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特集｜「ピルエット」のつくりかた｜Chapter 2　生産地から厨房、厨房からテーブルへ。 ギャラリー

食の複合スペース「ピルエット」が目指す、だれもが日常的に本物に触れることができる豊かな食の世界。Chapter 2では、それを料理で表現するエリック・トロション氏（左）と小林直矢シェフの声をお届けする
「ピルエット」のアドバイザリーシェフを務めるのは、フランスのM.O.F.（国家最優秀職人）受賞シェフのエリック・トロション氏。メニュー作りについて「“今日届いた食材をどう生かすか”に集中したい」と語る
トロション氏（左）がその才能を認めるのが、「ピルエット」の厨房を預かる小林直矢シェフだ。日本で数店のフレンチレストランを経て、フランスに渡った小林シェフ。1年の滞在を経て、帰国するころにはすっかり価値観が変わっていたという
「ピルエット」には、毎日のように埼玉の「須永農園」から野菜が届く
「須永農園」代表の須永真一郎氏
「須永農園」
「須永農園」
「須永農園」視察の様子
「須永農園」視察の様子
トロション氏は「須永農園」の野菜の質と生産者の志を絶賛する
「須永農園」視察の様子
「須永農園」採れたてトマト
視察にはトロション氏（中央右）のほか、<a href="/article/23824" class="link12lh15blueB" target="_new">「ピルエット」を展開する「コントレイル」代表の森健一氏</a>（右）、斎藤美奈子氏（中央左）も訪れた
「テクニックが生きる料理もありますが、それは自分一人で完結できるもの。食材は人との関わりによってもたらされるものです。作り手という意味で、生産者と自分に共通点を感じることもありますし、彼らの話を聞くことは非常に勉強になります」（小林氏）
「人と深く関わって、食材と向き合いたい。ぼくが重きを置くのは、食材というより人と言ってもいいかもしれません。野菜は主に埼玉の『須永農園』から仕入れていますが、肉や魚に関しても、これから生産者や漁師の方がたとの繋がりを一層強くしていきたいですね」（小林氏）
「わたしは、採れたての食材がもつエネルギーをできるだけそのまま届けることに料理の醍醐味を感じます。作る人、料理する人、食べる人。皆が関わるそこには、食の喜びのエッセンスが詰まっています。当日届いた食材を使って、毎日新しい料理が生まれ、どんどんメニューを変えていく店。運営面で厳しい部分があるかもしれませんが、このスピリットをもって挑戦をしていきたいですね」（トロション氏）
「須永農園」から届いた野菜
「須永農園」から届いた野菜
「ピルエット」では自分たちで食材を探し、生産者を訪ね、集め、受け手のもとに届けるという流れを作り出そうとしている
色も味も濃い「須永農園」のニンジン
ラディッシュは、瑞々しく辛みが少ない
「『須永農園』を訪ねたとき、野菜の質の高さと生産者が強い信条をもちながら自然体であることに驚きました。前面に出さずとも、当然のように有機栽培をしていることがその一例。ビストロとカフェ、そしてエピスリーを通して、どんな生産者の手で、どうやって作られた食材なのかが、きちんとお客様の目にみえるようにしたいと考えています」（トロション氏）
形も色もさまざまなトマト
トウモロコシは、優しい甘みが特徴
色とりどりのズッキーニ
ハーブの種類も豊富だ
厨房で試作中のトロション氏
試作の様子
厨房で試作中の小林氏
「須永農園」の野菜を手に笑顔を見せるトロション氏
厨房で試作中のトロション氏（左）と小林氏
試作の様子
試作の様子
「若い料理人にとっては、さまざまなアクションを起こして革新をしていくことが大切。技術も重要ですが、それをベースに常に新しい挑戦や発見をしてほしいですね」（トロション氏）
「このプロジェクトはぼくにとって単なる仕事ではなく、ヒューマン・ビジネス。ただ技術を教えるというだけではなく、自分も一丸となって皆で成長していきたいと思っています」（トロション氏）
「ピルエット」のメニューは、トロション氏と小林氏、二人の密な話し合いで作られていった
現時点では、冷前菜、温前菜、メイン、コーヒーと小菓子からなるプリフィックスコースを予定している。価格は5000円（消費税別）。デザートやチーズは別料金で。“気軽に”というコンセプトのもと、上質で新鮮な食材を可能な限りリーズナブルに提供する
