フェラーリ、830hpのハイブリッドスパイダー「296GTS」を発表｜Ferrari

Ferrari 296GTS｜フェラーリ 296GTS

フェラーリ、830hpのハイブリッドスパイダー「296GTS」を発表

フェラーリは4月19日、最新ミッドシップスパイダーの「296GTS」を発表した。先にデビューしたPHEVクーペ「GTB」のオープンバージョンで、最高出力は830hpを誇っている。

Text by HARA Akira

ルーフを格納すると296 GTB と同様のフォルムが出現

296GTSが搭載するパワートレインは、最高出力663hpを発生する排気量2,992cc、バンク角120°の新型V6ターボエンジンと、167hpを発生する電気モーターの組み合わせ。トータル出力は830hpとクラストップで、フェラーリの公道用スパイダーとしてV6エンジンを採用するのは初となる。

フェラーリ、830hpのハイブリッドオープン「296GTS」を発表｜Ferrari

トランスミッションは8段F1 DCTで、後輪を駆動。モーターとICE（エンジン）はトランジションマネージャーアクチュエーター（TMA）によって連携し、切り離した際はモーターだけで25kmの走行が可能になっている。F163型エンジンファミリーの最初となるこのV6エンジンは、開発中に「ピッコロV12（ミニV12）の愛称がついており、再設計した「ホットチューブ」によって車内に甲高いエンジンサウンドを伝達するという。

パフォーマンスとしては、最高速度330km/h、0-100km/h加速2.9秒、0-200km/h加速7.6秒、フィオラノ（フェラーリのテストコース）ラップタイム1分21秒80を公称。ドライブモードは、伝統的マネッティーノに加えて、パワーマネージメントのセレクター（e マネッティーノ）を装備。e マネッティーノには以下の4 つのポジションがあり、ステアリングホイールで選択できる。

・ eDrive：内燃エンジンは停止し、純粋に電気のみで後輪を駆動します。バッテリーがフル充電の状態で25 km の走行が可能で、最高速度は135 km/h 。

・ Hybrid（H）：始動時のデフォルトモードです。パワーフローは効率を最大化するようマネージメントされ、制御ロジックが内燃エンジンの介入を決定。エンジンを稼働すると、車両の最大のパワーとパフォーマンスが引き出される。

・Performance：ICE を常に稼働してバッテリーの効率を維持し、いつでもフルパワーが発揮できる状態にします。攻めたドライビングに最適な設定。

・ Qualify：バッテリーの再充電を抑えて、最大のパフォーマンスを発揮。

296GTSのボディサイズは全長4,565×全幅1,958×全高1,191mmで、乾燥重量は1,540kg。最大の特徴となるリトラクタブルハードトップ（RHT）は、ルーフを格納すると流線型のスポーティーな印象となり、シルエットは296 GTB と酷似している。

軽量なRHT は、最高45 km/h までなら走行中でもわずか14 秒で開閉が可能で、ボディとルーフはBピラーの上で分離し、格納時には二つに分割されて、エンジンの前方に平らに折りたたまれる。このためエンジンベイの放熱特性は変化せず、デザインの全体的なバランスも保たれるというメリットがある。また、エンジンカバーの後方部分に窓を設けることが可能となり、そこから新型V6 をはっきり見ることができる。

モデルの名称は、排気量(2.9)と気筒数（6）という輝かしい伝統に則っており、グランツーリスモスパイダーの頭文字であるGTSを組み合わせたもの。また、車両の究極のパワーとパフォーマンスを最大限に活用したいオーナーのために、「Assetto Fiorano 」パッケージを用意。最大パフォーマンスのために一切の妥協を排して、トータルで8kgの軽量化やエアロパーツを駆使しているという。

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