form TOKYO MOON|5月30日 ON AIR インテリアショップ『オルネ ド フォイユ』オーナー 谷 あきらさんを迎えて
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2015年4月22日

form TOKYO MOON|5月30日 ON AIR インテリアショップ『オルネ ド フォイユ』オーナー 谷 あきらさんを迎えて

from TOKYO MOON|5月30日 ON AIR

パリ郊外の一軒家をイメージしたインテリアショップ

『オルネ ド フォイユ』オーナー谷 あきらさんを迎えて(前編)

日曜の夜、上質な音楽とともにゆったりと流れる自分だけの時間は、大人たちの至福のとき。そんな豊かな時間をお届けするのは、DJ松浦俊夫によるラジオプログラム『TOKYO MOON』──。彼が世界中から選りすぐったすばらしい音楽や知的好奇心を刺激する大人のためのトピックスを、毎週日曜日Inter FM 76.1MHzにて19時からオンエア。ここでは毎週オンエアされたばかりのプログラムを松浦俊夫みずからお届けします。さて、今回彼がピックアップしたものとは?

Text by MATSUURA Toshio

2週にわたりお届けする『オルネ ド フォイユ』の魅力

オーナーみずからがこだわって買いつけたアンティークの家具や雑貨、そして現代のアートピースといえる独特な風合いをもつ食器やファブリック、そして雑貨。数年来のファンである私が直接お店に出向き、出演交渉して実現した今回のインタビュー。お店をはじめたきっかけからセレクトしたアイテムについて、そして新旧のものをミックスするアイデアなどいろいろとお話をうかがいました。2週にわたってお届けします。

REVIEW|TRACK LIST

01.Jack Johnson / When I Look Up (Universal)
02.Jack Johnson / The Upsetter (Universal)
03.Sprout House Band / Spanish Flowers (Awdr / Ir2)
04.Nailor Proveta/ Moacirsantosiana N?5 (Acari)
05.Benny Sings / Make A Rainbow (Sonar Kollektiv)
06.The Ipanemas / Espelho D'Agua (Far Out)
07.Sprout House Band / Butternut (Awdr / Ir2)
08.Darondo / Didn't I (Luv N Haight)
09.Medeski, Martin & Wood / We're All Connected (Mega Force)

アンティークとモダン、絶妙なミックス感覚があたらしい『オルネ ド フォイユ』

松浦 フランス、ヨーロッパを中心にアンティークからモダンなアイテムまで取りそろえたインテリア・雑貨のショップ『オルネ ド フォイユ』。「TOKYO MOON」、今週はこちらのオーナーであります谷 あきらさんに来ていただきました。今回お越しいただいたのも、じつは自分自身がここ数年『オルネ ド フォイユ』のファンで、ちょくちょくお店にお邪魔しておりまして。それではまず『オルネ ド フォイユ』はどういったお店なのかご説明いただけますでしょうか。

 『オルネ ド フォイユ』はパリの郊外の一軒家をイメージしたお店です。リビング、ダイニング、キッチン、ガーデンといったシーンに基づいてアイテムを構成しておりまして、一応、生活全般のものが揃うようになっています。

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松浦 そもそもお店をはじめようと思ったきっかけとは?

 学生のころから雑貨が好きで、休みの日なんかはよく女の子と雑貨屋めぐりみたいなことをしていたんですけど、いざ自分でお店を開かなくてはいけないとなったとき、自分にはなにができるだろうって考えたら、自然と思い浮かんだのが雑貨店だったということで……。

松浦 学生のときに雑貨店をスタートしたんですか?

 学生のころは日本に住んでいましたが24歳からフランスへ。それから14年間住んでいたのですが、そのあいだはずっとパリで働いていました。お店をはじめたのは6年前になりますが、それまでは実家が家具・雑貨店を営んでいましたので海外の展示会で買いつけたものをたまに送ったりといったことをしてました。

松浦 もともとご実家がそういったお仕事をしてらっしゃったんですね。僕の最初の印象ですが、お店にはすごく繊細なイメージがただよっていて、女性的なアイテムも多いじゃないですか。なので男性がセレクトされてると知って驚いた覚えがあるんですけど、アイテムの傾向がいまのような感じになったというのには、なにかもとになっているものがあったんですか?

