POGGY’S FILTER|vol.6 VERDYさん

POGGY’S FILTER|vol.6 VERDYさん

POGGY’S FILTER

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小木“POGGY”基史氏がホストを務める『POGGY’S FILTER』、第6回目のゲストは、グラフィックデザイナーとして6年前に大阪から単身上京し、自ら立ち上げた二つのブランド、Girls Don’t Cry(ガールズ・ドント・クライ)、Wasted Youth(ウェイステッド・ユース)によって、今や世界中の若者から支持を得ているVERDY(ヴェルディ)氏だ。特にガールズ・ドント・クライは国内外様々なブランドとコラボレーションを行ない、ここ数年で最も注目されている日本のストリートブランドとも言える存在であり、この度、Amazon Fashion(アマゾン・ファッション)が主催する“AT TOKYO”プログラムの一貫として、2019年4月20、21日の二日間限定で原宿にてポップアップ「Girls Don’t Cry Meets Amazon Fashion “AT TOKYO”」を開催した。その会場となった「Girls Don’t Cry Cafe」の準備中にお邪魔して、対談を行った。

Interview by KOGI “Poggy” MotofumiPhotographs & Text by OMAE Kiwamu

LAの友達のサポートで日本のファッションシーンとも繋がった

POGGY グラフィックデザイナーとして、最初は音楽系のグラフィックをたくさんやっていたと思うんですけど、VERDY君の好きなアーティストを教えてください。

VERDY 元々のルーツはパンクとかハードコアで。Black Flag(ブラック・フラッグ)、Minor Threat(マイナー・スレット)、Bad Brains(バッド・ブレインズ)、Circle Jerks(サークル・ジャークス)、Gang Green(ギャング・グリーン)といったバンドが好きでした。それから、6年前くらいにTyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)のライヴを観てから、ヒップホップを好きになりました。今は海外のヒップホップもそうだし、日本のヒップホップのアーティストのライヴに行くのも好きですね。


POGGY パンクからヒップホップっていう流れは、自分も全く一緒です。80年代にも元々、パンクが好きだった人たちが、Run-DMC(ランDMC)とかをきっかけでヒップホップにハマったりっていうのがあったり。あと、今のヒップホップはノリ方がパンクだったりロックに近いものがありますよね。

VERDY そうですね。ライヴの空気感もロックと変わらないと思います。

POGGY VERDY君は絵を描いたり、グラフィックを作ったりすることは得意だと思うんですけど、服はどうやって作っているのでしょうか?

VERDY 服に関しては、正直、全然勉強してきたわけじゃないので、自分で作れないものは、コラボレーションで作るようにしています。最近で言うと、NIGO®さんのHUMAN MADE(ヒューマン・メイド)と一緒にジャケットを作ったり、NIKE(ナイキ)と一緒にスニーカーを作ったりしました。自分で作るのは、パーカー、Tシャツ、キャップ、トートバックくらいですね。自分でシルクスクリーンを使ってプリントしていた時期もありましたけど、服っていうよりもグッズを作る感覚でやっています。

POGGY では、ウェイステッド・ユースとガールズ・ドント・クライ、それぞれのブランドの違いを教えてください。

VERDY ウェイステッド・ユースは自分のプロジェクトとして一番最初に始めたもので、パンクとかスケート、自分が影響を受けてきたカルチャーを反映しています。グラフィックデザイナーをやっている時に、自分のオリジナリティが無いことがずっと悩みで。そんな時に、「Wasted Youth」っていう言葉を思いついたんです。バンドが好きで、バンドのデザインをやっていたり、スケートをしたり、生活が出来ないようなギリギリの状態の中、大阪でやっていて。そういうのって、すごい遠回りにも思えるけど、全然無駄じゃなかった。それで、「Wasted Youth」っていう言葉でグラフィックを作って、この言葉の意味を伝えたいなと思いました。

POGGY ガールズ・ドント・クライのほうは?

