Bugaboo|システムという発想で生まれたスーツケースBugabooに大注目。
Bugaboo|バガブー
“Bugaboo Boxer"(バガブー ボクサー)は
旅スタイルすら変えるかもしれない。
スーツケースというと、基本的には定型のようなものがあってその中で様々な工夫や軽量化、デザインの試行錯誤が繰り返されている。が、基本がそう大きく変わるわけではなかった。そう、あの四角くてゴロゴロ引っ張るというイメージから抜け出せていないでいる。が!この長いスーツケースの歴史に反旗をひるがえすかのようなスーツケースが登場した。
Text by NAGASAKI yoshitsugu(PARAGRAPH)
なかった“押す”という発想
そう、スーツケースは引っ張るものという常識を真っ向からひっくり返したのが<Bugaboo>の“バガブー ボクサー”だ。
見ての通り、前に押すという意外性たっぷりのスーツケースだが、実は押すという発想は実に理にかなっている。
「ヒントは空港の荷物を乗せるトロリーにありました。それに重いものを運ぶ時は前に押した方が楽なんです。それに押すという考えは私たちのバックグラウンドであるベビーカーで培った技術をフルに生かすことができるというメリットもありました。というすべてを“押す”という発想へと集約して生まれたのが、このスーツケースです。」
その言葉通り、この<Bugaboo>は、ベビーカーのトップブランドとしてヨーロッパを中心に絶大な人気を誇っている。その理由は、スムースな動きやマルチに使いこなせるシステム性を持っているからだ。
ちなみに、Bugaboo Boxerというネーミングは箱からではなく、犬種のボクサーからのネーミングとのこと。動きがいいことをアピールということだろう。
Bugaboo|バガブー
“Bugaboo Boxer"(バガブー ボクサー)は
旅スタイルすら変えるかもしれない。 (2)
スーツケースをシステムで考えるという発想
もう一つ“バガブー ボクサー”が画期的な理由がある。
「私たちは、このスーツケースをシステムとして考えています」そうデザイナーのアーノルト・ダイクストラ-へリンガーが語るように、“バガブー ボクサー“は、ベースとなるシャーシと名付けられたキャリアー部分+2サイズ用意されたケースを基本に、ケースのサイズを選んだり、追加アイテムを加えて自分の旅スタイルにあった構成を作ることができるというのだ。
長期から短期、ビジネス向けへと自在に組み合わせて旅スタイルを作り上げられるのだ。しかも、彼らはデザイン大国オランダだけあって、複雑な機構も実にシンプルにまとめあげている。
そのいい例がシャーシ部分だ。タイヤの収納や複雑な機構を実にシンプルにデザインされているのだ。すべてが機内への持ち込みや預けるにしろ、最大限の安全策が取られている。いや、本当にお見事というしかない。
それぞれのユニットはインターロックでがっちりと連結されるが、そのリリースもワンタッチ。
個人的にはキャビンの中にあらかじめ用意されたインナーバッグに注目した。というのも、大概の場合、旅行の行きと帰りでは帰りに荷物が増える。が、このインナーバッグは個別にも使うことができ、帰国時に荷物が増えてもアタッチメントでキャビンに取り付けられるのだ。
こうして常に移動時には一体として荷物を持ち歩き、必要に応じて(機内持ち込みは最小にしたり)システムを使い分けることができる。
この<Bugaboo>の“バガブー ボクサー”がいかに旅のスタイルを考えられているかは、旅慣れた人ほどわかるだろう。旅を自分らしくアレンジするということは、持ち物までもをコントロールすることに他ならないと、強く自戒の念も込めてこのスーツケースシステムから感じ取った。