アメリカ海兵の下着だったTシャツがロックファッションとして広まるまで|MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|アメリカ海兵の下着だったTシャツがロックファッションとして広まるまで

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

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ロックスタイルのレジェンド 島津由行さんに聞く(2)

ストリートから、やがてビッグメゾンへ

――近年はビッグメゾンがロックをモチーフにしたコレクションを相次いで発表しています。

島津 ファッション誌のスタイリングがロック・モチーフを取り入れて行くうえで、ケイト・モスの存在は大きいですね。

昨年、GUCCIがAC/DCのロゴを使ったドレスを発表したり、シュプリームの今年の春夏シーズンはシャーデーのフォトTだったり、メゾンでもストリートでもロックをファッションに取り入れる傾向は相変わらず強いです。

いまヴィンテージTシャツはハリウッドのセレブ用になっていて、ロサンゼルスでは一枚10万円以上するものもあります。

――同時に、ファストファッション界でもロックTは大人気です。

島津 それは権利問題がまとまったからなんです。昔はアーティストのTシャツを作りたくても権利元を探すのが大変だったんですが、ライセンス会社が窓口になってとりまとめてくれたおかげで、申請して許可がおりれば1枚いくらのパーセンテージで販売できるようになった。それでジョン・レノンやニルヴァーナのTシャツが大量に出ているわけです。

併せて’90年代にオフィシャルで出たものが、古着となってネットなどで手頃な値段で買えるようになったことも大きいですね。当時のロックTは、ビッグサイズでハードコットンのものが多いんですけど、そのサイズ感も’90年代リバイバルにうまくハマったという感じです。

――そうした流れの中、日本のロックミュージシャンをモチーフにしたAmplifierのTシャツを実際にご覧になって、いかがでしょうか?

島津 Amplifierがフォトプリントに特化しているのは、新たなロックTの提案かなと思いました。ミュージシャンにも、写真家にもリスペクトがありますよね。

フォトTの流れを作ったのはカルバン・クラインの広告写真を撮ったブルース・ウェーバーだと思うんですけれども、このTシャツはファンの方はもちろん、ファッションや写真が好きなカルチャー系の人も欲しいでしょうね。

しかもこのTシャツはオリジナルボディをパターンから作っていますよね。それも、いわゆるスタンダードな細身のTシャツ。着込むことによってヴィンテージ感を楽しむことができる大人のロックTですね。

A

THE MODS
© ROCKAHOLIC

B

甲本ヒロト
© MIKIO ARIGA

C

真島昌利
© MIKIO ARIGA

――忌野清志郎さん、THE MODS、甲本ヒロトさん&真島昌利さん、ZIGGY、THE ROOSTERS、BLACK CATS、RED WARRIORSというラインナップが続きます。

島津 僕は日本のロックにおいて1970年というのは分岐点だと思うんです。

日本語のロックにこだわった、はっぴいえんどがいて、内田裕也さんがプロデュースしたフラワートラベリングバンドみたいに英語で歌って海外で活躍した人たちがいて、RCサクセションがデビューした年。’70年代はまだまだポピュラーではなかった日本語ロックが、’80年代になってようやく認められてきた。

Amplifierのコンセプトも「日本のロックシーンにおいて圧倒的な存在感で時代を作り上げたアーティストの肖像をアパレルに落とし込み、普遍的なアイコンとして後世に受け継ぐこと」とありますが、僕は清志郎さんなんて、デヴィッド・ボウイやストーンズに匹敵するスーパースターであり、レジェンドだと思うんです。

そういう意志がここから伝わってきますね。

このTシャツを着れば、レコードもほしくなるし、コンサートも観に行きたくなる。写真展も観に行きたくなる。

自分たちの本当に好きなもの、ずっと寄り添ってきたもの。それをノスタルジーじゃなく、大人のロックTとして楽しめるのは素晴らしいと思います。

D

ZIGGY
© MIKIO ARIGA
© RockGuild. All rights reserved.

E

RED WORRIORS
© MARICO MIURA

問い合わせ先

AmplifierオフィシャルHP

http://amplifier.tokyo/

< 島津由行さんFavorites >

06

David Bowie
/デヴィッド・ボウイ

グラムロックの先駆者にして、その後もスタイルを変えながら新機軸を打ち出した偉大なるロック・アイコン。ジョージア州アトランタで行なわれた「Diamond Dogs」(’74年)ツアーTシャツ。

07

TALKING HEADS
/トーキング・ヘッズ

’82年リリースのライブアルバム『The Name of This Band Is Talking Heads』のTシャツ。デザインのモチーフは彼らのデビューアルバム『Talking Heads: 77』(’77年)から。

08

BLACK FLAG
/ブラック・フラッグ

’80年代の西海岸ハードコアシーンを代表する彼らの作品は、レイモンド・ペティボンが手掛けたアートワークも大人気。バックに「’86 TOUR IN MY HEAD」と入った’86年の解散ツアーTシャツ。


09

SONIC YOUTH
/ソニック・ユース

’81年にニューヨークで結成。USオルタナティブシーンを牽引した彼らの4Thアルバム『SISTER』(’87年)プロモーションTシャツ。著作権問題で修正前のオリジナルアートワークを使用したレアもの。

10

The Rolling STones
/ローリング・ストーンズ

自身が設立したローリング・ストーンズ・レコード第一弾アルバム『STicky Fingers』(’71年)のジャケットは、巨匠アンディ・ウォーホルがデザイン。’89年の北米ツアー時に復刻されたもの。

11

THE CLASH
/ザ・クラッシュ

セックス・ピストルズと双璧の人気を誇り、レゲエやダブなど多様な音楽的要素を取り入れたパンクバンド。2ndアルバム『動乱(獣を野に放て)』(’78年)のジャケットをデザイン。


12
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John & Yoko
/PlasTic Ono Band

表と裏。「コールド・ターキー」を収録したジョン・レノンとオノ・ヨーコの共作アルバム『Some Time in New York CiTy』(’72年)プロモーションTシャツ。キャピトルレコードのロゴ入り。


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Pink Floyd
/ピンク・フロイド

表と裏。発電所の上空を巨大な豚が飛ぶジャケットでも知られるアルバム『Animals』(’77年)のツアーより、超レアなセキュリティー・スタッフ用のTシャツ(’77年4月24日フロリダ州タンパ・スタジアム)。

ABOUT
SHIMAZU Yoshiyuki

1959年熊本生まれ。マガジンハウス『POPEYE』のスタイリストとして活躍後、現在は『SENSE』や『POPEYE』、『CUT』などの男性・女性ファッション誌でのスタイリングやファッションディレクションを手がけるほか、 …