建築家の谷尻 誠と吉田 愛がリノベーションした東京新事務所|SUPPOSE DESIGN OFFICE
SUPPOSE DESIGN OFFICE|サポーズデザインオフィス
渋谷区富ヶ谷から桜丘町に移転したSUPPOSE DESIGN OFFICEの事務所を訪問
建築家の谷尻 誠と吉田 愛がリノベーションした東京新事務所
OPENERSで紹介した、サポーズデザインオフィスの香港での展覧会「MULTIPLE SCALE」記事の冒頭に、「建築家、谷尻 誠氏と吉田 愛氏が率いる建築設計事務所サポーズデザインオフィス」とあったのを、不思議におもった読者もいるだろう。昨年、事務所を法人化して、谷尻 誠氏と吉田 愛さんが両代表になり連名になったサポーズデザインオフィスの東京事務所が渋谷区富ヶ谷から桜丘町に移転。リノベーションしたオフィスの紹介とともに、おふたりの今年の抱負を聞いた。
Photographs by SUZUKI Shimpei Text by KAJII Makoto (OPENERS)
サポーズデザインオフィスのスタッフが解体
新東京事務所のリノベーションでこだわった点を聞くと、「スタッフが解体したことですね」と谷尻氏。仕事の現場では解体業者に依頼しているが、「マンションの内装の解体ぐらいスタッフだけで簡単にできるんじゃないか」とはじめたが、いざやってみると大変で、かなり手強かったそうだ。解体だけで2カ月ほどかかったという。
新事務所は築40年ほどのマンションの約70平米ほどのL字空間をリノベーション。天井・壁ともに以前の面影はなく、打ちっ放しの壁と、クロスしているH形鋼が目を引いて、玄関から入って右側にスタッフの作業空間を確保。左側は亜鉛メッキの鉄板とキャンディペイント仕上げとなっていて、内側は収納スペースとなっている。
共同代表の吉田 愛さんは事務所の移転の理由を、「来客を迎えられるようにしたかった」と言う。その言葉通り、スタッフの作業スペースの背後にデスクが置かれ、窓際には、採光に恵まれたミーティングテーブルが配されている。
H鋼をリユース・リプロダクト化
香港での展覧会「MULTIPLE SCALE」でも好評という、サポーズデザインオフィスとKAMO CRAFTのコラボレーションによる新プロダクト「KT -kata-」について、吉田さんは、「広島でおしゃれなフリーマーケートとして人気のザ・トランクマーケット(The Trunk Market)のオーナーに依頼されて、過去3回ほど出ているのですが、私たちは売るモノがなくて、ワークショップを開いています。それで、何か売れるモノを作れないかと、既製の鋼材を使った商品を考えていました」。
谷尻氏は、「それは鉄くずなのかプロダクトなのか? 自分たちではH鋼の端材をブックエンドにしたり、名刺やペンを置いたりしていて、そこからKT -kata-につながります。サンドペーパーかけると真ちゅうが出てくるなど、自分で手をかけられるのも面白い。建築では使えない端材のリユース・リプロダクト化で、現在はメール注文で受けています」と語る。
サポーズデザインオフィスの2015年の目標は?
昨年、連名で法人化したことについては、「ふたりで両代表になることで、守備範囲が広くなる。これからは、個人を生かしながら、チーム力を目指します」と谷尻氏。目指すところは、ジャニーズ事務所と笑う。
今年の目標について、「広島にゲストハウスを作りたい。1階は誰でも利用できる社員食堂にして、上に事務所や、泊まれるスペースを」と谷尻氏。吉田さんは、「社員旅行で海外へ行く」のが目標とのこと。「THINKも3月13日のゲスト、エドツワキ(Ed TSUWAKI)さんで50回を迎えます。忙しい皆さんにもっと広島に来ていただけるようなゲストハウスをぜひ実現したい」と語った。
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