ベアブリックは白いキャンバス。そこに何を描くかがデザイナーの勝負!|MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|ベアブリックは白いキャンバス。そこに何を描くかがデザイナーの勝負!

KIDILLには、たくさんのグラフィック、そしてキャラクターが登場。敢えてカットオフした袖口に、パンク的狂気を込める。

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

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KIDILLデザイナー 末安 弘明さんに聞く(2)

MEDICOM TOYをきっかけにした、原典逆引きのススメ

――もしかすると今回のBE@RBRICK、NY@BRICKとのコラボレーションをきっかけにKIDILLというブランドを知る人がいるかもしれないですね。

末安 そう思います。BE@RBRICKは初期の頃からFUTURA(フューチュラ)STASH(スタッシュ)KAWS(カウズ)といったグラフィティ・アーティストのコラボモデルを作っていたじゃないですか。あれで彼らのことを知った人も多いと思うんです。

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左/© FUTURA。中/© STASH。右/© KAWS。
BE@RBRICK TM & © 2001-2017 MEDICOM TOY CORPORATON.All rights reserved.

僕は’90年代、専門学校時代にFUTURAを知って、グラフィティに興味を持ちました。FUTURAのグラフィティを観に行くだけのためにニューヨークに行ったぐらい大好きで。

――2000年代前半は独学で服作りを学ぶためロンドンにいらっしゃったそうですね。

末安 3年間住んでました。BANKSY(バンクシー)のグラフィティが路上にたくさんありましたね。スーパーで買い物した帰り道に彼のグラフィティを発見したり。

当時はまだ知られていませんでしたが、あんなに人気になるとは思わなかったですね。

――2007年のサザビーズオークションで総額37万2千ポンド(日本円で約8500万円)で落札されたことが大きかったと思います。

末安 久しぶりにロンドンに行くと、盗まれないように保護されてるんですよね。グラフィティがそういう扱いになるのはちょっと驚きでした。

メディコム・トイさんはBANKSYの作品にインスパイアされたアイテムも作ってますよね。さすがだなと思います。

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BE@RBRICKに関しても目利きというか、その時代の最先端の人とコラボレーションしてるなという印象があります。

アーティストの方もBE@RBRICK自体を真っ白なキャンバスのひとつと捉えて作品にしているし、すごく相性いいですよね。

――グラフィティ・アーティストとのコラボレーションでは最近Jean-Michel Basquiat(ジ

ャン=ミシェル・バスキア)、Keith Haring(キース・ヘリング)のBE@RBRICKが発表されました。

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左/ジャン=ミシェル・バスキア© Estate of Jean-Michel Basquiat Licensed by Artestar, New York。右/キース・ヘリング© Keith Haring Foundation Licensed by Artestar, New York。BE@RBRICK TM & © 2001-2017 MEDICOM TOY CORPORATON. All rights reserved.

末安 ええ、見ました。総柄みたいになってて、かわいかったですね。

――ファッションデザイナーという立場からご覧になってBE@RBRICKとはどういう存在でしょう?

末安 さっきお話しした通り、真っ白なキャンバスに近いですね。構造的なところは赤司さんたちが時間をかけて作り上げてきたものだと思いますし、今回の「KIDILL BEAR」「KIDILL CAT」に関しては、平面のグラフィックをいかに立体物に落とし込むかという作業がとても興味深かったです。

――ブランドに話を戻すと、KIDILLの2018 Spring Summer COLLECTIONでもコラボレーションが行われています。

末安 “NEW CHAOS”というタイトルで、写真家のデニス・モリスとコラボレーションしています。もともとジョン・ライドンがすごく好きなので、いつかPublic Image Ltd(P.I.L.)とコラボをやりたいと思っていたら、デニス・モリスが3年前に日本に来たときにヒカリエ渋谷でやったKIDILLのランウェイを観に来てくれたんです。それが最初の出会いで、僕の洋服も気に入ってくれて。それからコンタクトをとり合って今回ようやくコラボが実現した感じです。

――理想的な出会いですね。

末安 そうですね。お互い、いい感じにやれています。’70年代後半、パンクが下火になってニューウェーブが台頭してくるわけですが、セックス・ピストルズ脱退後のジョン・ライドンもまたパンクから脱却するためにポストパンク的なものを模索してた時期だと思うんです。その時期にずっと一緒にいたのがデニス・モリスで、当時の空気を写真で記録しているんです。

なので僕も今回はパンクというものを一回脱ぎ捨てて、さらに一歩踏み込んだ自分なりのポストパンクのつもりで服を作ってみました。尊敬の意味を込めてジョン・ライドンの写真を使わせていただきつつ、ちゃんと現代に落とし込んだ服にしている感じです。

――なるほど。

末安 それと、今シーズンはTokyo新人デザイナーファッション大賞を受賞しました。その関連で、Amazon Fashion Week Tokyo期間中に、渋谷ヒカリエにてコレクションを発表しました。都知事の小池百合子さんから、グランプリの東京都知事賞を頂いたのは嬉しかったです。

またデニス・モリスとのコラボレーションを、ランウェイ形式で見せることができたのも良かったと思ってます。服は僕なりの現代のジョン・ライドンみたいな感覚で楽しみながら作りました。

ショーの後にデニス・モリスから連絡があり、「キーホルダーが大量に付いた服(※前出)が欲しい」と言ってくれて。でも、本当に着るのかな(笑)。ショーピースとして作ったものなので驚いたけど、嬉しかった。ちなみにそのキーホルダーの服は、MEDICOM TOYの赤司さんも気に入ってくれました。

――店頭に並び始めるのは来春ですか。

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KIDILL 2018 Spring &Summer デニス・モリスとのコラボレート作品より。

末安 そうですね。来年の2月くらいだと思います。

――これからメディコム・トイと挑戦したいことはありますか?

末安 今回が初めてだったので、また何かの機会でやらせてもらうことがあれば、ぜひ! たぶん1回目より2回目の方がもう少しいろいろ面白いことができそうだなと思うので。

あと、自分がどこかで大きいことをやるときにお願いしたいですね。例えば、ロンドン・コレクションでデビューするとき、メディコム・トイさんにめちゃくちゃ作り込んだマスクを作ってもらうとか。服はやっぱりコレクションが一番お客さんたちも見てくれるので、その時に一緒にやっていただけたら嬉しいです。とにかく誰も見たことない、トンでもナイことをやりたいです。

――それはぜひ見てみたいです! 今後の展開を楽しみにしております。