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特集｜シンガポールは屋台★天国｜Day 3「まずはこの屋台に行け！」ギャラリー

屋台を味わい尽くしてきた旅もいよいよ終盤。最終日は、現地で暮らすふたりのシェフに、お気に入りのひと皿をこっそり教えてもらった。初心者からベテランまで、この屋台に行けばまちがいない！（写真は<a href="/gallery/320769?num=6" class="link12lh15blue">Ye Lai Xiang Hot & Cold Cheng Tngの「チェントン」</a>）

最初に向かったのは「Bedok Food Centre」。住宅街に位置するこのホーカーセンターは、家族経営の屋台が多く、アットホームな雰囲気が魅力だ

今回<a href="/article/18688?pg=3" class="link12lh15blue">ウィリン・ロー</a>氏が勧めてくれたふたつの屋台は偶然にも隣同士。<a href="/gallery/320769?num=4" class="link12lh15blue">ワンタン麺</a>を食べ終わってから、デザートに<a href="/gallery/320769?num=6" class="link12lh15blue">チェントン</a>を食べるのが、お決まりコースだそう

<a href="/article/18688?pg=1" class="link12lh15blue">Xiang Ji Wanton Noodleの「ワンタン麺」</a>。日本でもおなじみの「ワンタン麺」。汁麺というイメージが強いが、シンガポールでは汁なしのドライワンタン麺も人気が高い。サイシンという中国野菜と焼き豚が添えられた卵平麺、ワンタンの入ったスープが別々の皿に分けて提供される。パンチのある麺とスープの優しい味とのコンビネーションが楽しい一品

<a href="/article/18688?pg=1" class="link12lh15blue">Xiang Ji Wanton Noodle</a>店主のシャン・ジーさん。焼き豚からワンタン、スープまで、すべて彼が手間と時間をかけて作っている

<a href="/article/18688?pg=1" class="link12lh15blue">Ye Lai Xiang Hot & Cold Cheng Tngの「チェントン」</a>。黒砂糖で味付けしたシロップのなかに、ライチやロンガン、大麦、サゴヤシの小粒ゼリー、メロンの甘漬け、干し柿など10種類以上の材料が入ったデザート

出来合いの材料を仕入れている店が多いなか、<a href="/article/18688?pg=1" class="link12lh15blue">Ye Lai Xiang Hot & Cold Cheng Tng</a>は、いまも昔ながらのレシピに沿って、材料をすべて一から手作りしている

<a href="/article/18688?pg=1" class="link12lh15blue">Ye Lai Xiang Hot & Cold Cheng Tng</a>3代目店主のアンドリュー・リムさん（左）と夫人。祖母の“マダム・ヤップ”が創業した当時の味をいまでも守りつづけている

「Bedok Food Centre」を訪れたのはちょうどお昼どき。近くに住む住民の姿が目立った

つづいて向かったのは「Chomp Chomp Food Centre」。ケンシントン・パーク・ロードで営業していた屋台を集めて、1972年にオープンしたホーカーセンターだ

<a href="/article/18688?pg=1" class="link12lh15blue">Chomp Chomp BBQ Seafoodの「スティングレイ」</a>。チンチャロソース（アキアミの塩辛）やチリなどのスパイスで味付けしたエイを、バナナの皮で包んで蒸し焼きにしている

<a href="/article/18688?pg=1" class="link12lh15blue">Chomp Chomp BBQ Seafood</a>店主のゴー・ヤオ・センさん。1987年からこの店を切り盛りしている。バナナの皮を使って蒸すのが美味しさのポイントだとか

<a href="/article/18688?pg=1" class="link12lh15blue">Chia Keng Fried Hokkien Meeの「ホッケンプラウンミー」</a>。黄色い太麺とビーフンを海鮮と一緒に炒めている。食欲をそそるこくのある香りが特徴

<a href="/article/18688?pg=1" class="link12lh15blue">Chia Keng Fried Hokkien Mee</a>店主のチュア・キン・ホアさん。もともとは路上で屋台をやっていたが、「Chomp Chomp Food Centre」のオープンと同時に移転した

<a href="/article/18688?pg=2" class="link12lh15blue">Chomp Chomp Satay Bee Hoonの「サテービーフン」</a>。ビーフンと海鮮、豚肉、中国野菜のクウシンサイを一緒に炒めた中華系の「ビーフン」のうえから、マレー発祥の「サテー」に使われるピーナッツソースをかけたシンガポール独自の屋台料理

<a href="/article/18688?pg=2" class="link12lh15blue">Chomp Chomp Satay Bee Hoon</a>店主のケク・モン・リュエさん。祖父の味を引き継ぐ若手のホープだ

<a href="/article/18688?pg=2" class="link12lh15blue">Ang Sa Lee Satayの「ポークサテー」</a>。甘辛く下味をつけて焼いた肉を、炭火で焼いたシンガポール風串焼き。ピリ辛のスパイスを効かせたピーナッツソースに絡めて食べる

