ブルガリ｜BASELWORLD 2015 バーゼルワールド速報｜BVLGARI

BVLGARI｜ブルガリ

これまでの腕時計の概念を変えるモデルを開発

新発想、セキュリティーウォッチというコンセプト

ブルガリが本格的な時計製造に取り組むきっかけとなったブルガリ・ローマ誕生から、今年で40周年を迎える。これを記念して特別モデルがリリースされた。くわえて、スポーツモデル「ディアゴノ」にあっと驚くコンセプトが公表された。時計とスマホの連携にとどまらず、今後のライフスタイルを変えてしまいかねない試みに、大きな関心が集まった。

Photographs by NAGASHIMA TohruText by KAWADA Akinori

ウォッチメーキングを超えるテクノロジーの革新

ブルガリの時計製造の歴史は、1920年代まで遡れるというが、本格的に取り組みを見せるのは1975年のこと。大胆なベゼルのデザインで有名な「ブルガリ・ブルガリ」の前身となる「ブルガリローマ」は、1975年に誕生した。

バーゼルワールドの会場で発表されたのは、「ブルガリローマ」の記念モデルだけではなく、時計メーカーとしてのブルガリが、時計と人の生活に革命を与えるコンセプトウォッチの発表だった。

あらたにコレクションを展開させる「ディアゴノ」に、シリコンチップを組み込み、電子パスポートの機能を与えるものだ。NFC技術を応用し、スマートフォンのアプリケーションが起動。さまざまな電子認証を可能にする。すなわち、この「ディアゴノ」のコンセプトモデルとスマートフォンを同時に所持しているだけで、クレジットの決済、扉やクルマのドアの開閉、交通機関のチケット入手などに利用できるという。

時計と未来の生活の新スタイルを切り開く、
ディアゴノマグネシウムとそのコンセプトモデル

そもそも「ディアゴノ」とは、ブルガリがデザイン・製作するエレガントとアクティブを融合させたスポーツウォッチコレクションである。1988年にアルミニウム合金など、斬新な素材使いで多くの人を虜にしたモデルとして誕生。今回のコンセプトモデルでは、マグネシウムという軽量で、圧倒的な強度を持つ軽金属と、宇宙産業に革命をもたらした“PEEK”というポリマー素材、さらにセラミックを組み合わせて「ディアゴノマグネシウム」が誕生した。

コンセプトウォッチも、この「ディアゴノマグネシウム」をベースとしており、外見上の相違点はモデル名のロゴの「ｅ」の文字が丸で囲まれているか否かだけである。完璧なプロポーションのどこまでも優雅な姿で、コンセプトウォッチの「100%スイス製、100%のセキュリティ、100%の贅沢、ガジェット感は0%」という奇跡的なスタイリングが確立されているのだ。

ディアゴノマグネシウムコンセプトウォッチ
ケース｜マグネシウム＋PEEK＋チタン
直径｜41mm
ムーブメント｜自動巻き
機能｜日付表示、コンセプトウォッチはセキュリティを確保したNFCチップとアンテナを時計に搭載
ストラップ｜ラバー
防水性｜10気圧
発売時期｜未定
予価｜未定

40年間のウォッチメイキングの礎となった時計

「ブルガリローマ 40周年」は、1975年に登場した「ブルガリローマ」をトリビュートする。'75年に登場した当初は、機械式時計もデジタルディスプレイを文字盤に備えたモデルもあり、いずれもローマ帝国時代の金貨にインスパイアされ、ブランド名とその所在地をベゼルに大胆に打刻した限定モデルだった。この時計を原点として、大胆にベゼルをデザインした「ブルガリ・ブルガリ」が登場し、時計ブランドとしての基礎が築かれていった。

今回の「ブルガリローマフィニッシモ」は、今日の技術の到達点である自動巻きムーブメント、キャリバー・フィニッシモを搭載。完璧なプロポーションを保つシリンダー型ケースの造形も美しく、「ブルガリローマ」の名を打刻したベゼルは一点の曇りもなく見事に仕上げられ、卓越した40年のウォッチメイキングを記念するモデルとなっている。

ブルガリローマフィニッシモ
ケース｜ステンレススチール
直径｜41mm
ムーブメント｜自動巻き（キャリバーフィニッシモ）
機能｜パワーリザーブ表示（ムーブメントの裏ブタ側の受け板上にセット）
ストラップ｜アリゲーター
防水｜3気圧
発売時期｜2015年10月予定
予価｜135万円

音色まで美しいコンプリケーションの極致
ブルガリカリヨントゥールビヨン

6時位置に精緻を極めたトゥールビヨンにくわえて、鐘の音によって時刻を知らせるミニッツリピーター機構を搭載するモデル。ケース左側面のスライドレバーを動作させると、時刻を時、分の順で３つのハンマーによって音を奏でる。音がどのように響き、広がっていくか、それに伴ってパーツの素材や配置も調整されており、鐘を鳴らすためのゴングも手作業により完璧な精度で作られている。

ケースの左右を断ち落としたような独特の縦オーバルのゴールドケースは、極めて印象的な造形であり、究極の複雑時計に相応しいヴィンテージ感にあふれている。