ART|東京都美術館と京都市美術館で『バルテュス』展
ART│“20世紀最後の巨匠”の没後初の大回顧展
東京都美術館と京都市美術館で『バルテュス』展
“20世紀最後の巨匠”といわれる、画家バルテュス(Balthus、本名バルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ、1908-2001年)の国内では没後初となる大回顧展が東京と京都で開催。4月19日(土)から6月22日(日)まで東京都美術館で、7月5日(土)から9月7日(日)までは京都市美術館で開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
国内外の貴重な作品の紹介とともに、アトリエも再現
バルテュスは美術史家であった父と、画家であった母のもと、1908年にパリで誕生。独学でヨーロッパ絵画の伝統に触れながら、百花繚乱の様相を呈した20世紀美術のどの流派にも属することなく、オリジナリティが溢れる具象絵画の世界を築き上げてきた。
日本とスイスの国交樹立150周年を記念し、1967年にバルテュスと結婚した節子夫人の全面的な協力を得て開催される本展は、国内では没後初の大回顧展。世界の名だたる美術館のコレクションのみならず、公開されることの少ない個人蔵の作品を含め、世界各国から集められた40点以上の油彩、さらには素描や愛用品など約100点が紹介される。
バルテュスは美術史家であった父と、画家であった母のもと、1908年にパリで誕生。独学でヨーロッパ絵画の伝統に触れながら、百花繚乱の様相を呈した20世紀美術のどの流派にも属することなく、オリジナリティが溢れる具象絵画の世界を築き上げてきた。
日本とスイスの国交樹立150周年を記念し、1967年にバルテュスと結婚した節子夫人の全面的な協力を得て開催される本展は、国内では没後初の大回顧展。世界の名だたる美術館のコレクションのみならず、公開されることの少ない個人蔵の作品を含め、世界各国から集められた40点以上の油彩、さらには素描や愛用品など約100点が紹介される。
なかでも孤高の画家、バルテュスを象徴するものが少女の絵。生涯にわたりモチーフとし、彼にとって少女は「この上なく完璧な美のシンボル」であったという。本展でも日本初公開を含む数多くの少女の作品を展示。一見不自然で、ときにあられもないポーズ、そして緊張感に満ちた室内の情景が描かれたバルテュスの真骨頂ともいえる作品が並ぶ。
また、会場にはバルテュスが晩年をすごしたスイス・ロシニエールにある「グラン・シャレ」の敷地内に建つアトリエを再現。使いかけの絵具やパレット、画集を在りし日のままに登場させ、画家の知られざる想像と思考の空間を明らかにする。
静謐な風景画や少女の室内画など、どこか神秘的で緊張感に満ちた作品たち。ピカソをして“20世紀最後の巨匠”といわしめたバルテュスの世界に触れられるまたとない機会だ。
『バルテュス』展 東京会場
会期│4月19日(土)~6月22日(日) ※月曜、5月7日(水)休み。ただし4月28日、5月5日は開室。
時間│9:30~17:30
会場│東京都美術館 企画展示室
東京都台東区上野公園8-36
Tel.03-5777-8600(ハローダイヤル)
観覧料│一般1600円、学生1300円、高校生800円、65歳以上1000円
『バルテュス』展 京都会場
会期│7月5日(土)~9月7日(日) ※月曜休み。ただし7月21日は開館。
時間│9:00~17:00
会場│京都市美術館
京都市左京区岡崎円勝寺町124
Tel.075-771-4107
観覧料│一般1500円、高校・大学生1000円、小・中学生500円