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2022年8月12日
今年のテーマは“アートと平和”。MEDICOM TOY EXHIBITION '22開催レポート | MEDICOM TOY
メディコム・トイ | MEDICOM TOY
“STASH”によるイベントロゴ、ニューヨークの街並みをイメージした会場レイアウト
「自分たちが欲しいものをつくる」をモットーに、ファッション、音楽、アートの領域とも縦横無尽に行き来しながら成長を続けるトイメーカー、メディコム・トイ。同社が今後発売を予定する新製品初お披露目の舞台となるイベント『MEDICOM TOY EXHIBITION '22』が、2022年7月23日(土)~28日(木)、表参道ヒルズ本館地下3階「スペース オー」にて開催された。さらに今年は博報堂プロダクツとの共同開発による、ブロックチェーン技術を活用した模倣品対策ソリューション「du-al.io ™」も発表。Web3.0時代の画期的な試みとして広く注目を集めた会場の模様をレポートしていく。
Text by SHINNO Kunihiko | Photographs by TAKASE Tatsuya | Edit by TOMIYAMA Eizaburo
企業ブランドと消費者の信頼を守る「du-al.io ™」。搭載事例第一弾は「BE@RBRICK」
1996年の設立以来自らのプロダクツを「メディア」として世界に表明し続けてきたメディコム・トイ。毎年「驚き」と「感動」に満ちた発表を積み重ね、今回で20回目の開催を迎えたMEDICOM TOY EXHIBITION。これから発売予定/開発中のBE@RBRICK、MAFEX、UDFなどのトイ、MLE、FABRICK®︎によるアパレル・グッズ類の新作を世界初公開する場として盛況を重ねてきた年に一度の祭典である。
昨年に続いて新型コロナウィルス感染防止対策のため、観覧は事前抽選の申し込み制となったが、今年は各日時間指定でフリータイムを設けることで、より多くの方にご来場いただける試みも行われた。
イベントロゴをデザインしたのは、これまで約20年にわたってメディコム・トイと共に数々のアイテムを生み出してきたグラフィティ・アーティスト“STASH(スタッシュ)”。ストリートの壁にスプレーで描かれた文字が伝える躍動感は、今後生み出されるアイテムへの期待をつのらせる。
会場内はSTASHの活動拠点であるニューヨーク・ブルックリンをイメージしたレイアウトになっており、壁面は今年のテーマ“アートと平和”にちなみ、SHUN SUDOのドローイングが飾られた。彼は、昨年の東京五輪スケートボード会場の壁画が話題になるなど、世界から注目を集めている現代アーティスト。“二つの布地をつなげるボタンのように人と人の心もつなげたい”というポジティブなメッセージを込めた「ボタンフラワー」で華を添えた。
そして、BE@RBRICKやMAFEX、UDFをはじめとするトイ、MLEやFABRICK®︎によるアパレルや雑貨類の新作展示に加えて、メディコム・トイの26年に及ぶ歴史の膨大なアーカイヴの中から選ばれた作品をキュレーションした特別展示がおこなわれた。
このイベントで新たに発表されたのが、リアルとデジタルの統合真贋判定で信頼を守る画期的なソリューション「du-al.io™」。EC市場の拡大に伴い、模倣技術や手法の高度化により模倣品を正規品と誤認して購入する消費者も増える中、解決策のひとつとしてメディコム・トイの監修のもと、博報堂プロダクツと開発した新たな技術である。
NFC技術とNFT技術を組み合わせることで、その商品が本物であるかを企業と消費者がリアルとデジタル双方で検証できるシステムは、今後あらゆる業種・業界に急速に広まっていく予感に満ちていた。
新作を中心にずらりと並ぶ光景が圧巻だったBE@RBRICKのコーナー。ボーダーレスなメディコム・トイの活動を俯瞰できる。
