AUDI Quattro Concept|アウディ クワトロ コンセプト 発表
Car
2015年3月31日

AUDI Quattro Concept|アウディ クワトロ コンセプト 発表

AUDI QUATTRO CONCEPT|アウディ クワトロ コンセプト

30年の歴史を回顧するコンセプトモデル

アウディは、「TT RS」のエンジンを積み、ベースである「RS5」のシャシーをコンパクトにしたクワトロ30周年を祝う「クワトロ コンセプト」を、パリモーターショーにおいて発表した。

文=ジラフ

軽量、コンパクトな2.5リッター直5を継承

1980年代以降にあらわれたアウディテクノロジーの象徴であり、現在もアウディ車の走りにとって重要な役割を担うフルタイムAWD「クワトロ」が、デビューをはたしてから30周年を迎える。このたび発表された「クワトロコンセプト」はそれを記念して開発された「RS5」ベースのシャシーに、「TT RS」のエンジンを搭載したスペシャルモデルだ。

ボディサイズは、全長4,280×全幅1,860×全高1,330mm、ホイールベース2,600mmで、ベースとなっているRS5よりもホイールベースを150mm短縮、全高も40mm低く設定されている。

AUDI QUATTRO COCEPT|アウディ クワトロ コンセプト photo02

AUDI QUATTRO COCEPT|アウディ クワトロ コンセプト photo03

エンジンは、「TT RS」の軽量、コンパクトな2.5リッター直列5気筒ガソリンターボが使用されているが、最高出力408psと従来のTT RSよりも68psパワーを向上させている。最大トルクも48.9kgmと3kgmアップで、クワトロシステムと6速MTの組み合わせによって、0-100km/h加速3.9秒という好記録をだした。

また会場には、1980年台WRC(世界ラリー選手権)で活躍したクワトロS1を彷彿とさせる、ホワイトを基調に赤と黒の3色でカラーリングされたラリーマシンが登場。
大型フロントスポイラーやリアウイング、サイドウィンドウにはポリカーボネイトを採用し、20インチのアルミホイールを装着したスタイルは、すぐにでもモータースポーツに参戦できるかのような迫力をもつクルマである。

BRAND HISTORY
Audi(アウディ)のエンブレムは“フォーリングス”。その輪ひとつひとつが自動車メーカーのアウディ、DKW(デーカーヴェー)、ホルヒ、ヴァンダラーをあらわしているのはご存知だろう。いずれもザクセン州に本拠を置き、20世紀のはじめ、ドイツの自動車産業を牽引したブランドである。しかし、第一次世界大戦後に起きた世界恐慌の煽りをくらった4社は、生き残りをかけて、1932年にアウトウニオンを結成。DKWがモーターサイクルと小型車、ヴァンダラーが中型車、アウディが高級中型車、そして、ホルヒがラグジュアリーカーに特化する戦略をとることになった。

しかし、第二次世界大戦の敗戦により旧東ドイツのザクセンはロシアの占領下となり、アウトウニオンは消滅。これを見越して、旧西ドイツのバイエルン州インゴルシュタットに新生アウトウニオンが設立される。BMWやメルセデス・ベンツとちがい、工場のない状況からの苦しいスタートをしいられたアウトウニオンであったが、DKWデリバリーバンなどの生産により徐々に体力をつけていった。

1964年末にフォルクスワーゲン傘下におさまったアウトウニオンは、ほどなくしてアウディの名を冠した新型車を世に送りだす。そして1969年には、ネッカースウルムに本拠を置くNSU(“ヴァンケルエンジン”の開発で知られる)を合併し、アウディNSUアウトウニオンとなり、1985年からはアウディとして現在にいたる。クワトロをはじめとするテクノロジーと、モータースポーツ活動に裏づけられたダイナミック性能、エレガントなデザイン、そして、質感の高い仕上がりが、アウディの人気を牽引している。

           
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