Asprey｜英国の老舗ブランドから今年の新作が到着！

Asprey｜アスプレイ

英国の老舗ブランドから今年の新作が到着！

伝統を礎に繰り広げられる、アスプレイのあらたな未来

18世紀に創業した、英国ブランドの老舗「アスプレイ」。確かなクラフツマンシップとユニークでコンテンポラリーなデザインで知られてきた同社のクリエイティブディレクターに2010年、バッグブランドVBHの創立者であり、ヴァレンティノUSAのプレジデントを務めてきたブルース・ホックシーマ氏が就任した。英国王室御用達として名を馳せてきたアスプレイの、あらたなるステージが今はじまろうとしている。

文＝野上亜紀

「英国王室御用達」の歴史

1781年、アスプレイはイギリスの小さな村ミッチャムにて、シルクプリントを生業として創業したブランドだ。創業者のウィリアム・アスプレイと、その一族であり金属商のチャールズとチャールズ・ジュニアによって、鞄やシルバー製品のブランドとして事業を拡大してきた。

1862年には同社のスーツケースが万国博覧会にて金賞を獲得し、その名声が世に知られることとなる。ビクトリア女王によって英国王室御用達店として正式に承認された後、20世紀には優れた金銀細工師と宝石職人、時計職人とともにジュエリー＆ウォッチの分野にて活動を広げるようになった。

老舗が追求してきた高いクラフツマンシップ

アスプレイの最たる特徴は、高いデザイン性を追求しながらも、イギリス人にとってはいつしか「自国のアイデンティティ」といわれるまでの“普遍の美”と“信頼”を築き上げてきた点にある。アスプレイは英国王室御用達の名のもとに、確かなクラフツマンシップをもって、すべての顧客の期待にたがうことなく応えてきた。ことにアスプレイの基盤となるオーダーメイドシステムには、ブランドが築き上げてきた顧客との強い絆を垣間見ることができるだろう。その精神は今もなお受け継がれ、顧客の要望とともに職人技とセンスを磨きあげることで、英国トップブランドの道を歩みつづけてきたのである。

「デイジーヘリテージ」リング 58万円

「デイジー」に宿る職人技の魅力

その培ってきた技術力と素材へのこだわりをことに反映したのが、新作ジュエリーの「デイジーヘリテージ」だ。アスプレイのジュエリーといえば、アール・デコの静謐なデザインや流麗なオーガニックラインのリリーなどが思い浮かばれるが、この愛らしいデイジーはジュエリーラインばかりではなくスカーフにも愛用されてきた、いわば同社のアイコンともいえるモチーフ。今年はこれまでのストーンを敷き詰めたデザインから一転、マーキースカットのアメシストを一枚の花びらに見立てたリングやペンダントが発表された。デイジーの華やかな印象はそのままに、よりリアルでラグジュアリーな存在感を極めたジュエリーには、石の魅力を最大限に惹きたてようとする精緻な職人技が見てとれる。

アスプレイの新たな未来、「ロンドナー」

2010年にアスプレイは新クリエイティブディレクターにブルース・ホックシーマ氏を起用。バッグブランドVBHの創立者であり、ヴァレンティノUSAのプレジデントを務めてきたホックシーマ氏は就任後初のコレクションとして、グローブ・トロッターにアスプレイのラゲージの制作を依頼し、「ロンドナー」を発表した。この老舗同士が手を結びあったものづくりは高い評価を受け、まさにホックシーマ氏いわく「アスプレイの伝統とクラフツマンシップに高い可能性を感じた」逸品として成功。

右／「ロンドナー」上からトローリー 24万円、25万5000円、下のスーツケースは参考商品

ユーモアと上質さ、そしてメッセージ性との融合

写真は、やはりホックシーマ氏就任後の作品となる新作ジュエリー「ライフリング」だ。“浮き輪”をモチーフとしたリングは、アスプレイのデザインアーカイブに多く見られるマリンモチーフからインスピレーションを得て製作されたもの。救命用の浮き輪をリングに見立てるというアスプレイならではのなんともユニークなセンスに、コンテンポラリーなデザインを反映したユニセックスジュエリーである。商品名にある“ライフ”の名のごとく、人生の絆を強く結び合わせるための大切なギフトとしての意味も、このジュエリーには込められている。また、アスプレイの最初の文字「A」をモチーフにつくられたクラスプデザインの「Aライン」は、デイリーに身に着けるアイテムとしてもお薦めのアイテム。