天才漫画家・赤塚不二夫と鬼才現代アーティスト・赤塚りえ子、父娘奇跡のコラボレーション作品として話題を集めたネオンアート作品『ニュー アカツカ』より「バカボンのパパ」がBE@RBRICK 1000%で登場。半透明のボディ内部にニュー アカツカの文字が発光して浮かび上がる。
写真左は「BE@RBRICK 1000% GOLD TEXALIUM」。グラスファイバー(ガラス繊維)にアルミを蒸着させたテキサリウムは、カーボンファイバーやグラスファイバーより硬く、アルミ繊維の美しい外観を持つ素材。オートクレーブ(大型圧力装置)により成形されたゴールドカーボンを、一品ずつ手作業で仕上げた究極の1000% BE@RBRICK。写真右は今回のエキシビション会場にドローイングで参加した現代アーティストSHUN SUDOの「SHUN SUDO 1000%」。
MAFEXの新作コーナーでは80年代SFアクション映画の金字塔『ロボコップ』シリーズ(写真左)、『ターミネーター』シリーズ(写真右)の新作も発表。ロボコップは演じる主人公マーフィの素顔をフィーチャーしたファン待望のバトルダメージ版となる。
MAFEX『ザ・ボーイズ』シリーズより、THE BOYSチームのウィリアム・“ビリー”・ブッチャー、SEVENチームのホームランダー、ブラック・ノワール、スターライトに続いて「ディープ」「Aトレイン」「クイーン・メイヴ」の原型が初公開。さらに今年6月に配信開始されたシーズン3のキーマン「ソルジャー・ボーイ」が早くも商品化決定。
ニューヨークのブルックリンを拠点に、アメコミをモチーフとしたアート活動を行うアーティストKostas Seremetis(コスタス・セレメティス)が、各時代に名だたる作家たちによって描かれてきたコミック版バットマンをボディパーツごとに再構築して立体化。
『仮面ライダー』をはじめとする東映レトロコレクションシリーズ、人気造形作家・安楽安作が手がけた『ゴジラ』など、レトロソフビファンにはたまらないコーナー。
27年ぶりの新作を自身の大美術展にて発表した孤高の天才漫画家・楳図かずお。代表作『漂流教室』より、NAGNAGNAGプロデュースで極悪暴君キャラクター関谷が三輪車に乗って登場。
アーカイヴ特別展示は、イベントロゴを手がけたSTASHにちなんで、彼が拠点とするニューヨークにゆかりのあるアーティストによるメディコム・トイ作品が大集合。 STASHの盟友である伝説のグラフィティアーティストFUTURA(フューチュラ)、いまや世界的人気アーティストとなったKAWS(カウズ)、そしてANDY WARHOL(ウォーホル)、KEITH HARING(キース・ヘリング)、JEAN-MICHEL BASQUIAT(ジャン=ミシェル・バスキア)のVCD、BE@RBRICKが並ぶ。
アンドレ・ザ・ジャイアントをモチーフにした「Obey」や、2008年のオバマ前大統領の選挙キャンペーンに使用された「Hope」で知られる現代アーティスト、シェパード・フェアリー(Shepard Fairey)の「MAKE ART NOT WAR」をモチーフにした3000% BE@RBRICKも展示された。
2002年にメディコム・トイより発売されたKAWS KUBRICKを皮切りに、おなじみのキャラクターCOMPANION、コラボレーションものなどKAWS(カウズ)の貴重なフィギュアコレクションがこれだけ一堂に会するのはレア。
今回のエキシビションの大きな目玉となったのが、メディコム・トイと博報堂プロダクツによる、ブロックチェーン技術を活用した模倣品対策ソリューション「du-al.io ™」の発表。コレクション性の高い玩具やアートはもちろん、 模倣品が多く出回る高級アパレル・時計・アクセサリーなど、企業と消費者の信頼を守ることを目指す。
「du-al.io ™」の搭載事例の第一弾となる「BE@RBRICK」のデモンストレーション。スマートフォンの専用アプリでBE@RBRICKの脚裏に内蔵されたチップを非接触で読み込み、個体番号を認識。セカンドマーケットにおいてリアルとデジタルで真贋を検証できる画期的なシステムとなりそうだ。
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