秋から冬に乗りたいメルセデスのオープン

「C クラス」の始祖となる「190」がデビューしたのは1982年。それ以来、セダン、ステーションワゴンといったメルセデス伝統のボディタイプ以外に、近年ではSUVの「GLC」、ロードスターの「SLC」、「Cクラス クーペ」がデビューするなど、さまざまなバリエーションが追加されてきた。

現行Cクラスは2014年に発表以来、4万台以上を販売するメルセデスの中核モデルである。今回そのCクラスに4人乗りオープンモデル「C クラス カブリオレ」が追加された。「C クラス カブリオレは S クラス カブリオレの技術を惜しみなく投入し、乗員4人が快適にオープンエア ドライブを楽しめるクルマです。もちろん、C クラスの安全性や軽快なドライビング性能はカブリオレにも引き継がれています」と語るのは、メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏だ。

発売タイミングについて上野氏は、「夏のクルマというイメージが強いオープンモデルですが、我々は秋が始まるこれからのシーズンや、冬がベストだと考えこのタイミングで発表します」と述べ、「メルセデスのオープンモデルはソフトトップを閉めればクーペと変わらない静粛性、そしてルーフを開ければオープンモデルの一番の魅力である開放感を楽しむことができるからです。そして、真冬など寒い日でも快適にオープンドライブを楽しめるように、室内への風の巻き込みを防ぐ装備や、車内の暖かい空気を外に逃がさない機能を備えています。さらに後席を倒せばたくさんの荷物を積むこともできるという、まさにCクラスカブリオレは1台で多様な使い方ができるクルマなのです」とその特徴を説明した。

クーペ、カブリオレに共通のデザインモチーフを採用

C クラス カブリオレのエクステリアデザインは、メルセデスの最新のデザイン哲学、“モダンラグジュアリー”を体現。ロングノーズに対してショートオーバーハングが特徴で、Aピラー付け根のドア開口部側からホイールまでの距離を長くとる（メルセデスでは“プレステージメジャメント”と呼ぶ）ことで、エレガントさを演出するという、メルセデスが得意とするデザイン手法を採用している。また、サイドのキャラクターラインは、フロントバンパーからフェンダーライン、そしてリアにまでつながる、S クラスカ ブリオレなどと共通のドロッピングラインを採用。のびやかであると同時に高級感を演出している。

ソフトトップはオープン、クローズドの両方で、スタイリッシュで美しいシルエットを創出。このアコースティックソフトトップは、遮音性や耐久性が高く、また、ボディカラーに適合した鮮やかな3色のブルー、ブラック、ダークレッドが組み合わされ、ガラス製のリアウインドウによってクリアな後方視界が確保されている。なお、走行中でも50km/hまでであれば操作が可能で、約20秒で開閉が可能だ。

インテリアは、C クラスに共通する上質な雰囲気と実用性を兼ね備えている。リアシートにはトランク内の左右にあるスイッチによって、ワンタッチでシートを倒すことができるトランクスルー機能が付いており、実用的な面も備えている。さらに室内への風の巻き込み抑えるエアキャップや、温風が噴き出て首の周囲を温めることができるエアスカーフ、そして、ソフトトップがオープンの時にステアリングホイールを握るドライバーの手が冷たくならないよう温風をあてるクライメートコントロールシステムなど、カブリオレ専用の装備が追加された。

開発当初から考慮されたボディ剛性

オープンモデルであるカブリオレは、ルーフがない構造からボディ剛性の確保が課題となる。しかし、メルセデス・ベンツ日本営業企画部商品企画1課マネージャーの木下潤一氏によると、「C クラス カブリオレはペースとなるセダンモデルの開発の初期からカブリオレとしても十分なボディ剛性が確保できるよう考慮されています」と述べる。

さらに、ボディシェルのフロントエンドとフロア周辺部分、ルーフ周りなどがカブリオレ用として新設計され、メルセデスの最新テクノロジーである、アルミニウムハイブリッドボディシェルによって軽量なアルミ合金と高強度スチール材を組み合わせ、高いボディ剛性と軽量化を両立させている。

また、安全面では乗員空間を確保すべき部分に超高張力鋼板などを用い、その周辺を衝撃吸収構造とすることで、世界最高水準の衝突安全性能と、歩行者保護性能を実現した。

4つのエンジンバリエーション

C クラス カブリオレのパワートレーンは、「C 180 カブリオレ スポーツ」には最高出力156ps、最大トルク250Nmを発生する1.6リッター直噴ターボエンジン。「C 300 カブリオレ スポーツ」には、 最高出力245ps、最大トルク370Nmを発揮する2.0リッター直噴ターボエンジンを搭載。これらに静粛性と燃費の両立を謳う9段オートマチック トランスミッションの「9Gトロニック」が組み合わされる。

いずれのエンジンにも、1万分の1秒の反応速度で燃料噴射をコントロールするスプレーガイド式燃焼システムや、確実点火を行うマルチスパークイグニッションなどによって、常に最適な燃焼状態をつくり出す最新のブルーダイレクトテクノロジーが搭載されている。

