ALFA ROMEO PANDION|イタリアン・デザインの真骨頂
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2015年4月7日

ALFA ROMEO PANDION|イタリアン・デザインの真骨頂

ALFA ROMEO PANDION|アルファロメオ パンディオン

イタリアン・デザインの真骨頂

イタリアのデザイン工房として知られるベルトーネは、アルファロメオ創立100周年を記念したコンセプトカーのデザインを手がけた。そのモデルの名は「パンディオン(PANDION)」。このたびジュネーブモーターショーで初公開され、その概要が明らかになった。

文=ジラフ

まさに未来のクルマ

パンディオンのデザインは、フロントにあるアルファ伝統の盾型グリルから、かろうじてアルファロメオとわかるものの、大きなガラスエリアやボディシェイプ、リアセクションの複雑な造形は、まさに未来のクルマといった雰囲気を醸し出している。

アルファロメオは、今年のジュネーブモーターショーで、「159」「ブレラ」「スパイダー」の後継モデルのコンセプトカーを出品するが、このパンディオンは、まさしくブレラの後継車の方向性を示唆しているといえるだろう。

ベースは8Cコンペティツィオーネ

現在の情報では、メカニカル的な部分は「8Cコンペティツィオーネ」から大部分を流用するとみられ、搭載するエンジンも、4.7リッターのV8エンジンが予定されている。

このほか、159の後継となる4ドアセダンコンセプトカーはイタルデザインが、スパイダーの後継車はピニンファリーナがデザインを手がける。

アルフィスタならずとも、今年のジュネーブモーターショーのアルファ・ブースは要注目である。

BRAND HISTORY
セダンからオープンスポーツまで、洒落たイタリアンデザインとスポーティな走りにより、日本でも圧倒的な人気を誇るALFA ROMEO(アルファ ロメオ)。1910年、イタリアの企業家たちが、ミラノにあったフランスのダラック社の自動車組立工場を買い取り、設立したのがA.L.F.A社である。A.L.F.Aは“Anonima Lombarda Fabbrica Automobil”の頭文字からなる名前であり、“ロンバルディア自動車製造会社”を意味する。

すぐに独自モデルの「24HP」を投入したA.L.F.Aは、レースへの参戦も果たし、スポーツカーメーカーとしての頭角を表しはじめるが、財務状況は芳しくなく、1915年には経営陣が大きく変わることに。このとき主導権を握るのが、実業家であるニコラ・ロメオであった。1918年には社名をニコラ・ロメオ有限会社と改め、第一次大戦後の1920年にはアルファ ロメオのエンブレムを掲げた初のモデル「Torpedo 20-30」が発売されている。

1922年には本格的なスポーツモデルである「RL」を投入。23年のタルガフローリオでは1-2フィニッシュを飾り、アルファ ロメオの名を世に知らしめる結果となる。そして同じ1923年にはレーシングカーの「P1」を開発、搭載される1990ccの6気筒にはすでにDOHCが採用され、以後、DOHCはアルファ ロメオを特徴づける技術となった。しかし、P1そのものは失敗。そこでアルファ ロメオは天才技術者のヴィットリオ・ヤーノをフィアットから引き抜き、グランプリカーの「P2」を開発、レースの歴史に輝かしい足跡を残すことになる。

第二次大戦後は量産車メーカーに転身し、1954年の「ジュリエッタ・スプリント」、1962年の「ジュリア」など、アルファ ロメオを代表するモデルを発売。1986年にフィアット傘下に収まったあとは、「アルファ156」や「アルファ145」「アルファ147」といったモデルが日本でもヒットし、アルファ ロメオの人気はますます高まりを見せている。

           
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