試作メニュー。採れたてのトマトを使用した「須永農園情熱トマトのセビーチェ」。南米の料理、セビーチェをベースにした一皿。通常、レモンを使うところをレモンのジュレに変えていたり、バスク風唐辛子を使っていたりと、トロション氏ならではのアレンジを加えている
試作メニュー「須永農園渾身のカリフラワー　香り高いグレックとピュレ」の盛り付けをするトロション氏
試作メニュー。カリフラワーを使った「須永農園渾身のカリフラワー　香り高いグレックとピュレ」。オリーブオイルで煮たカリフラワー、ピュレにしたカリフラワーと、2種類のカリフラワーの味を楽しめる一皿。カレー粉（今回はターメリック）とカリフラワーという、フランス料理では定番の組み合わせを採用している
試作メニュー。長崎産の新鮮なスズキを使った「五島列島スズキのタルタル」。味付けは塩、良質なオリーブオイル、香り高いハーブ有機レモンと、とてもシンプル。「ピルエット」の素材へのこだわりが垣間見れる一皿だ
試作メニュー。新鮮な花付きズッキーニを使った「須永農園恵みのフルールドクルジェット（花付きズッキーニ）とリコッタ」。ズッキーニのなかにラタトゥイユを詰め、リコッタをソースのようにデコレーションしている
トロション氏が「ピルエット」を想定してつくったメニュー「須永農園恵みのフルールドクルジェット　その庭で取れたハーブ」
「須永農園恵みのフルールドクルジェット　その庭で取れたハーブ」。ズッキーニのなかに、ラタトゥイユとリコッタを混ぜたものを詰めている。ズッキーニのピュレ、サリエットなどを添えている
試作メニュー。フランス料理の定番、サーモンのマリネを再現した「タスマニア産サーモンのマリネ　須永農園朝積みハーブ（アネット）」。良質な岩塩と、朝積みハーブでマリネしたシンプルな一皿だが、通常薄くスライスするところを、キューブ状にカットして見た目に変化をつけている
試作メニュー。採れたてのトウモロコシを使った「採れたてトウモロコシのスープ」。素材の良さを生かすため、トウモロコシを牛乳で煮立てて、ミキサーにかけただけのシンプル仕立て。そこにカレー粉などの香辛料を加えることで、一般的なコーンスープと変化をつけている
試作メニュー。岩手産の短角牛と長崎産のスズキを組み合わせた「岩手短角牛、五島列島スズキのルーロー　薫製卵黄とのマリアージュ」。フランスの海、山が混在している地方では、鶏肉にエビ、豚にアサリ、牛にカキなど、山と海の物を組み合わせることが昔から多いという。今回はタルタルをヒントに、薫製にした卵黄を組み合わせることで、グッと複雑味が増している
試作メニュー。南仏の魚介スープ、ブイヤベースにアレンジを加えた「五島列島黒ムツ　ブイヤベース仕立て　須永農園の野菜達」。通常はスープの香味野菜として使うフェンネルやニンニク、ジャガイモ、トマトなどを付け合わせとして考え、レストラン仕立てに。付け合わせもさることながら、新鮮な魚で取っただしが一番のポイントだ
試作メニュー。長崎産のスズキと静岡県にある「長谷川農園」のマッシュルームを使った「長崎県スズキのローストとそのジュ　静岡県長谷川農園のマッシュルーム　グリーンアスパラガスのシトロンヴィネグレット」。香ばしいローストにレモンの風味を効かせたさわやかな一品だ
試作メニュー。岩手産の新鮮な短角牛と「須永農園」の野菜を使った「岩手短角牛と須永農園野菜のロースト」。2人用メニューで、南部鉄器のココットでの提供を想定している
試作メニューの「岩手短角牛と須永農園野菜のロースト」。素材良さをそのまま味わえる、「ピルエット」らしい一皿といえる
試作メニュー。素材をダイレクトに使い、おいしさを最大限に引き出すバスク料理のスピリットを受け継ぐ「イカのソテー　バスク風」。新鮮なイカをセージやタイム、ニンニク、レモン、バスク風唐辛子と一緒にさっとソテーした、シンプルな一皿だ
試作メニュー。黄色のトマトを使った「フレッシュトマトのコンフィ」。ニンニク、オリーブオイル、タイムの香りをつけただけのシンプルな一皿で、トマトの新鮮さがおいしさの鍵を握る
試作メニュー。「須永農園」のビーツ、“チオギア”を使った「オーガニックハーブとチオギアのサラダ」。ハーブのハーモニーを楽しむ一皿だ
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特集｜「ピルエット」のつくりかた｜Chapter 2　生産地から厨房、厨房からテーブルへ。 ギャラリー

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