ジュネーブに自社工房完成|LOUIS VUITTON
LOUIS VUITTON|ルイ・ヴィトン
時の工房と名付けられたアトリエが完成
ルイ・ヴィトンのルーツは「旅」にあり、「旅」と「時」は切っても切れない縁がある。2002年から「タンブール」をはじめとする数々の美しいタイムピースを送り出してきたルイ・ヴィトン。そのルイ・ヴィトンが2014年、スイスのジュネーブに新しく製造拠点を完成させた。新工房「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」をご紹介しよう。
Text by KAWADA Akinori
おとなの旅を愉しむためのパートナー
ルイ・ヴィトンは1854年に創業し、キャンバス製の軽量で丈夫な旅行用トランクによって、旅する富裕層に好評を博し、それをきっかけとなって、世界中でその名を知らないものはいないほどのラグジュアリーブランドへと成長した。
「旅」はそれ以降、ルイ・ヴィトンにとって大きなテーマである。正確な時計を刻む時計は、旅に不可欠なツールであり、2002年にルイ・ヴィトンが「時間」という新たな領域に乗り出したのも必然的な成り行きだったといえるだろう。
ウォッチメーカーとして独立した精神と一流メゾンのエネルギーが融合し、ハイテクと歴史に根ざした時計作りが渾然一体となっている。
LFTLVは、およそ4,000平方mの広大な空間を擁しており、陽光があふれる快適なアトリエ環境を実現している。
熟練した時計職人、技師、デザイナーなど「時間」に関わるエキスパートたちがクリエイティブなエネルギーを共有し、伝統的な感性を大切にしつつ、人間の手によって最高の逸品を作り上げている。
熟練した時計職人たちは、絶えずイノベーションを追求しながら、自由にクリエイティブなアイデアを巡らせる。そうした活動が、最終的には「旅」に関連する新しいコンプリケーションウォッチへと結実していく。
伝統的な巧みの技、繊細な手仕事が、時計の機能性、見やすさ、使いやすさを向上させ、新しい文字盤のデザイン、クオリティの高い革新的なモデルの開発、美的な外観の追求へとつながっていく。
LOUIS VUITTON|ルイ・ヴィトン
おとなのトラベルタイム
2014年に登場した「エスカル ワールドタイム」も、そんなクリエイティブな環境の中、熟達した技術があってこそ誕生した、貴重なタイムピースである。
20世紀の豪華客船全盛期、エレガントな船客たちはルイ・ヴィトンのトランクを愛用していた。そのトランクのアーム部分には美しいオリジナルのハンドペイントによるオーナーのイニシャルが象られていた。この装飾的なイニシャルによってオーナーを識別していたのだ。
こうした色彩豊かな世界やビビッドでパーソナルな仕上げに、「エスカル ワールドタイム」はインスパイアされている。独創的で遊び心にあふれ、エクスクルーシブなスタイル。
鮮やかな38色でミニチュアペインティング技術で施された文字盤は、ルイ・ヴィトンの「旅」の哲学から誕生したのだ。「エスカル ワールドタイム」は針を一切用いずに世界24タイムゾーンの時間を表示する。
それは3つの可動式ディスクで示すという先鋭的なメカニズムばかりでなく、ディスクの一つ一つを繊細な手仕事で彩色する極限のハンドメイドの芸術的作品であり、LFTLVの高次元にして総合的な時計製造技術の到達点を示す腕時計だ。