 この店をはじめるまえにフランスで買ったインテリアの本に衝撃を受けまして、そこのなかのセレクトに。たぶん女性がセレクトされてると思うのですが、たとえば白いナプキンに錆びたアイテム、僕だったら汚くて捨ててしまうようなものをきれいなものとミックスしていたりですとか、そういったアンティークをうまく生活に取り入れたシーンが紹介されていて、それに衝撃を受けたっていうのが根底にあると思います。きっとその世界観にちかづきたいなと思っているうちに、女性的なセレクトになっていったのかなと思います。

松浦 なるほど。もともと子どものときから女性的なアイテムにとくに惹かれていたということではないんですね。

 そうですね、とくにそういったことはありませんが、どちらかというと女の子の友達のほうが多かったりするので、おそらく普通の男性よりは女性的なのかなと思います(笑)。

from TOKYO MOON|5月30日 ON AIR

パリ郊外の一軒家をイメージしたインテリアショップ

『オルネ ド フォイユ』オーナー谷 あきらさんを迎えて(前編)

古いものとあたらしもの、上手にミックスするこつとは?

松浦 実際にお店で扱われている商品って、フランスの陶器の食器「アスティエ・ド・ヴィラット」であったり、キルトのカバーやクッションなど、ハンドメイドのすてきなファブリックが揃う「アン・フィル・ダディエンヌ」、そしてアメリカのものですか、「ジョン・デリアン・カンパニー」──こちらはディスプレイと言いますか、アートピースっぽいインテリア小物といった感じでしょうか。これらのブランドが印象的で、また商品の中心になっていますよね。そういった個性的でモダンなものでありながら、古き良き時代の空気だったり、シェビーな、ちょっと錆びていたり朽ちていたりっていうような雰囲気を醸しだすアイテムをセレクトされているわけですが、それらはどのようにしてセレクトされてきたんでしょう?

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Astier de villatte|
アスティエ・ド・ヴィラット

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en fil d'Indienne|
アン・フィル・ダディエンヌ

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John Derian Company|
ジョン・デリアン・カンパニー

 基本的に昔から古いもの、とくにアンティークが好きで、パリに行ってすぐのころから毎週末蚤の市に行ってましたね、それも市内だけでなく郊外までいろいろと。おそらくその“古いものが好き”っていうこともそうですし、また、「アスティエ・ド・ヴィラット」や「ジョン・デリアン・カンパニー」にしても、基本的に彼らもアンティークのコレクターであったり、アンティークのことが非常に好きなデザイナーなんですね。彼らとは蚤の市で偶然会ったりってこともよくあるんですが、おそらく彼らも意識せずにそういったアンティークの味といいますか、雰囲気が作品にあらわれていると思うんです。そのへんが僕の感性とぴったりあったというか、それでセレクトしたんだと思います。

松浦 いまの話につながりますが、あたらしいアイテムとアンティークのピースを絶妙に組み合わせてお店を展開されていますよね。そういうアイディアって『オルネ ド フォイユ』以外に工房だったり、実験的なお店としてもう2軒ほど運営されてますが、そこでもやはり絶妙な新旧織り混ぜた見せ方がありますよね。いままでそういうものってあるようでなかったと僕は思うんです。どちらかに偏ってた、古いものは古いもの、あたらしいものはあたらしいものって。これは音楽にも言えることですが、あたらしいものと古いものを混ぜ合わせて聴かせるっていうのはいまあまりないんです。そういった意味ではこの番組はかなりそのアイディアに近いものがあるのかなと思ってるのですが、谷さんにおうかがいしたいのは、それをうまく混ぜ合わせるコツみたいなものはあるんでしょうか?

