DIESEL|2013SS “DIESEL+EDUN”|南アフリカの3人組とデニムコレクション
Fashion
2015年1月30日

DIESEL|2013SS “DIESEL+EDUN”|南アフリカの3人組とデニムコレクション

2013年春夏の新プロジェクト“DIESEL+EDUN”とは?

Chapter 02|南アフリカの3人組とデニムコレクション

「アフリカの美しさとポジティブな面を示したい」

ディーゼルの創始者兼社長、レンツォ・ロッソ氏が「アフリカに持続可能なビジネスモデルを創出する」ために立ち上げた新プロジェクト、「ディーゼル+イードゥン」。先に掲載したロッソ氏のインタビューに続き、去る2月末に来日した南アフリカのフォトグラファーユニット「I SEE A DIFFERENT YOU」のインタビューと、ディーゼル+イードゥンのコレクションを紹介する。

Photographs by JAMANDFIXText by Kase Tomoshige(OPENERS)

ディーゼル創始者レンツォ・ロッソのインタビューはこちら

撮影はいつも3人一緒

この春立ち上がった「ディーゼル+イードゥン」プロジェクトの一環として、ディーゼルは「STUDIO AFRICA」というグローバルキャンペーンを行っている。ファッション、映画、音楽、写真などを通じ、アフリカのために活動を続ける9組の若手アーティストをフィーチャーする、という取り組みである。

去る2月28日、その「STUDIO AFRICA」キャンペーンに抜擢された最初のアーティストが来日した。南アフリカのフォトグラファーユニット、「I SEE A DIFFERENT YOU」である。双子のイノセントとジャスティス、そして親友のブヨの3人で結成されたこのトリオは、地元南アのソウェトの街と、そこに暮らす人々を、パノラマフィルムのようなワイド画面で撮影し続けている。陽気で礼儀正しく、意欲に溢れた彼らに、自身の作品について話を聞いた。

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──作品の最大の特徴はこの横長の画面だと思います。なぜの比率にしたのでしょうか。

ジャスティス 被写体だけではなく、周囲の風景を重視したいのでこうなったんです。引いて撮影した写真をトリミングするのではなく、10枚程度の写真を横につなげていきます。リアルに見えるように、コンピュータで編集して完成させます。

──被写体はどうやってキャスティングしているのでしょうか。

ブヨ 事前のキャスティングはありません。実際に街に出て、面白い人やインスピレーションを感じる人を見つけたら、声をかけて撮影をします。その時の私たちのフィーリングによって、対象はずいぶん違うものになりますね。例えばこの子(白い車と少年が写った写真を見せながら)例えばこの子を見ていると、少年の頃の自分を思い出しますし……感情の赴くままに被写体を選んでいると思います。

──スタイリッシュな人が多いので、スタイリストやヘアメイクまでいるのかと思っていました。

イノセント 服も持っていかないです。私たちは土曜の朝に起きたら、まずドライブをします。そこで私たちにとって“意味のある環境”を見つけたら、撮影をします。撮影のストーリーを伝えるのにふさわしい人物がいたら、その人も撮影します。被写体そのものがスタイリッシュだったら、自然に写真もスタイリッシュに見えるはずですので。

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──自分たちの服装も考えないのでしょうか?

ジャスティス 毎回撮影場所すら決めていませんが、じつは私たちの服装だけは、事前に相談して決めているんです。私たちの服装は年上の人たちに影響を受けていています。祖父、父、おじさん、近所の人たちとか。子供の頃から、体にフィットするサイズの服を着なさいと言われてきました。「バギーパンツはダメ」と……ともかく自分たちで着る服については非常に意識しています。

──いつ頃から撮影スタイルが定まってきたのでしょうか。

イノセント 人に見せるために制作しはじめたのは、2011年からです。それまでは、“頭の中で”写真を撮りためていたんです。自分の目でさまざまな風景を見て、頭のなかで写真として構成する……そんな作業は、2011年より前にも行っていました。

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──普段は働いているんですよね?

ブヨ ええ、3人とも会社員なんですよ(笑)。私はコピーライターで、イノセントとジャスティスはアートディレクターなんです。

イノセント 最終的なゴールは仕事をやめて、自分たちのプロジェクトをスタートしたいですね。私たちはアフリカの“Macomes”というブランドのヴィジュアル制作に携わっていて、スタイリングや撮影していますので。

──このプロジェクトで伝えたいことはなんでしょうか。

ブヨ アフリカ大陸の国々はおしなべて、世界にアピールすることが得意ではありませんので、私たちがアフリカの美しさとポジティブな面を世界に示したい。メッセージはいたってシンプルなんです!

「I SEE A DIFFERENT YOU」のアーティスト名のとおり、アフリカの異なる側面を、私たちに写真で提示してくれる3人組。彼らによって切り取られた南アフリカ・ソウェトの風景は、美しく静かで、実にポジティブなイメージを与えてくれる。東京・渋谷のディーゼル アート ギャラリーにて、ぜひその目で確かめていただきたい。

原料から製造までアフリカで

ディーゼルの創始者レンツォ・ロッソと、U2のボノ夫妻による新プロジェクト、「ディーゼル+イードゥン」。その本懐といえるのが、デニムを中心としたメイド・イン・アフリカのコレクションである。本コレクションのアイテムには最高級のコットンが使用され、原料の調達から製造まですべてアフリカで行なわれる。

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メンズのデニムコレクションは、スタンダードな5ポケット、ウエストにドローコードの付いたパッチポケットタイプなどが揃う。ウィメンズのデニムコレクションはハイウエストで長めのアンクル丈のモデル、ロールアップタイプのショートパンツなどがリリースされている。

またメンズのアパレルコレクションは、ジャージー素材のTシャツを中心にラインナップ。ラウンドネックやヘンリーネック、Vネックを揃え、ドットやラインを描いた箔のプリントが特徴となっている。カラーはブラック、ホワイトに加え、アフリカを喚起させる明るいコーラルが印象的だ。ウィメンズはタンクトップやドレープ入りのドレスなども展開する。

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アフリカに持続可能なビジネスモデルを創出するという理念のもと、アフリカらしいデザインや創造性を目に見える形で世界に発信する本コレクション。ディーゼルというブランドの、長年にわたるアフリカへの思いが込められている。
『STUDIO AFRICA』
会場|ディーゼル アート ギャラリー
会期|3月1日(金)~5月10日(金)
住所|東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti B1F
Tel. 03-6427-5955
開館時間|11:30~21:00
不定休

ディーゼル ジャパン
0120-55-1978
www.diesel.co.jp/diesel+edun/

           
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