ハミルトン・プレゼンツ！ 映画づくりを支えるクリエイターたちの祭典

“ハミルトン　ビハインド・ザ・カメラ・アワード”──その文字が飾られたステージに立つハリソン・フォードが「この賞を設けたハミルトンに感謝します」と述べると、会場から大きな拍手がわきあがった。

2012年10月28日。ロサンゼルスのハリウッドで、第6回「ハミルトン ビハインド・ザ・カメラ・アワード（BTC）」の贈賞式が開催された。

レッドカーペットに現れたのは名優ユアン・マクレガーや、『アメリカン・パイ』でおなじみの女優ミーナ・スヴァーリ。さらに女優であり脚本家のゾーイ・カザンや、アカデミー賞受賞作品『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の俳優ポール・ダノ、人気の女優ガーセル・ボーヴァイス、リサ・ボネらのスターたちがつぎつぎと登場してフラッシュが焚かれる。

贈賞式に登壇したハリソン・フォード

この「ビハインド・ザ・カメラ・アワード（BTCA）」とは監督、小道具や衣裳、編集など、映画製作にかかわるクリエイターたちに授与されるもので、いわば銀幕の裏方を讃えるためのアワードだ。

ユアン・マクレガー

ミーナ・スヴァーリ

アレックス・フルンカ

リサ・ボネ

2012年度のアワードは『ライフ・オブ・パイ　トラと漂流した227日』の撮影監督クラウディオ・ミランダ、『アルゴ』の美術監督シャロン・シーモア、『プロメテウス』の編集ピエトロ・スカリアをはじめとして、今年の話題作を手がけた映画人たちに授けられた。

受賞したのはブロックバスター（大規模の映画）作品だけではない。ニューオーリンズの洪水をモチーフにしてマジックリアリズムの世界を描いた『ビースト・オブ・サザン・ワイルド（原題）』の監督ベン・ゼイトリン。フランスで大ヒットしたヒューマンドラマ『最強のふたり』が外国映画作品賞では受賞。この作品で第37回セザール賞主演男優賞を受賞した男優オマール・シーがステージに登場して軽妙なスピーチで満座をわかせた。

オマール・シー

シャロン・シーモア

クラウディオ・ミランダ（左）

またプロデューサーとして選ばれたのが、スマトラ沖地震の津波に巻きこまれた家族の悲痛と再生を描いた『ジ・インポッシブル（原題）』を製作したベレン・アティエンザ、アルバロ・アウグスティンら。
どの作品も今年話題を集めた映画であり、BTCが「アカデミー賞の登竜門」といわれているのがよくわかる。

左／ゾーイ・カザン、右／ポール・ダノ

「カメラの裏方にフォーカスした賞というのは、私にとっては特別な意味があります。この賞で認めてもらえることで、自信をもらいました。ハミルトンに感謝します」。ステージに立ったゾーイ・カザンさんは頬を紅潮させてこうスピーチした。

名監督エリア・カザンの孫娘であり、舞台女優としてもキャリアがあるゾーイさんは、『ルビー・スパークス』の脚本を手がけてBTCを受賞。パートナーである俳優のポール・ダノさんと仲の良い姿を見せてくれた。

「映画づくりに私たちが必要であり、欠かせないということを認めてくれるハミルトンに感謝をします」。『アメイジング・スパイダーマン』でプロップ・マスター（小道具）を勤めたアンドリュー・M・シーガル氏はスピーチでこう述べた。このプロップ・マスターという仕事は登場人物の小道具から雑貨や身のまわりのものなど、あらゆる持ち物を用意する。

「すべての小道具がその登場人物たちを表現するものとなるのです。もちろん登場人物がはめる時計から持ち物まで、すべてがおろそかにできません」とアンドリューさん。

「ふだん私たちが表に出ることはないのですが、こうした賞で多くのスタッフの力を讃えてくれるのは非常にうれしく、名誉なことだと感じています」。2012年の大ヒット映画『ハンガー・ゲーム』で衣装を担当したジュディアナ・マコフスキーさんはこう語る。