<a href="/article/18688?pg=2" class="link12lh15blue">Ang Sa Lee Satay</a>店主のタン・トアン・ホアさん。ジューシーに仕上げるコツは焼き加減だそう

<a href="/article/18688?pg=2" class="link12lh15blue">Chomp Chomp Fried Kway Teow Meeの「クイテオ麺」</a>。ガーリックとラードのたっぷり入った鍋で米粉の平麺と黄色い太麺を炒めたあと、黒醤油（黒豆で作った醤油）と薄口醤油、チリソースで味付け。そのあと海鮮、野菜、中国ソーセージなどの具を加えてさらに炒めればできあがり

<a href="/article/18688?pg=2" class="link12lh15blue">Chomp Chomp Fried Kway Teow Mee</a>店主のチュウ・ブーン・テックさん。父親のレシピを守りながら、火加減を自分流に変えているという

強火で一気に仕上げるのがポイントだとか

<a href="/article/18688?pg=2" class="link12lh15blue">Chomp Chomp Fried Kway Teow Mee</a>店主のチュウ・ブーン・テックさん（右）と夫人

「Chomp Chomp Food Centre」は、ガス会社が主宰する大会で、2年連続「マイ・フェイバリット・ホーカーセンター（お気に入りの屋台村）」に選ばれている人気のホーカーセンター。訪れたのは平日で、しかも雨の日だったのにもかかわらず、多くの人で賑わっていた。週末は避けた方が無難だろう

<a href="/article/18688?pg=2" class="link12lh15blue">Boon Tong Keeの「海南チキンライス」</a>。海南チキンライスは、もともと中国・海南州からの移民によってシンガポールに伝えられたという屋台料理。うま味を効かせた優しい味で日本人観光客にも人気が高い。1979年、チャイナタウンで創業した屋台の味を、現在はレストランで提供している

元弁護士という異色の経歴を持つシェフ、ウィリン・ロー氏。お気に入りの屋台7軒を紹介してくれた

2005年にオープンしたウィリン・ロー氏の店「ワイルド・ロケット」

「ワイルド・ロケット」のメニューは屋台料理や旅先で出合った家庭料理をベースにした、モダンシンガポール料理

食べられる器「パイティー」のなかに、エビとラクサの葉のペースト和え（右）、スパイスを効かせたのりの佃煮を詰めた前菜メニュー。緑の皿は店で出たワインボトルをリサイクルしたもの

ロー氏のアレンジが加わると、東南アジアを代表するデザート「チャンドル」も一気にモダンな装いに変わる。ココナッツアイスクリーム、パンダン味のパンナコッタ、インゲンマメの甘漬けを重ね合わせたうえから、パームシュガーのファッジをトッピング。パームシュガーの風味が効いたひと皿だ

「西洋料理の世界で活躍する友人シェフのなかには、『シンガポールの屋台料理って美味しいけど、洗練されていないよね』って言う人もいます。そんなとき、ぼくはいつも『それはちがうよ』って話をするんです。味は一級品ですから」（ウィリン・ロー氏）

「（屋台料理の）見た目は確かに庶民的です。だけど味だけは、高級レストランの料理にも引けを取りません。ぼくがそれをレストラン仕立てにすることで、味の素晴らしさを引き立たせることができればとおもっています」（ウィリン・ロー氏）

2012年にオープンしたブルーノ・メナール氏の店「ラ・カンティーヌ」

東京・銀座のフレンチ「ロオジエ」でヘッドシェフを務めたあと、2012年にシンガポールへ移住した三ツ星シェフのブルーノ・メナール氏

「ラ・カンティーヌ」ではブルーノ・メナール氏のビストロ料理が楽しめる

ブルーノ・メナール氏は「ラ・カンティーヌ」以外にもうひとつ、「アンド・メイド」というサラダやバーガーが中心の店を持っている

「ラ・カンティーヌ」の内装

「シンガポールの食文化は、過去10年のあいだにすさまじい発展を遂げました。マレーやインド、中国といったさまざまな文化の影響を受けていることが大きい。従来では考えられなかった、面白い料理が生まれる可能性を秘めているとおもいます」（ブルーノ・メナール氏）

ブルーノ・メナール氏が、シンガポールの屋台からアイデアを得たという「シェアリング・テーブル」のメニュー

「シェアリング・テーブル」では、大皿の料理をみんなで分けて食べるという、屋台っぽいスタイルで料理を提供する

「シンガポールに来てから思い付いたアイデアがたくさんあります。食べることは感じること。ぼくの料理から、屋台のエッセンスを感じてほしいですね」（ブルーノ・メナール氏）

屋台を食べ歩いた2泊3日食い倒れの旅、いかがだっただろうか。「本当の屋台の魅力は、体験してみないとわからない」。ふたりのシェフが口をそろえて言った、この言葉とともに今回の旅を締めくくりたいとおもう

シンガポールを象徴するものはたくさんあるが、この国の神髄に触れたければ、まずはホーカーセンターへ向かってほしい。飾らない素顔のシンガポールがそこにはあるはずだ

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