LOUIS XIII Chapter 6 アンバサダー 小暮 真久
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2015年1月10日

LOUIS XIII Chapter 6 アンバサダー 小暮 真久

LOUIS XIII|ルイ 13世

アンバサダーインタビュー4

小暮真久(TABLE FOR TWO 代表)

13人のアンバサダーが、ルイ13世という最高のブランデーの妥協を許さない酒づくりに共感、ルイ13世が持つ魅力を発信するプロジェクト。六本木グランド ハイアット 東京のバー「マデュロ」に期間限定オープンした「メゾン ルイ 13世」から毎回インタビューをおとどけする。その第4回目は、開発途上国の飢餓と先進国の健康問題を解決するべく立ち上がった社会起業家で、NPO法人TABLE FOR TWO代表の小暮真久さん。

Text by MATSUO Dai
Photographs by IGARASHI Takahiro

NPOのイメージを変えたい

私は直感の人間なんです。今回、ルイ13世アンバサダーの話が来たとき、ビビッときましたね。大好きなお酒。しかも、お酒好きならみんながあこがれる最高のブランデーです。断る理由がなかったです。野球好きがプロ野球選手になるようなものといったら大げさかな? でも、私にとってはそれくらいに思えるお酒がこのルイ13世なんです。


NPOというとみなさん四角四面の真面目なイメージを持たれていると思いますけど、私はお酒を飲むし、パーティも好き、もしかしたら、くだをまくこともあるかもしれない。社会貢献事業でも、私のような柔軟な人間もいるということを知ってもらいたいし、社会貢献のイメージを変えたいんです。


もちろん、この「TABLE FOR TWO」の活動は基本的に真面目です。私はこれまで恵まれた教育を受けさせてもらい、マッキンゼーではビジネススキルの勉強をさせてもらいましたし、お金の稼ぎかたというものを身をもって知りました。しかし人生、お金を稼ぐというだけではもったいない。「ありがとう」と言われたいという思いがあったんです。 そういうなかで経済学者のジェフリー・サックスさんに出会い、「TABLE FOR TWO」の活動を知った。
この活動とルイ13世の酒造りの共通する点は、1年や2年ではできないということです。社会をよりよい世界に変えようという仕事だけに、何十年という時間がかかるし、残りの人生をかけても解決しないかもしれない。それに、人々を感動させる仕事をしているという点もルイ13世に似ているのかもしれません。

見えないものを見ようとする気持ち

射程が長いということは非常に計算がむずかしい。先頭を引っ張るという動きをしていると実は先ははっきりとは見えないんだけど、見ようと努力する。人はとかく自分に制約をかけがちだけど振り払う勇気を持てば見えてくるものがある。スティーブ・ジョブズなんてまさにそうだと思います。バカだといわれても負けずに考え抜こうとすることが大切。たまに心が折れてしまいそうになることはあるけど、好きなことをやっているという100%の確信があるんです。それに仲間もいる。


ルイ13世という酒づくりも、見えないものを見ようとして、100年前の人々が酒づくりに励んだ結晶なんじゃないかと思います。ブランデーというお酒を最初教えてくれたのは父でした。彼は登山をしていて、アフリカに行くときにブランデーを飲めと、スキットルを買ってくれたんです。それがブランデーを飲みだしたきっかけです。現地で夜、気持ちが高ぶって眠れないときに飲む。そうしていくうちに、ブランデーのよさを知ったんです。もうひとり、ブランデーの味を教えてくれたのは妻の父です。彼はお酒をコレクションしていたんですが、子供がみんな女の子で、飲む相手がいなかった。そんななかに私が義理の息子になった。彼は長野に山荘を持っているんですが、そこで男同士で葉巻と一緒にブランデーを楽しむんです。

でも、これほどまでに美味しいブランデーはルイ13世をおいて、ほかにはありませんね。特に、香りは言葉では表現できない。体が数センチ、ふんわりと浮くような感覚をおぼえる。そして、味。アルコール分の強いお酒が流れたという感覚が喉にもたらされない。本当にスムーズで滑らかです。


ルイ13世に感じるのは、時間軸的な切り口もあるけど、底流には人から人へのつながりがあると思います。世界中の人びとに感動をもって受け入れられている。ただ飲むものというだけではなく、心を揺さぶるお酒です。社会貢献も同じなんですよ。心をスイングさせるのが社会貢献。心が動くからこそ、活動に参加、貢献してくれる。
現代は、商品として心を揺さぶるものが少ない時代だと思います。機能がいいというのと心が動くものというのは根本的に違う。


今後私は、セレブリティやメディアを巻き込み、社会を動かすような、社会貢献のうねりを作りたいと思っています。幸い、日本人は善意に対する意識が高い。世界一の社会貢献国になる下地はすでにできていると思っています。

小暮真久|KOGURE Masahisa

1972年生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、オーストラリアのスインバン工学大で人工心臓の研究をおこなう。 1999年、同大学修士号修得後、マッキンゼー・アンド・カンパニー東京支社へ入社。 ヘルスケア、メディア、小売流通、製造業など幅広い業界の組織改革・オペレーション改善・営業戦略などのプロジェクトに従事。 同社米ニュージャージー支社勤務を経て、2005年、松竹株式会社入社、事業開発を担当。経済学者ジェフリー・サックスとの出会いに強い感銘を受け、その後、TABLE FOR TWOプロジェクトに参画。2007年NPO法人TABLE FOR TWO Internationalを創設。

           
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