「映画づくりというのは、とても多くのひとがかかわり、とてつもない時間と手間がかかるものなのですが、そこを評価してくれる賞というのはすばらしいと思います」

『プロメテウス』の編集ピエトロ・スカリア氏は映画『JFK』でアカデミー賞 編集賞を受賞した映像編集技師だ。「編集作業で大事なことは観客を飽きさせないことだと思います。いかに観客を楽しませながら話をつないでいけるか、ということが私の役目です」

ハリソン・フォードからトロフィーとベンチュラを授けられたのは、ベテラン中のベテラン映像編集者であるマイケル・カーン氏だ。

「とても名誉なことです。この賞でライフタイムアチーブメント（功労賞）を得たというのは、私にとっては特別のよろこびです」。2012年は長年の盟友スティーヴン・スピルバーグ監督の監督作品『リンカーン』の編集に携わった。

「私の役割は監督の考えを汲んで、それをよりよく伝えるための編集をすることです。私はひとの話をよく聞くグッド・リスナーだと思いますよ。映画界は声高に主張するひとが多いのですが（笑）、よい編集とは、よい聞き手から生まれるのです」

ベンチュラ XXL

レディ ベンチュラ

まさに裏方であることに誇りをもち、作品づくりに徹底にこだわる職人肌のクリエイターたち。

映画とはスターだけのものではなく、何百人にもおよぶスタッフの力が結集して、ひとつの作品を作りあげていくものだ。ちょうど時計の内側を見ると、数多くの歯車が精巧に噛みあって動いているように、ひとつひとつが正確に動かなければ決して成功しない。その功労者を讃えるアワードは、ハリウッドでも特別の輝きがある。

では時計ブランドのハミルトンがなぜBTCを主催しているのか。そこにはハミルトンと映画との深いつながりがある。

次ページでは、ハミルトンと映画界との深いつながりを具体的に紹介→

60年にわたって400以上の映画に登場した、ハミルトンとハリウッド映画の深い関係

創立120周年を迎えるハミルトン社は、1892年アメリカのペンシルバニア州ランカスターで誕生した。おもしろいことにこの翌年にエジソンがキネトスコープを発表し、フランスではリュミエール兄弟が最初のシネマトグラフを開発している。すなわち映画や鉄道、飛行機といった現代に大きな影響を与えているカルチャーやテクノロジーを生んだ時代に、誕生したブランドなのだ。

ハミルトンとハリウッドの深い関係は、60年前にさかのぼる。

はじまりはアカデミー賞にもノミネートされた1951年作の映画『フロッグメン』だった。
フロッグマンとは、アメリカ軍本部隊が敵地へ上陸するのに先立ち、工作活動をおこなった潜水工作員部隊のニックネームだ。その実話にもとづく映画に採用されたのが、実際に前線に供給されていたハミルトンの時計だったのだ。
これぞ実際に第二次世界大戦中に、アメリカの海軍陸軍空軍で公式にミリタリーウォッチを製作していたハミルトンにしかできない使われ方といえる。
ミリタリーウォッチとしての実績に裏打ちされたカーキ・シリーズは数多くの映画でおなじみだ。
スパイク・リー監督作品『セント・アンナの奇跡』ではイタリアの前線で戦うバッファローソルジャー（黒人部隊）たちがカーキ フィールドメカとともに死地をサバイバルした。

カーキ ネイビー クラシック 日本限定モデル

また映画『[リミット]』にはカーキ オフィサーオートが、そしてSFアクション映画としてヒットした『グリーンランタン』や『プレデターズ』ではカーキ ビロウゼロ 1000が採用。

映画『[リミット]』と、劇中に登場したカーキ オフィサー オート。　©2009 Versus Entertainment S.L. All Rights Reserved.　ブルーレイ＆DVD好評発売中 ギャガ／ハピネット

