BUGATTI 16C GALIBIER CONCEPT|世界の頂点に位置する4ドアサルーン
BUGATTI 16C GALIBIER CONCEPT|ブガッティ 16Cガリビエールコンセプト
世界の頂点に位置する4ドアサルーン
ブガッティは創立100周年を祝う記念式典において、「16Cガリビエールコンセプト」を初公開した。
文=ジラフ
0‐100km/h加速2.5秒、最高速度407km/hの圧倒的な動力性能
16Cガリビエールコンセプトは、世界でもっともエクスクルーシブで、エレガント、そしてパワフルな最高級4ドアサルーンとして開発され、市販される可能性も高い1台であるとブガッティはアナウンス。
スペックの公表はされていないが、搭載されるパワーユニットは、8リッターのW16気筒エンジンに4つのスーパーチャージャーを装着したもので、最高出力1001ps、最大トルク127.5kgmを発揮。7速DSGとフルタイム4WDの組み合わせから生み出される動力性能は、0‐100km/h加速2.5秒、最高速度407km/hを記録する。
またガソリンだけでなく、エタノールでも走行できるのもこのモデルの特徴。足まわりには新開発のサスペンションが採用され、ブレーキにはセラミックが奢られるという。
時計はパルミジャーニ社製「レベルソ トゥールビヨン」
エクステリアは、ひと目みればブガッティとわかる仕上がり。その特徴的な馬蹄型グリル、ラウンドしたLEDヘッドランプは、まさにブガッティのそれ。ボディパネルはカーボンファイバーが採用され、ダークブルーに塗装される。
インテリアも個性的なデザインが採用され、コンソールは前後に貫通。メーターはダッシュボードの中央に2個配置され、その下には脱着可能な、パルミジャーニ社製「レベルソ トゥールビヨン」をレイアウト。レザーストラップを取り付ければ、腕時計として使用できるという。
ツール ド フランスのアルプス越えの難所の名称でもある「ガリビエール」からネーミングしたこのニューモデル。まさにライバル車にとっては難攻不落の、世界の頂点に位置する4ドアサルーンといって過言ではないだろう。
あえてフランクフルトモーターショーには出品せず、フランス・モルスハイムで開催されたブガッティの創立100周年記念式典で公開したあたりにも、ブガッティの揺るぎない自信を感じることができる。
BRAND HISTORY
芸術とテクノロジーの融合。BUGATTI(ブガッティ)が生み出した数々の名車に貫かれるのがこの精神だ。
それは、創始者であるエットーレ・ブガッティの血筋そのものでもある。祖父が建築家であり彫刻家であるジョヴァンニ、父がインダストリアルデザイナーのカルロというエットーレは、1881年にミラノに生まれる。ブガッティ家の血筋ともいえる芸術的資質と、エンジニアとしてのセンスを兼ね備えたエットーレは、技術者としての正規の教育を受けた経験がないにもかかわらず、19歳のときには勤務先の三輪車工場で、エンジン付きの三輪車を手がけ、続いて自動車を完成させることで、早々に自動車エンジニアとしての評価を手に入れる。
これに目をつけたアルザスの貴族に請われて、エットーレは自動車会社の技術責任者に就任。退職後、ドイツの自動車会社を経て、自らのブランドを立ち上げる。1909年には記念すべき最初のモデル「ブガッティタイプ10」を世に送り出した。
アルザスに戻ったエットーレは、高級車とレーシングカーを次々に開発。1920年にルマン24時間を制したのをはじめ、F1やタルガフローリオなどで成功を収める。しかし、第二次大戦後、エットーレが他界してからは自動車の製造を中止。その後、1980年代の終わりに、イタリアのロマーノ・アルティオーリにより、自動車ブランドとしての活動を再開し、「EB110」を発売するに到るものの、長続きはしなかった。
そんな不運な高級スポーツカーブランドを再び復活させたのがフォルクスワーゲンだった。1998年、同社はブガッティのブランドを譲り受け、翌1999年にはブガッティ・オトモビルS.A.S.を設立。いくつかのコンセプトモデルを主要なモーターショーに送り込んだ後、2001年にはスーパースポーツモデル「ヴェイロン」の量産を表明した。そして、2005年の東京モーターショーで、ついにヴェイロンの生産モデルがベールを脱いだのである。