VERDY 自分が影響を受けてきたカルチャー以外の部分で、自分の生活の中で重要なものって何だろう?って考えた時に、その大半を占めていたのが自分の奥さんでした。奥さんにいつも元気でいて欲しいっていう意味を込めて、「Girls Don’t Cry」っていうタイトルのグラフィックを作って、それをプレゼントしたことからスタートしました。例えば、プロモーションでG-SHOCK(Gショック)を作ったのも、昔、奥さんにGショックをプレゼントしたことがあったりとか。

そういう自分の中で奥さんとのストーリーがある場合は、ガールズ・ドント・クライから出すし、自分の影響を受けてきたカルチャーだったらウェイステッド・ユースから出すという風に分けていますね。

POGGY ここ数年、Virgil Normal(ヴァージル・ノーマル)とかBrain Dead(ブレイン・デッド)とか、LA発の若いデザイナーの流れが日本でも受け入れられていると感じています。VERDY君もLAのシーンとは、凄く密接な関係があると思うんですけど、そういったLAの人たちと出会った経緯を教えてください。

VERDY LAに行くようになってから、いろんな人に自分のグラフィックを見せたり、パーティで会って話したりして、凄く自然な感じでLAの人たちと仲良くなったっていう感じですね。当時、LAに小さいブランドがいっぱい出来ていて、タイラーが着たものが流行るみたいな時代で。僕のパートナーでもある、Paulo Calle(パウロ・ケイル)がやっているRARE PANTHER(レア・パンサー)もタイラーが着てたし、他にもAnwar Carrots(アンワー・キャロッツ)がやっているCarrots(キャロッツ)とか、その辺りのブランドが盛り上がっていました。彼らが僕のことをインスタでポストしてくれたり、ポップアップをやってくれたことで、逆に僕は日本の雑誌とかファッションの人とも繋がりが出来て。今ではNIGO®さんだったり、POGGYさんとかみたいな人がインスタに僕のことを載せてくれたりすることで、昔から知っているLAの友達も「VERDY、良かったね!」って喜んでくれています。全部がすごく繋がって、良い感じになっていますね。

POGGY 今、名前の出たアンワーとは結構、早い段階でコラボレーションしていますね。

VERDY 正直、アンワーがコラボレーションしてくれたことで、いろいろと大きく変わったっていうのがありました。彼からは、いろいろとモノ作りのマインドも学びましたし。「楽しくないことはしないほうが良い」とか。僕もそうしたほうが良いなって思うようになりました。

POGGY 今の世界的なファッションの流れで、この連載でもVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)のことが毎回話に挙がるんですけど。ヴァージルって、若い人たちを世界中からフックアップしていますよね。それに対して、日本のファッションって今もちょっと、先輩カルチャーみたいなところが強い。けど、僕の中ではVERDY君がその流れを、良い意味でブレイクスルーしたと思ってるんですよ。BOUNTY HUNTER(バウンティ・ハンター)のヒカルさんみたいなOGの人たちとコラボレーションしながら、ちゃんと若い人たちのカルチャーも盛り上げている。VERDY君の登場以降から、ちょっとそういうのが良い流れになってきているんじゃないかなって思います。


VERDY 海外に行くと、流行っているかどうかじゃなくて、自分の物差しで、良いものは良いって言ってくれる人が多い気がします。でも日本って正直、そうじゃない状況が長く続いていたと思っているんですよね。その中にもヒカルさんみたいに、僕が東京に出てきてすぐの頃、「VERDY、良いじゃん! コラボレーションしようよ」って言ってくれる人もいたり。誰もまだ僕のことを知らない時に、サポートしてもらえたことはずっと忘れられなくて。だから、自分も若い子にはそうありたいって思っています。

POGGY そういえば先日、TRUNK HOTEL(トランク・ホテル)のイベントで、サポートしているウェイステッド・ユースのスケートチームの子たちを紹介してくれましたね。

VERDY 自分が大阪に住んでいた時から、大阪も東京みたいに面白いことがもっとたくさんあれば良いなってずっと思っていました。そして今、自分が東京でもいろいろな面白いことを出来る立場になったから、大阪で頑張っている面白いなって思う子をサポートしたいなって。それで、スケートデッキを出すタイミングからサポートし始めたのが、ウェイステッド・ユースのスケートチームです。彼らは本当にスケートを毎日しているような子たち。そんな姿が、自分がずっと毎日グラフィックデザインやTシャツのことを考えていたのと同じに見えたんです。自分もスケートのことはそんなに分からないから、一緒にやっていたら勉強になるし。お互い良い刺激になってるんじゃないかなって思っています。

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