社会派アクション映画の『ブラッド ダイアモンド』、そしてトミー・リー・ジョーンズ主演のサスペンス映画『追跡者』でもカーキが使われていて、ハミルトンの耐久力とタフさが、男らしいキャラクターを表現するのに役立っている。
さらにマーク・ウォルバーグが主演した『ミニミニ大作戦』ではカーキ フィールドを採用しており、カーキシリーズは映画でもハミルトンを代表する顔になっている。
ハミルトンの特徴あるデザインは登場人物のキャラクターを明快にあらわす小道具として扱われ、『ダイ・ハード 4.0』でブルース・ウィルス演じたジョン・マクレーン刑事が使用したことも記憶にあたらしい。
いっぽうハミルトンは映画史に残るアイコンをも生みだしている。

エルヴィス・プレスリーはベンチュラを愛用。右は初代ベンチュラ。

『メン・イン・ブラック』3部作シリーズではウィル・スミスが着用。
「メン・イン・ブラック3」ブルーレイ＆DVDセット
3990円 発売・販売｜角川書店
©2012 Columbia Pictures Industries, Inc. and Hemisphere – Culver Picture Partners I, LLC. All Rights Reserved.

一世を風靡したのが、エルヴィス・プレスリーが1961年に『ブルーハワイ』でつけたベンチュラだ。
独創的な三角形のフォルムは、撮影後もエルヴィスのお気に入りとなって愛用されたため、世界中のファンにとって憧れのアイテムになった。そしてその個性は時を隔てても魅力を失わず、『メン・イン・ブラック』３部作シリーズでは、ウィル・スミスが演じたMIBエージェントの時計として登場している。

エイリアン対策エージェントという荒唐無稽な設定と、オールブラックスーツのクールな出で立ちに、ベンチュラほどぴったりなものはないだろう。

そして忘れられないのが、映画史に燦然と輝くSF映画『2001年宇宙の旅』での起用である。スタンリー・キューブリック監督みずからの「未来にふさわしい時計の製作を」との依頼により、ハミルトンのチームは斬新でフューチャリスティックな時計を開発。小道具のひとつひとつが未来をヴィジュアライズする役割を担ったことがよくわかる。

そればかりかハミルトンはロマンチックな映画にも数多く登場している。

たとえばシャーリーズ・セロンとキアヌ・リーブスによるロマンチックな恋愛映画『スウィート・ノベンバー』では、アードモアが登場。『チャーリーズ・エンジェルス』や『シカゴ』など、きらびやかな女優陣によるヒット作でもハミルトンの時計が使われた。

『2001年 宇宙の旅』に使用されたモデル。

映画『リプリー』や『オータム・イン・ニューヨーク』に登場したアードモア。

テレビではなんといっても60年代の広告代理店を舞台にした人気TVドラマ『マッドメン』での起用が印象的だ。実際に60年代のアメリカで人気を博していたハミルトンの時計がこの番組に登場するのは当然のことだろう。さらにNYのリッチでファッショナブルな高校生たちを描いた人気TVドラマ『ゴシップガール』では、レディ ハミルトン ヴィンテージが登場している。

ハミルトンの時計は60年間にわたり、なんと400以上の作品で使われているというから驚くばかりだ。近年ではヨーロッパや中国、そして日本の映画でもハミルトンが登場する映画が増えている。時計とは映画の演出に不可欠なアイテムであり、ハミルトンはアメリカの文化や歴史を表現するアイコンになっているのである。

次ページでは、ハミルトン・インターナショナル CEOシルバン・ドラ氏にインタビュー→

映画づくりがあらたなインスピレーションに──革新しつづけるハミルトンの挑戦

ハミルトンと映画の関係は、たんに時計がドラマに登場するというだけではない。その深いつながりについて、ハミルトン社CEOのシルバン・ドラ氏に特別にインタビューをさせてもらった。

