サーキット専用のウラカンLP620-2を発表|Lamborghini
Lamborghini Huracan LP620-2 Super Trofeo
ランボルギーニ ウラカン LP620-2 スーパートロフェオ
サーキット専用モデル「ウラカン LP620-2」を発表
アウトモビリ ランボルギーニは、「ウラカン LP610-4」をベースにモータースポーツ部門が開発した新世代サーキット専用モデル「ウラカン LP620-2 スーパートロフェオ」を発表した。このモデルは、2015年の「ランボルギーニ ブランパン スーパートロフェオ」シリーズでのデビューを予定しているという。
Text by OHTO Yasuhiro
10ps増の620psを発揮するV10で後輪を駆動
米国カリフォルニア州で開催されたモントレー・カーウィークでワールドプレミアされたランボルギーニ「ウラカン LP620-2スーパートロフェオ」。このモデルは、アウトモビリ ランボルギーニのモータースポーツ部門が開発した、ウラカンをベースとした新世代のサーキット専用モデルである。
開発は明確なレーシングコンセプトに基づき、ゼロから進められ、モータースポーツの厳しい安全基準をクリアしつつ、高いパフォーマンスを実現するべく設計されているという。安全性を高めるロールケージは、キャビンだけでなく、シャシーのリアアクスルにまで伸び広がる大型サイズのものでありながら、その単体重量はわずか43kgと軽量だ。さらにねじり剛性は、従来モデルから45パーセントも向上している。
また、ウラカンのカーボンとアルミニウムによるハイブリッド構造フレームにも手がくわえられており、改良されたフロントのラジエーターと、すぐれた空力学的効果を発揮すると謳うリアのレーシング ギアボックスに合わせて形状が修正された。
エンジンには、「ウラカン LP610-4」とおなじ5.2リッターのV10を搭載。最高出力は、10psアップされた620psを発揮する。ロードカーの1,422kgにくらべ、乾燥重量が1,270kgと軽量に仕上げられたマシンは、パワーウエイトレシオ2.05kg/psを誇る。
そして、モデル名の末尾「-2」にあらわされるとおり、ハイパワーをリアタイヤのみで路面へと伝達するのが、このモデル最大の特徴といえよう。その走りを支えるタイヤには、専用のピレリ社製のものが装着されており、ロードモデルとはことなるサイズのフロント305/660-18およびリア315/680-18をセレクト。足まわりには、全ての調整が可能なアンチロールバーおよび2ウェイ アジャスタブルなオーリンズ社製ダンパーが採用される。
Lamborghini Huracan LP620-2 Super Trofeo
ランボルギーニ ウラカン LP620-2 スーパートロフェオ
サーキット専用モデル「ウラカン LP620-2」を発表 (2)
開発にはダラーラ エンジニアリングが参加
インテリアはダッシュボードからセンターコンソール、ステアリング、シートなど細部に渡ってアルカンターラを使用。ステアリングはOMPと共同開発したレース向けの新型を採用する。
電子機器も大幅な進化を遂げており、スーパートロフェオ専用の新軽量ケーブルと接続ユニットを搭載。コントローラーには最新の「MOTEC M182」を使用しており、データ収集や専用のシーケンシャルギアボックスの制御などをおこなう。また特殊機能として、トランクション制御とボッシュ社製モータースポーツABSも採用。これにより、ドライバーは天候やトラック状況に合わせて12種類のモードから最適なものを選択できる。
空力パーツにも手がくわえられており、つねに最大のトランクションとダウンフォースを実現すべく空力特性を改善。さらに10種類の設定ができる可変式リアウィング、前後のデュフューザー、調整可能なフロントエアインテークなどが、従来モデル以上にバランスを向上させたエアロダイナミクス特性をサポートする。
ウラカン スーパートロフェオの開発には、ジャンパオロ・ダラーラ氏が率いる「ダラーラ エンジニアリング」も参加し、空力学的性能最適化および車体開発をおこなっている。このプロジェクトには、ダラーラ氏本人も開発に携わっているという。彼は、初期のランボルギーニで活躍し、「ミウラ」などの開発で重量な役割を果たしたエンジニアのひとりである。
ダラーラ氏は、「ダラーラ エンジニアリングにとって、このようなハイパフォーマンスモデル開発への参加は、非常に貴重な経験となった。そして、私個人としては、ある意味“古巣を再訪する”かのような体験であったと思う」とコメントしている。
このサーキット専用モデルは、既に先月におこなわれた開発テストでトラックデビューを飾っており、アウトモビリ ランボルギーニ専属のテストドライバーたちによりデータを収集が開始されているという。待望の実戦デビューは、ランボルギーニのワンメイクレースである「ランボルギーニ ブランパン スーパー トロフェオ」2015年シリーズの予定だ。
Lamborghini Huracan LP620-2 Super Trofeo
ランボルギーニ ウラカン LP620-2 スーパートロフェオ
ホイールベース|2,620 mm
トレッド 前/後|1,695 / 1,660 mm
重量|1,270 kg
エンジン|5,204cc V型10気筒
最高出力| 620 ps / 8,250 rpm
最大トルク|570 Nm / 6,500 rpm
トランスミッション|シーケンシャル6段ギアボックス(Xtrac社)
駆動方式|MR
サスペンション|ダブルウィッシュボーン式
タイヤ 前/後|305/660-18 / 315/680-18
ブレーキ 前|φ380×35 mm スチール/6ポット モノブロック ブレーキ キャリパー(Brembo社)
ブレーキ 後|φ355×32 mm スチール/4ポット モノブロック ブレーキ キャリパー(Brembo社)
燃料タンク容量|118リットル