フェラーリの美学、デザインが航海の世界へ──ヨットのリバリーをミラノで披露
CAR / NEWS
2026年4月23日

フェラーリの美学、デザインが航海の世界へ──ヨットのリバリーをミラノで披露

 

Ferrari|フェラーリ

 
フェラーリは、ミラノデザインウィークに競技用セーリングヨット「Hypersail」のリバリーを公開した。フェラーリの美学、そしてデザインが大海原へと乗り出す。
 

Text by YANAKA Tomomi

フェラーリの名車をオマージュしたディティールも

 
異なる専門分野が融合するオープン・イノベーション・プラットフォームとして構想され、フェラーリ・テックチームやフェラーリ・デザインスタジオ、そして船舶設計者のギヨーム・ヴェルディらが参画した「Hypersail」のプロジェクト。
 
チームが空力や流体力学、構造上の制約を美的価値へと変換したと謳うそのモデルは、全長100フィート(約30.5メートル)にもなり、自動車開発で養った知見を活かしながら海という予測不可能な環境において最大限のパフォーマンスを発揮するよう設計された。
 
 
レースの世界で生きてきたフェラーリゆえ「Hypersail」もまた規模と技術の両面において唯一無二の船になったという。
 
その顕著な例といえるのが、船体側面に統合されたソーラーパネル。これらは航行中の太陽光条件を詳細に分析した結果に基づき配置されており、グリップ性能を備え、歩行も可能という。
 
さらに専用の固定システムや処理により、クルーの動きの自由度も最大限に確保されたものとなった。
 
 
デザインの面でもこのヨットがフェラーリであることが見て取れる。流線形のシルエットは「フェラーリ・モンツァSP1/SP2」のプロポーションを想起させるものとなり、キャビン外装はル・マン優勝車「499P」がイメージされた。
 
フェラーリのチーフ・デザイン・オフィサーであるフラヴィオ・マンゾーニは「Hypersailはフェラーリ・デザインスタジオにとって予期せぬ機会であり、その複雑さゆえに非常に挑戦的な目標でした。私たちが通常扱う領域とは異なる文脈で創造的研究を拡張することを可能にしてくれました」とコメント。
 
 
今回披露されたリバリーは新色のグレーをベースに、フェラーリの「第二の魂」ともいえる黄色のNuovo Giallo Fryをアクセントカラーに採用。この名前の起源はエンツォ・フェラーリの友人であり、黄色いヘルメットで知られたドライバー、ルイジ・ムッソの未亡人であるフィアンマ・ブレスキから来ているという。
 
リバリ―はデザインウィーク期間中となる4月22日~26日にミラノのフェラーリ・フラッグシップストア内で展示。また、ドゥオーモ広場を望む「HIGHLINE Milano」のメインテラスではフェラーリ・デザインスタジオによる灯台のインスタレーションも披露され、ミラノデザインウィークを盛り上げる。
 
レースの世界を海へと広げるフェラーリのチャレンジ。今後の展開からも目が離せない。
 
問い合わせ先

フェラーリ
https://auto.ferrari.com/
https://www.ferrari.com/ja-JP/

フェラーリ リバリーをより深く知るために

 
Q. Hypersailはどのような動力で走るのですか?
風・太陽・運動エネルギーといった再生可能エネルギーによって駆動するよう設計されています。その中核となるのがフォイリングで、高度な制御システムに自動車開発で培った知見を活用しています。またモノハルというデザインの選択自体が、水力および空力効率を最大化するための戦略的な判断によるものです。
 
Q. リバリーのグレーはなぜこの色なのですか?
船体の主要素材であるカーボンファイバーが持つ色そのものを、Grigio Hypersailとしてリバリーに採用しています。単なる美的な選択ではなく、素材の軽量性と性能を色として体現したものです。象徴的なNuovo Giallo Flyの黄色はそのアクセントとして機能し、機能美と視覚的な強さを両立させています。
 
Q. ヨットのデザインには、どのようなフェラーリモデルの意匠が盛り込まれているのですか?
Monza SP1/SP2や499Pだけでなく、2023/2024年型F1マシンのウィングに見られる特徴的な細長い「F」のビジュアル、ハイパーカーのLaFerrariやF80のラインに着想を得たディテールも取り入れられています。フェラーリのデザイン言語を海という異なる文脈へ移植しながら、ブランドのDNAを多層的に表現した仕上がりになっています。
 
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