誕生から40周年を迎え、今なお輝き続ける「セクシーロボット」の魅力を探る|MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|誕生から40周年を迎え、今なお輝き続ける「セクシーロボット」の魅力を探る

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

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イラストレーター空山 基さんに聞く(2)

日常に溶け込む「セクシーロボット」

――「セクシーロボット」はCDジャケットにもなっています。最近では声優・上坂すみれさんの『Inner Urge』(’15年)ラッパー・Tygaの『Kyoto』(’18年)が話題になりました。中でもエアロスミス『Just Push Play』(’01年)は世界的に大ヒットしたアルバムです。ただ残念なことに手違いで、空山さんのオリジナル作品の裏焼きが使われてしまったそうですね。

空山 CDのアートディレクターが裏焼きでプレゼンした結果。その後は変更不可が、アメリカのシステムですから。

――他にも「セクシーロボット」はA BATHING APE®(’02年)、STÜSSY(’14年)といったアパレルラインともコラボしています。そうしたコラボについては、どのように考えていますか?

空山 炎上して話題になり、金になればなんでもよろしい。世の中を騒がせることで、ドーパミンが出ますから。

――近年ではXLARGE®(’16年)とのコラボレーションで、キャミソールを着たセクシーロボットや、XLARGE®のブランドアイコンである「OGゴリラ」をメタリックに描きました。

空山 また何か動きがあるかもしれないですね……。

――空山さんご自身も、マリリン・モンローをモチーフとしたセクシーロボットの連作を発表されるなど再び向き合う時間が増えていますが、改めていまのセクシーロボット人気をどのように感じていますか?

空山 私のギャラリー、ナンヅカの戦略と陰謀の帰結。馬鹿はおだてるとすぐ木に登る、ということ。

――空山さんの作品は海外でも人気で、昨年はタイで“Sawasdee Sexy Robot”という展覧会が開催され、等身大のセクシーロボットや2000%の巨大なSORAYAMA SEXY ROBOT BE@RBRICK & R@BBRICKが飾られました。

空山 バンコクの実業家がアートやカルチャーが好きで、展覧会をぜひやらせてほしいということだったので、そんなに言うんだったらいいよって。彼は大のBE@RBRICKコレクターでもあるんです。

タイはストリートとかサブカルチャーにリンクしたギャラリーはあまりないから、そのパイオニアになりたいんだと思います。

――タイにそういうアートが根付く第一歩になるかもしれないですね。

空山 大富豪で、今年の春にはEchoOne Nanzukaというギャラリーもオープンしました。7月に東京のNANZUKAにてワタシの展示会も予定されています。

――BE@RBRICKとのコラボ背景についてもお聞かせください。オファーを受けて、BE@RBRICKのデザイン、コンセプトをどのように感じましたか?

空山 オファーされるだけでもこの歳になると嬉しいものです。ほとんどの団塊世代作家が消えた今、幸福者です。ひとえに私のセンスと実力ですけどね(笑)。

――ちなみに空山さんが最近影響を受けた作品はありますか?

空山 『君の名は。』は結構良くできてました。もともと隕石とか宇宙考古学が好きなんです。ピーター・コロシモとかエーリッヒ・フォン・デニケンの本にハマって、UFOが見える場所にみんなでビール持って行ったり。

それで一回、火の玉を見たことがあるんです。たぶん流星のかけらが落ちてきたんだと思うけど、目の前で見るとものすごく巨大でした。

――隕石に興味があるとは意外でした。

空山 あと、火山の動画とか見るのは好き。近くで見るのは嫌。危ないから。

だからドローンで撮った動画が好きなの。疑似体験させてくれるから。氷山だって割れてドーンと落ちるのを真下から撮れば、目から鱗じゃないかなと思うんです。

――圧倒的なものがお好きなんですね。

空山 びっくりしたいんです。自分が。

つまり自分の絵を通して、他人もびっくりさせてるという発想。びっくりさせないとアートじゃないの。だから感動すると早く家に帰って絵を描こうと思うんです。年に一回あれば良いほうだけど。

――最後に、これから描きたいと思っているモチーフがあればお聞かせください。

空山 本当に描きたいと思っているモチーフは言えません。墓場まで持って行きます。逮捕されたり、インターポールのブラックリストに載るのは嫌ですから。

今、発表できる作品はナンヅカが検閲かけてからリストアップしてますから……。