 僕はもうアンティークがずっと好きで、もともと“アンティーク”と“現行品”と分けるような意識はしてませんでした。お店をはじめるときもそういった意識は全然なかったんですよ。なのでオープン当初から古いものは古いものと分けるのではなく、おなじ棚のなかに古いものとあたらしいものをごく自然に、僕のなかでは自然に、並べていたんです。それがやっぱり、そういうお店がいままでなかったということで、意外と好評だったのかなと思っています。

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パリ郊外の一軒家をイメージしたインテリアショップ

『オルネ ド フォイユ』オーナー谷 あきらさんを迎えて(前編)

ヨーロッパに習う絶妙なミックス感

松浦 パリに長く住まれていたということですが、とくにパリって街自体が古い、まぁヨーロッパ全体に言えることだと思いますが、古さとモダンなものを日常生活のなかでうまく共存させていると思うんですよね。日本の場合、古くなったら捨ててあたらしくとか、古くなったら建て直すとか。いまやっと時代がすこしずつ価値観も多様化してくるなかで、人びとが自分なりに長く使えるものだったり、いいものを新旧こだわらず混ぜていこうってアイディアがライフスタイルのなかにうまく取り入れられてきたと感じるのですが、やはりヨーロッパ、パリはそこらへんのミックス感っていうのは長年住まれていてやっぱりちがいますか? 一番ちがうところってどんなところでしょう?

 たとえば日本の場合、いまはまだアンティークとモダンな雑貨をミックスされる方って少数ですし、そういったものを理解していただける方もまだ少ないと思う。フランスだとそれが根底にあるといいますか、たとえば政治家レベルでもそういったものは理解していますし、建物であれば、もともとはオルセー美術館って古い駅だったりするんですが、そこを直して美術館にして、しかも古いままを残すというよりはモダンなデザインをうまくミックスしたりですとか、そういったものが非常に上手で、それが一般のひとにまで広く浸透しているというのがフランスのすごいところだなと思います。

松浦 なるほど。『オルネ ド フォイユ』は今おっしゃられたことがちゃんとかたちになっているなって感じます。僕はもともと食器「アスティエ・ド・ヴィラット」がきっかけでお店に入って、そこから気になってちょくちょく足を運んでいるのですが、最初は入るのが……まぁ観てのとおりのビジュアルなので(笑)、ちょっと入るのが怖かったとこもあったんですけど、だって店内女性ばっかりじゃないですか(笑)。

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 そうですね、ただ男性のお客様で、おひとりでいらっしゃる方も最近すごく多いんですよ。やはり女性のお客様がメインになりますので、意識的に女性的なアイテムを仕入れるようにしてはいるんですが、僕も女性っぽいものばかりが好きなわけではなくて、メカニカルなハードな、たとえランプですとか、ちょっと男性っぽいものももちろん好きですので、そういったものもございます。なので男性の方も比較的入りやすいんじゃないかなと。

松浦 いまお話にありましたランプもそうですが、半年以上前になりますか、すごく風合いのあるランプだったんですけど、ウェブで入荷しましたっていうのを見てすぐに行ったらすでに売り切れていたんですよね(笑)。そのくらい注目されているお店になるんですけど、お客さんの層といいますか、どんな方が中心になってきますか?

 おそらく20代後半から60代前半までだと思います。

松浦 かなり幅広いですね。

 僕が今40歳なんですけど、だいたいその年齢よりもプラス/マイナス5歳くらいのお客さんが1番多いのかなと思います。

松浦 僕がいま43歳なので。

 じゃあ、ずばりですね(笑)。

──松浦俊夫がお送りしております「TOKYO MOON」、今夜は谷 あきらさんにゲストに来ていただきました。来週はもっと濃いことを、内面的なことをうかがってみたいと思いますので、ぜひともお聴き逃しなく。

「インテリアショップ『オルネ ド フォイユ』オーナー 谷 あきらさんを迎えて」後編はこちら

オルネ ド フォイユ
東京都渋谷区渋谷2-3-3
営業時間|11:00~19:30
月曜定休(祝日の場合は営業)
Tel. 03-3499-0140
http://www.ornedefeuilles.com

松浦俊夫『TOKYO MOON』

毎週日曜日24:00~24:30 ON AIR
Inter FM 76.1MHz

『TOKYO MOON』へのメッセージはこちらまで
moon@interfm.jp

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www.interfm.co.jp

           
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