そして、メルセデスAMGモデルには、2つのエンジンが用意されている。メルセデスAMG「C 43 4マチック カブリオレ」には軽量構造とともに、シリンダーウォールにスチールカーボン材を溶射コーティングするNANOSLIDE摩擦低減加工が施された。これにより、最高出力367ps、最大トルク 520Nmを発生する 3リッターV型6気筒直噴ツインターボエンジンを搭載。

また、メルセデスAMG「C 63 Sカブリオレ」には、メルセデスAMG社が完全自社開発したスポーツカー「AMG GT」と基本設計を共通とするAMG製4.0リッターV型8気筒直噴ツインターボ エンジンが搭載されており、最高出力510ps、最大トルク700Nmというパワーによって、0-100km/h加速は 4.1秒を実現した。

さらにAMGモデルにはそれぞれに専用セッティングされたAMGパラメーターステアリングや、AMG強化ブレーキシステム、AMGエグゾーストシステムなどAMG専用の装備により、ハイパフォーマンスな走りが提供されるという。

C クラスの走行性能、安全性、実用性、環境性能をベースにカブリオレ専用に開発された快適装備。さらに耐候性の高いアコースティックソフトトップにより、1年を通じて快適なオープンドライブが楽しめることだろう。

Mercedes-Benz C 180 Cabriolet Sport｜メルセデス・ベンツ C 180 カブリオレ スポーツ
ボディサイズ｜全長 4,705 × 全幅 1,810 × 全高 1,405 mm
ホイールベース｜2,840 mm
トレッド 前/後｜1,575 / 1,555 mm
車両重量｜1,710 kg
エンジン｜1,595 cc 直列4気筒DOHCターボチャージャー付
ボア×ストローク｜83.0 × 73.7 mm
最高出力｜115 kW（156 ps）/5,300 rpm
最大トルク｜250 Nm（25.5 kgm）/1,200-4,000 rpm
トランスミッション｜9段AT（9G Tronic）
駆動方式｜FR
燃費（JC08モード）｜14.3 km/ℓ
ブレーキ 前/後｜ベンチレーテッドディスク／ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前/後｜225/45R18 ／ 245/40R18
トランク容量｜285 / 360 リッター
最小回転半径｜5.2 メートル
ハンドル位置｜右
価格｜606万円

Mercedes-Benz C 300 Cabriolet Sport｜メルセデス・ベンツ C 300 カブリオレ スポーツ
ボディサイズ｜全長 4,705 × 全幅 1,810 × 全高 1,405 mm
ホイールベース｜2,840 mm
トレッド 前/後｜1,575 / 1,550 mm
車両重量｜1,730 kg
エンジン｜1,991 cc 直列4気筒DOHCターボチャージャー付
ボア×ストローク｜83.0 × 92.0 mm
最高出力｜180 kW（245 ps）/5,500 rpm
最大トルク｜370 Nm（37.7 kgm）/1,300-4,000 rpm
トランスミッション｜9段AT（9G Tronic）
駆動方式｜FR
燃費（JC08モード）｜13.5 km/ℓ
ブレーキ 前/後｜ベンチレーテッドディスク／ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前/後｜225/40R19 ／ 255/35R19
トランク容量｜285 / 360 リッター
最小回転半径｜5.2 メートル
ハンドル位置｜右
価格｜768万円

Mercedes-AMG C 43 4MATIC Cabriolet｜メルセデスAMG C 43 4マティック カブリオレ
ボディサイズ｜全長 4,705 × 全幅 1,810 × 全高 1,405 mm
ホイールベース｜2,840 mm
トレッド 前/後｜1,600 / 1,555 mm
車両重量｜1,880 kg
エンジン｜2,996 cc V型6気筒DOHC ツインターボチャージャー付
ボア×ストローク｜88.0 × 82.1 mm
最高出力｜270 kW（367 ps）/5,500-6,000 rpm
最大トルク｜520 Nm（53.0 kgm）/2,000-4,200 rpm
トランスミッション｜9段AT（9G Tronic）
駆動方式｜4WD
燃費（JC08モード）｜11.4 km/ℓ
ブレーキ 前/後｜ベンチレーテッドディスク／ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前/後｜225/40R19 ／ 255/35R19
トランク容量｜285 / 360 リッター
最小回転半径｜5.5 メートル
ハンドル位置｜右
価格｜960万円

Mercedes-AMG C 63 S Cabriolet｜メルセデスAMG C 63 S カブリオレ
ボディサイズ｜全長 4,750 × 全幅 1,875 × 全高 1,405 mm
ホイールベース｜2,840 mm
トレッド 前/後｜1,635 / 1,590 mm
車両重量｜1,960 kg
エンジン｜3,982 cc V型8気筒DOHC ツインターボチャージャー付
ボア×ストローク｜83.0 × 92.0 mm
最高出力｜375 kW（510 ps）/5,500-6,250 rpm
最大トルク｜700 Nm（71.4 kgm）/1,750-4,500 rpm
トランスミッション｜7段AT（AMG SPEEDSHIFT MCT）
駆動方式｜FR
燃費（JC08モード）｜8.9 km/ℓ
ブレーキ 前/後｜ベンチレーテッドディスク／ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前/後｜255/35R19 ／ 285/30R19
トランク容量｜285 / 360 リッター
最小回転半径｜5.4 メートル
ハンドル位置｜右
価格｜1,403万円