MOVIE|加瀬亮との出会いから生まれたホン・サンス監督最新作
MOVIE|加瀬亮との出会いから生まれたホン・サンス監督最新作
好きな女性を追いかけ韓国へやってきた男性を描く『自由が丘で』
韓国内外で人気の高いホン・サンス監督が加瀬亮を主演に迎え、片思いの女性を追ってソウルを訪れる男の恋模様を描いた最新作『自由が丘で』。12月13日(土)より、シネマート新宿ほかで全国順次ロードショーされる。
Text by YANAKA Tomomi
ナント三大陸映画祭でグランプリを受賞
独自の映像世界、撮影手法により、韓国国内はもとよりヨーロッパでも“韓国のゴダール”と高い人気を誇るホン・サンス監督。そんな彼の最新作であり、今月開かれたフランスのナント三大陸映画祭でグランプリを受賞した話題作『自由が丘で』が日本でも上映される。
主人公の日本人男性モリを演じるのは、かねてからホン・サンス監督のファンだと公言していた加瀬亮。2012年にプロモーションで来日していたホン監督との対談が実現した際に、初対面にもかかわらず意気投合し、その場で出演オファーを受けたことから本作は誕生した。
毎朝、撮影の前に脚本が渡されることでも知られるホン監督独自の製作スタイル。加瀬は、マネージャーや通訳などの同行もなく、まるで主人公モリのように一人で韓国に降り立ち、撮影に参加。また気ままに自由に街を歩くモリの衣装やリュックは、加瀬が日本から持ち込んだ自前のものだったという。
彼女を見つけることができず、日記のような手紙を書きはじめるモリ
想いを寄せる年上の韓国人女性クォンを追いかけ、ソウルへとやってきたモリ。しかし、彼女は見つからず、彼女に宛てた日記のような手紙を書きはじめるのだった。彼女を探してソウルの街を行ったり来たりしながら、おなじゲストハウスに止まるアメリカ帰りの男と仲良くなったり、迷子になった犬を見つけたことで、カフェ「自由が丘」の女性オーナー、ソンヨンと急接近したり……。
坂道と路地の多い迷路のような街で、時間の迷路に迷い込むモリ。果たして彼女に会えるのか? モリにとっての幸せとは?
モリの元恋人クォンが順番のバラバラになっってしまったモリからの手紙を読み進めるのと同時進行で紡がれる物語。行ったり来たりするモリの心を映すプリズムのように少しずつ反射していく時間。ホン・サンスの遊び心によって仕掛けられた時間軸が動き出し、ときに反復しながら、恋人を追ってソウルにやってきたモリのソウルでの日々が描かれる。
『自由が丘で』
12月13日(土)より、シネマート新宿ほかで全国順次公開
監督・脚本│ホン・サンス
出演│加瀬亮、ソ・ヨンファ、ムン・ソリ、キム・ウィソン、ヨン・ヨジョン
配給│ビターズ・エンド
2014年/韓国/67分
http://www.bitters.co.jp/jiyugaoka/
© 2014 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.