UTRECHT 「骨ブックス」 at 21_21 DESIGN SIGHT 開催中
Design
2015年5月15日

UTRECHT 「骨ブックス」 at 21_21 DESIGN SIGHT 開催中

目にするものすべてが備える「骨」

「骨ブックス」 at 21_21 DESIGN SIGHT

気持ちのよい緑が広がる東京ミッドタウン・ガーデン内の21_21 DESIGN SIGHTでは、プロダクトデザイナー山中俊治氏のディレクションによる「骨」展が開催中。
展示に合わせ、ユトレヒトが手がける「骨ブックス」が、1階ロビーにて期間限定でオープンしています。

文=與田寛子(UTRECHT)写真=吉村昌也

「標本」 → 「実験」 → 「骨」の仕組みを考える

「骨ブックス」というからには、レントゲン写真を展観するかのように骨の本がずらり並べられているのでは……と思いきや、そこにはスープの本や虹の本、椅子の本に、からくり人形の本など、およそ「骨」から、かけ離れたタイトルが目に入ります。
首を傾げつつも、ひとまず展示スペースへ。

まず迎えられたのは、大きくて立派なダチョウの骨格標本。
節々の接合部分の精密さ、骨の表面に波打つ細かな紋様など、
生物を支える骨組みは、まさに圧巻。
一方、少し先に進むと、陳列されているのは時計のなかに組み込まれる針やねじなど、小さく繊細な部品の数々。
どれひとつ欠けても正常に作動しない、時計の骨組みのすべてが並べられています。

どうやら「標本」をテーマにした展示物からはじまり、広いスペースへ抜けると、そこからは「実験」をテーマに、人間の知恵から創造された「骨」の機能を併せもつ工業製品や、発想力豊かな作品が展示されているようです。

インタラクティブな作品が多く展示されるなか、印象的だったのが、
参(MILE)による「失われた弦のためのパヴァーヌ」。この世に、もしピアノというものが存在しなかった場合、
ピアノの骨格を発掘したときに、どのように再現するか……と仮定した、おもしろい着想による作品でした。

風変わりなピアノの演奏をひとしきり満喫し、
1階ロビーに戻るころには自らの一挙手一投足における骨の動きが、気になって仕方がない上、目にするものすべてが備える「骨」の仕組みを、想像せずにはいられません。

「骨ブックス」に並べられたさまざまな書籍のタイトルにもきっと、すんなり頷(うなず)くことができるはずです。
8月30日(日)まで開催中。是非ご覧ください。

教授に聞きたいこと、募集中!

山中俊治ディレクション「骨」展
21_21 DESIGH SIGHT
8月30日(日)まで開催中
http://www.2121designsight.jp/

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http://www.utrecht.jp/

           
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