところです。BE@RBRICK自体、まだまだ無限に可能性を秘めたまま変化していくものだと思いますし、これまで見たことのない使い方ができたらいいなと思っています。
──今回のサイトリニューアルによって、さらに海外の方からのアクセスも増えそうです。
清水 いままでは海外のファッション関係の方はご存知でも、一般のお客様に対する我々の認知度はそう高くなかったと思っています。知っていただくために、どんなお店なのか、どんなモノを扱っているのか、どんなことを発信しているのかが非常に重要なポイントなので、今回のトップ画面の変更にも反映しています。現在インバウンドは止まっていますが、コロナがもっと落ち着いたら「日本に行ったら絶対寄ってみよう」と思っていただけるようなファンを増やしていけるよう、どんどんワクワクするようなことを届けていきたいと思っております。
問い合わせ先
メディコム・トイ ユーザーサポート
Tel.03-3460-7555