オークション落札価格2,500万ドルのフェラーリとは|Ferrari
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オークション落札価格2,500万米ドル(約25億円)のフェラーリとは?
モントレーウィークエンドで賑わうカリフォルニアから、驚きのニュースが舞い込んできた。RMオークションで、ヴィンテージ フェラーリの落札記録が更新されたのだ。驚くなかれ、その落札価格は、歴代ロードカーで最高額となる2,500万米ドルだという。
Text by SAKURAI Kenichi
史上最高値を更新したフェラーリ275 GTB
カリフォルニア州モントレーのダウンタウンにあるモントレーカンファレンスセンターを舞台に開催されている“RMオークション”で、ヴィンテージ フェラーリの落札記録が更新された。世界最高額を記録したのは1967年式のフェラーリ「275 GTB / 4 S NART スパイダー」。落札価格は、実に2,500万米ドル! である。桁をまちがえたかと一瞬おもわずにはいられない、日本円にして約25億円という金額だ。これはもちろん、ロードカーについた価格では史上最高額となるものだ。
ロットナンバー225のフェラーリ275 GTB / 4 S NARTスパイダーは、かのスカリエッティがボディを架装。もともと10台しか生産されなかった貴重なモデルであることにくわえ、45年以上もの時の流れを忘れさせる超ミントコンディションと表現したいほどの感動的な車両状態が、今回の高い評価につながったといわれている。
主催者は1,400-1,700万ドルの落札価格を予定していたようだが、それをはるかに超える史上最高額をもたらした。出品者は、収益金の全額を慈善団体に寄付する意向だという。なお、落札者は、公表されていない。
また同オークションに出品された、映画「ガムボール・ラリー(1976年)」の劇中車として使用された1971年式のフェラーリ「365 GTB / 4 デイトナ」も150万ドルの価格をつけ、ともにフェラーリ12気筒モデルの人気の高さをあらためて証明してみせた。
今日のフェラーリ「458イタリア」と「458スパイダー」につづくミッドシップ フェラーリのルーツともいえる、1974年式フェラーリ「246 GTディーノ」は36万ドル、1957年式フェラーリ「250 GT 14ルーバー ベルリネッタ」は860万ドルでそれぞれ落札。スクーデリア フェラーリからは、2002年のGPシーズンを戦ったF1マシーンのフェラーリ「F2002」が出品され、205万ドルでオークションが成立した。
ヴィンテージ フェラーリの価格や価値は現在も衰えることを知らず、いやむしろ高値を更新しつづけ、ファン垂涎のモデルとして、オークションハウスの華になっている。車両そのものだけでなく貴重なメモラビリアも、フェラーリにかんしていえば、まだまだ取引は活発だ。当たり前だが、これ以上増えることのないヴィンテージ フェラーリは、貴金属同様、不況も何も関係ない別世界のモノのようだ。