筋肉の表面だけを緩めているので再発してしまうのです

中辻 正さんのサロン名「リニューイングセラピー（Renewing Therapy）」は、その独特な施術──スキンケアでもない、マッサージでもない、今までになかったアンチエイジング施術──に由来し、「身体のなかからもう一度美しく､もう一度若々しく」というもの。

藤原　私自身、自分の身体の歪みを矯正するために、筋肉を緩めることをテーマに10年以上取り組んできましたが、ある程度良い感じのところまでいくんですが、やはり自己流の限界で、それで雑誌で中辻さんの記事を見て「これだ！　このひとにやってほしい！」って。

中辻　藤原さんは約1年半ほど施術をつづけましたね。一般的に“ストレッチ”というと、筋肉を緩めるイメージがありますが、それはあくまで表層の筋肉のことで、本当は骨にくっついている深層筋肉を緩めないと改善されません。筋肉の表面だけを緩めているので、痛みや歪みが再発してしまうのです。

藤原　でも、深層筋肉の施術ってあまりおこなわれていないんですよね。私も「身体の矯正には筋肉を緩めること」が持論ですが、中辻さんは何年施術されているんですか？

中辻　深層筋専門の治療を勉強して始めて20年以上、その前の接骨院時代をふくめると33年になります。

藤原　中辻さんとお会いして、「深層筋を緩める」というお話を聞いてすごく納得して施術をお願いしました。施術を始めた当初は、そんなに強くされていないのに、痛くて。

中辻　人間の身体は筋肉も血管も老化していきますが、私は筋肉に特化して研究しています。“筋肉”というと、鍛えればいいと思いがちですが、筋肉が不健康なひとはまず治さなければいけません。

藤原　私の身体はどうでした？

中辻　藤原さんの筋肉は、触った瞬間、「傷口が古い」ことがわかりました。若いころにとても無理をして筋肉を傷つけてしまい、それが硬くなって残存している。そこにストレスがかかると、回りの筋肉を固めてしまうことで、肩こりや頭痛を起こすんです。

藤原　なるほど。よくわかります。ヘアメイクするときの姿勢はとても不自然な身体の使い方をするんですよ。

「肩や腰の痛みなど、症状を追いかけるだけでは治りません」

中辻　まずおなじ姿勢、おなじ作業をずっとつづけていると、筋肉が緩まなくなります。お風呂に入っても元に戻らず、筋肉に循環障害が起こる。そうすると栄養が行き届かないので、筋肉が弱くなり、炎症が起こって痛くなり、そのまま放置していると筋肉に古傷として残ります。

藤原　中辻さんに施術してもらっているときは、身体のなかにずーんと来る痛みを感じました。

中辻　みなさん、肩が痛い、腰が痛いとなると、悪いと思ったところを治療しますが、本当は症状を追いかけてはダメなんです。痛みと傷が合致するとは限りません。たとえば、外反母趾で腰痛が起きたりするんですよ。

藤原　それはわかります。身体はつながっていますからね。中辻さんの施術を受けると、筋肉が緩むからいつも寝ちゃうんですよね（笑）。今は筋肉がだいぶ緩んだので、それを維持するためにピラティスに通っています。

中辻　藤原さんはご自身でいろいろ実践されているので、よく身体のことを理解されていますが、最初は足や首などかなり悪かったですね。昔無理されたものが筋肉に残っていて、硬かった。私たちは年齢とともに筋肉は硬くなり萎縮していきますが、筋肉が萎縮すると、固太りが起こります。

藤原　固太りになると、むくみのあとに太りやすくなりますよね。

中辻　そうですね。いわゆる中年太りの原因も筋肉の萎縮です。

※後編は、深層筋肉の治療から化粧品「ARITOMOセット」を生み出す経緯について語り合います。

有巴
http://www.aritomo.jp/

リニューイング
Tel. 03-6804-1141
http://www.renewing.jp/