美しき流線型がファッションを引き立てるユニセックス・ジュエリー ectm（エクタム）デビュー｜ectm

ectm｜エクタム

M•A•R•Sのデザイナー米山庸二氏が生み出す新たなアートピース

ジュエリーブランドを立ち上げて今年で30年という節目に、「ectm（エクタム）」という新たなブランドを生み出したデザイナーの米山庸二氏。これまで培ってきた高度な技術を使いながら、自然界に溢れる美しき流線をとらえた作品群。そして、ジュエリーとしての存在感を放ちながら、どんなファッションともフィットする機能的な造形美を備えている点に注目が集まる。それは、不確実な時代にありながらも「永遠」を感じさせるアートピースともいえる。

Text & Edit by TOMIYAMA Eizaburo

強弱をつけながら絶え間なく流れるデザイン

国内では2020年12月にスタートしたばかりの新ブランド「ectm」は、「連動性のある”静”から”動”へ、”動”から”静”へと絶え間なく続くような流動的な造形美の追求」をテーマにしたブランド。たしかに、川の流れや渦を見つめているような、葉っぱから滴る水滴を覗いているような、林道の片隅のような、自然界にある一瞬をとらえながら「エンドレス」に動きの感じられる作品群となっている。しかし、ただ繊細なだけではなく、無骨さや力強さを備えている点はデザイナー米山氏の真骨頂といえる。

美しき流線型がファッションを引き立てるユニセックス・ジュエリー ectm（エクタム）デビュー｜ectm

スピークブレスレット 15万円（税別）

それを支えるのは、強い信頼関係で繋がっている熟練の職人たち。少しでも知識のある人であれば、「これはどうやって作っているの？」と不思議に思うほどの技法が使われ、仕上げ（ハンドフィニッシュ）に関しても緻密な計算が施されていることがわかる。

デザイナーの米山氏はよく「僕らは末端系ですから」と口にする。ジュエリーやシューズのような小物類は、ファッションの末端で身につけられるという意味だ。卑下しているのではなく、その自覚があるからこそ、「ectm」のデザインもまた、単体として強い存在感を放ちながら自然とファッションに溶け込む奥ゆかしさを内包している。その絶妙なバランス感覚は、時代を超えて愛されるヴィンテージ・ジュエリーのような風格すらある。