BMW Vision Efficient Dynamics|ビー・エム・ダブリュー ヴィジョンエフィシエントダイナミクス
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2015年3月30日

BMW Vision Efficient Dynamics|ビー・エム・ダブリュー ヴィジョンエフィシエントダイナミクス

BMW Vision Efficient Dynamics|
ビー・エム・ダブリュー ヴィジョンエフィシエントダイナミクス

高い環境性能をもつ、BMW発のスポーツハイブリッド

BMWは、ハイパフォーマンスを誇るプラグインハイブリッドのコンセプトモデル「ヴィジョンエフィシエントダイナミクス」を販売することを発表した。

文=ジラフ

トータル356psを誇るパワートレイン

ヴィジョンエフィシエントダイナミクスは2009年のフランクフルトモーターショーで初公開されたプラグインハイブリッドのコンセプトモデル。搭載されるパワートレインは、最高出力163ps 、最大トルク29.6kgm を発揮する1.5リッター直列3気筒ターボディーゼルに、フロントモーター(最高出力80ps、最大トルク22.4kgm)とリアモーター(最高出力51ps、最大トルク29.6kgm)を組みあわせたもの。
エンジンとモーター、そのトータルスペックは、最高出力356ps、最大トルク81.6kgmと、小排気ながらまさしくスーパースポーツの域に達し、0-100km/h加速4.8秒、最高速250km/h(リミッター作動)と高い動力性能を実現させている。

BMW Vision Efficient Dynamics|ビー・エム・ダブリュー ヴィジョンエフィシエントダイナミクス Photo02

BMW Vision Efficient Dynamics|ビー・エム・ダブリュー ヴィジョンエフィシエントダイナミクス Photo03

2次電池は、10.8kWhのリチウムイオンバッテリーが採用され、家庭用の電源から充電が可能。気になる環境性能は、欧州複合モード燃費26.6km/ℓ、CO2排出量は99g/kmというすぐれた数値を記録。

ヴィジョンエフィシエントダイナミクスは、2013年に市販を開始する予定で、その名前は、「i100」または「i1」になるという。おなじく2013年に生産が開始される小型のEV車である、「メガシティビークル(仮称)」とともに、BMWにたいするイメージに“環境”の二文字がくわわるきっかけとなる1台になることは、まずまちがいないだろう。

BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロントマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においてもつねに高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。

Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。

そのあとも革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。

ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。

           
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