システム最高出力は830cv──フェラーリのV6 PHEVベルリネッタ「296GTB」が日本上陸｜Ferrari

Ferrari 296GTB｜フェラーリ296GTB

フェラーリのV6＋PHEV2シーターベルリネッタ「296GTB」が日本上陸

フェラーリ・ジャパンは10月14日、ミッドシップにV6エンジンを搭載したPHEV2シーターベルリネッタの「296GTB」を国内初披露した。

Text by AKIRA Ishihara

0-100km/h加速2.9秒、0-200km/h加速7.3秒、最高速度330km/hを記録

フェラーリの伝統にのっとったモデル名は、排気量の2.9リッターと気筒数の6に、グラン･ツーリスモ･ベルリネッタの頭文字であるGTBを組み合わせたもの。注目のパワーユニットは、120度のVバンクの間にIHI製ターボチャージャーを搭載した新しい排気量2.992ccのV6エンジンで、最高出力663cv/8,000rpm、最大トルク740Nm/6,250rpmを発生。エンジンと8段DCTギアボックスの間にMGU-K(モータージェネレーターユニットキネティック)と呼ばれる122kW（167cv）の電気モーターを搭載することで、最高出力830cvを実現している。

システム最高出力はナント830cv──フェラーリのV6 PHEVベルリネッタ「296GTB」が日本上陸｜Ferrari

後輪駆動のPHEVシステムは、トランジションマネージャーアクチュエーター（TMA）で切り離してモーターだけのeDRIVE走行が可能で、その航続距離は25km、最高速度135km/hとなる。ICE（エンジン）とモーターを同時に使用する際には「Hybrid」「Performance」「Qualify」の各モードがあり、最大のパフォーマンスを発揮すれば0-100km/h加速2.9秒、0-200km/h加速7.3秒、最高速度330km/h、テストコースであるフィオラノのラップタイム1分21秒を公称する。

走行サウンド面では、相反する二つの特性であるターボのパワーと自然吸気V12が奏でるような高周波のハーモニーを両立したのが特徴とのことで、車内でも車外でもそれが楽しめるという。そのためこのV6エンジンは開発中に「ピッコロV12（ミニV12）」の愛称がついた。

ボディは全長4,565×全幅1,958×全高1,187mm、ホイールベース2,600mmで、乾燥重量は1,470kg。エクステリアは、1963年の250LMにインスパイヤされたクリーンでシンプルなもので、波打つようなボディやBピラーのデザイン、エアインテークを配したフェンダー、繊細にバランスをとったカムテールといった要素にそれが見て取れる。

キャビンのフロントウインドウはサイドウインドウへカーブするバイザースタイルで、J50やP80/Cといった限定やワンオフのモデルに採用されてきたもの。先端に行くほど絞り込まれたフロント部や、過去のティアドロップ型ヘッドライトを彷彿させる「フェアドイン･ティアドロップ」など、思い入れの強いスタイリングは見ものだ。

インテリアは、SF90ストラダーレに見られた完全なデジタルインターフェースによる新コンセプトを踏襲したもので、ピュアでミニマルなインテリアレイアウトを採用。「Start Engine」ボタンを押すとすべてのコンポーネントに徐々に命が宿るようなソリューションとなっている。助手席にも標準でパッセンジャーディスプレイが備わるので、コ･ドライバーのような体験ができるという。

また、最大のパフォーマンスを求めるユーザーには、全体で12kgの軽量化を果たした「ASSETTO FIORANO」パッケージを用意。250 LeMansをイメージした特別塗装もオーダーが可能だという。