ベントレーならどんな要望も自由自在|Bentley
CAR / FEATURES
2017年9月6日

ベントレーならどんな要望も自由自在|Bentley

Bentley|ベントレー

ベントレーならどんな要望も自由自在

世の中には真に最高と呼べるものがいくつかある。ラグジュアリーブランドのクルマもそのひとつだろう。溢れ出るパワーがもたらすスピード、ステイタスシンボルたるフォルム、そして地上を走る乗り物としてこれ以上ない快適な空間。しかし、個々人の特別な事情が絡むと、そのどれもがパーフェクトとはいえなくなる。そこでベントレーでは特別な要望に対応すべくチームを用意し、カスタマーの期待に応えているという。

Text by SAKURAI Kenichi

スーパーカーでも為し得ない

例えばカスタマーの趣味が鷹狩りだった場合は? 果たしてドイツのラグジュアリーブランドやイタリアのスーパーカーが、訓練され獲物を捕らえる猛禽類の宿営としてふさわしい存在になり得るだろうか?

答えは否だ。

しかし、ベントレーであれば、そうしたカスタマーのリクエストに難なく応えてくれる。ここで紹介するのは、鷹狩りという高尚なスポーツのために必要なすべてをカバーした「ベンテイガ」だ。制作を担当したのはベントレーのパーソナル コミッショニング部門を担当するマリナーで、その名も「ベンテイガ ファルコンリー」という。そう、このクルマは、中東のあるカスタマーのリクエストによって制作されたスペシャルモデルである。

s_bentley_4_bentayga_23

s_02_bentley

マリナーが手がけたインテリアには、ふたつの個別コルク トリム ユニットが搭載されている。ひとつはマスター フライト ステーション(荷室右)で、これは鷹狩りというユニークスポーツに必要なグローブやGPSバード トラッキング ユニット、双眼鏡といった機材を収めるストレージ。この中にはさらにファルコンをモチーフにしたイラストとマリナーのロゴを配したピアノブラックの引き出しも用意されている。

もうひとつのリフレッシュケース(荷室左)には、飲み物を入れるボトルや3つのカップ、毛布やフェイスタオルなどが整然と仕舞われており、荷室とリアゲートのカバーも用意されている。このカバー類はリバーシブルで、鷹が休息する際に日陰を作り出すために有効だ。リフレッシュケースのコルクの表面にはベントレーのロゴが、マスター フライト ステーションのコルクの表面にはマリナーのロゴが入る。

s_01_bentley

s_bentley_4_bentayga_37

キャビン中央のアームレスト部分には着脱が可能なコルクのテザーが置かれ、ダッシュボードもまたユニークな鷹と砂漠をモチーフとしたデザインのウッドで装飾されている。特にダッシュボードに埋め込まれている鷹と砂漠をイメージしたデザインは、鷹の羽や砂の陰影を表すためにいくつもの種類の違うウッドを組み合わせ、本物のウッドだけでて作られている。チェスナット、ユーカリポンメル、ホリー、レイクウッド、メイプル、オリーブアッシュ、リップルシカモアなど世界中から集められ厳選された430枚ものウッドが、世界にたったひとつの砂漠と鷹をモチーフとしたアートを完成させたのだ。


Bentley|ベントレー

ベントレーならどんな要望も自由自在(2)

ビスポークによる可能性は無限大

このデザインやフィニッシュを見るだけでも、唯一無二の特別な価値が分かろうというものだ。こうした特別な内装や装備は、すべて熟練した職人によって手作りされ、その製作時間は9日間にも及んだという。

鷹狩りは中東の王族が好むスポーツであり我々にはいささかなじみはないが、誤解のないように説明すれば、この鷹狩りに適したベンテイガが作られたというのがポイントではない。重要なのは、ベントレーがあらゆるカスタマーの趣味や嗜好に対応する特注のソリューションを提供することが可能だという点である。

s_03_bentley

s_04_bentley

ベンテイガのドライブ ダイナミック モードと、オプションのレスポンシブ オフロード セッティングを駆使すれば、砂漠はおろか、地球上のおよそクルマで行ける場所には、ドライバーが勇気さえ持てばどこにでも乗り入れられる。レスポンシブ オフロードセッティングでは、あらゆるオフロード路面に適した車両設定を選択できるほか、ドライバー インフォメーション パネルには、ピッチ、ロール、ホイールの上下、ステアリングの角度、コンパス(方位)などの高度な情報が表示され、ベンテイガの動きが手に取るよう理解できるだろう。

さらにベンテイガには、すべてのベントレーモデルと同様に、マルチモード エア サスペンションが装備されている。ドライバーはハイ1、ハイ2、ノーマル、ローの4つのモードから車高を任意に選ぶことができ、より厳しいオフロードに挑むときは、たとえばハイ2で車高を一番高くセットすればいい。反対に、荷物の積み込みやトレーラーの牽引の際は、作業を容易にするために、リアサスペンションを下げることもワンタッチで行える。

道を選ばないベンテイガであれば、カスタマーが例えどんな趣味を持とうとも、それに対応する装備をビスポークで組み合わせ、あらゆる所にでもその趣味のギアを持って行くことができるはずだ。可能性はまさに無限大である。

ちなみに、この記事で紹介した鷹は、セーカーファルコンと呼ばれる鳥綱タカ目ハヤブサ科ハヤブサ属に分類される鳥。狩猟用に訓練され、数100年にわたり人とともに生きてきた。高いものであれば、1羽約100万ドルはくだらないという話は、まったくもって無粋なあくまでも余談である。

           
Photo Gallery