ダイムラー、ルノー日産、フォードが燃料電池を共同開発
CAR / NEWS
2014年12月24日

ダイムラー、ルノー日産、フォードが燃料電池を共同開発

Daimler, Ford & Renault-Nissan Alliance|
ルノー日産アライアンス、フォード、ダイムラー

ダイムラーAG、ルノー・日産アライアンス、フォードが燃料電池を共同開発

ダイムラー、ルノー・日産アライアンス、フォードは、ゼロエミッションビークルの実現にむけて、燃料電池スタックおよび燃料電池システムを共同開発する。3社の市場規模をいかして、安価に燃料電池車の市販化をめざす。

Text by SUZUKI Fumihiko(OPENERS)

2017年の市場投入を狙う

ダイムラーとルノー・日産アライアンスは2010年以来協業関係にあり、パワートレインの共有や小型車の共同開発をすすめているが、2013年1月28日、ここにフォードを迎え、3社でゼロエミッションエネルギーの本命のひとつである燃料電池を開発する、という合意書に調印した。

今回の合意の狙いは、3社間で共通の燃料電池スタック、および燃料電池システムを開発し、投資コストを削減すること、共通の仕様や規格を確立することにある。また、日欧米にまたがるグローバルなアライアンスが本格的に燃料電池開発に向けた姿勢をしめすことで、行政や業界にインフラ整備を促すメッセージもこめられている。3社はこの研究に均等に投資をおこない、協業による成果として、早ければ2017年には、燃料電池車を発売したい考えだという。この量産燃料電池車は、デザインを共通のものとし、スケールメリットを最大限に生かすことで、販売価格をさげるもくろみだ。


手前からBクラス F-CELL、F125!、NECAR 1


Nissan TeRRA

燃料電池車とは、現在のEVのように、どこかで発電された電気を充電するのではなく、豊富に入手できる水素を搭載し、電気をつくりながら走るクルマであり、次世代のゼロエミッションビークルのパワートレーンとして大いに期待されている。排出されるものも水と熱だけ。

日産は燃料電池車(FCV)の開発に、1996年から着手、2002年にはナンバーを取得した公道実験車両「エクストレイルFCV」を投入している。これは年々改良をつづけており、昨年9月のパリモーターショーで発表されたFCVのSUVコンセプト「TeRRA」は記憶にあたらしい。

メルセデス・ベンツは1980年代にはFCVの研究に着手。1994年に「NECAR 1」を発表している。以降も研究と発表を重ね、2010年にはBクラスにFCを搭載した「Bクラス F-CELL」を発売。2011年のフランクフルトモーターショーにおいても、2025年導入開始を目指したという「F125!」を公開している。

フォードも、1998年に「P2000 HFC」を発表して以降、2005年に「フォーカスFCV」を実験車両としてカナダ政府に提供をするなど、燃料電池車の研究開発をつづけている。

先日、BMWとトヨタが締結した協業契約にもFC(燃料電池)の開発という項目があり、そこでは、2020年のFCV市場投入が目指されていた。今回のダイムラー、ルノー・日産、フォードの合意は、それと同種のものであり、自動車業界全体が燃料電池車の実用化にむけて加速をはじめたことを印象づける。

           
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