──ハミルトンがBTCを主催して、映画業界を積極的にサポートしている意義はどこにあるのでしょう？

シルバン・ドラ氏（以下、ドラ）　時計と映画は、ともに人びとのパッションに訴えるモノづくりです。映画が作るのは人間のパッションを動かすエンタテイメントであり、時計は人間の愛着やこだわりに応えるモノづくりです。じつは両者はとても似た精神をもっているのです。

BTCは映画づくりに携わる多くのスタッフに光を当てるアワードですが、私たちも映画業界のクリエイターたちとかかわることで、インスピレーションを得ていけるのです。

私たちは単に映画のために時計を貸しているわけでなく、製作段階から衣装デザイナーやプロップ・マスターたちと協力して、その映画のためにあたらしいデザインを生み出すという機会も多いのです。

たとえば『2001年　宇宙の旅』ではスタンリー・キューブリック監督に依頼されて、その世界観にふさわしい時計をハミルトンのチームがデザインして開発しました。そのようなコラボレーションをすることがしばしばあり、その過程がハミルトンのデザインに生かされるわけですね。

私たちにとってもハリウッドのクリエイターたちと協力することで、斬新なアイデアやデザインのインスピレーションを得ることができるのです。

──数々の映画で使用されているハミルトンですが、これぞハミルトンらしい登場の仕方という映画はどれでしょうか？

ドラ　ハミルトンらしさでいえば、やはりベンチュラでしょうか。あの独創的なデザインは、とても強いキャラクターをもっています。『メン・イン・ブラック３』では60年代と現代がストーリーのなかでつながっているのですが、ベンチュラも 1957　年に開発されて、さらにこの映画の公開と同時期に、進化したベンチュラを発売したということで、まさにぴったりと合っていると思います。

女性のキャラクターが使う映画でいえば、『アメリア』ですね。アメリア・イアハートはアメリカ初の女性パイロットで、航空史に残るヒロインですが、ハミルトンがアメリカの航空機の発展をともに歩んできたことを考えると、まさにハミルトンらしい登場の仕方ではないかと感じます。

──今まで 400本以上の映画に時計が登場したとのことですが、なぜそれほどハリウッドでハミルトンは人気なのでしょうか？

ドラ　まず私たちが映画業界とつちかってきた信頼関係にあると思います。そしてまた私たちが120 年もの歴史をもっていることも、資産となっています。

たとえば過去の時代をあつかったコスチューム（時代物）映画やテレビ番組を撮影したいといった時に、私たちのアーカイブでは1890年代からの時計の資料が揃っています。そのため制作者にとって時代考証をしたり、時計を借りたりするのに、たいへん都合がいいのです。

例をあげると、60年代の広告代理店を舞台にした人気テレビドラマ『マッドメン』ではハミルトンの時計が使われていますが、実際に60年代のアメリカで人気を博していたハミルトンの時計が登場することで、時代考証的にも正しく、また当時の先端であったアドマンたちの生活ぶりも表現できるわけですね。

2001:A Space Odyssey,Directed by Stanley Kubric(1965-68;GB/United States).Lobby of the space station.
©Warner Bros.Entertainment Inc.

そしてまたハミルトンが製作段階からかかわって、特別な時計を開発してきた実績も信頼につながっていると思います。

──この先どう映画と係わっていくか、なにか計画していることはありますか？

ドラ　現在2014年に公開される映画のために、ちょうど衣装係や小道具係と、どんな時計がいいか、あたらしいデザインに取りかかっているところです。だいたい1、2年前から作業がはじまるのです。まだ映画のタイトルは明かせないのですが、とてもおもしろいものになると思いますよ。

──今後どういった時計を出していきたいですか？

ドラ　ベンチュラのようにユニークで、主張がはっきりとしている時計を打ち出してみたいですね。好きなひとは熱狂的に好きになる、そんなあっと驚くようなデザインを作っていくつもりです。

映画からのインスピレーションで、またあらたに生まれるハミルトンの新作が楽しみだ。120年もの歴史を受け継ぎながら、つねに現代に進化して独創的なアイデアを提供しつづけるハミルトンの挑戦は終わらない。

次ページでは、ハミルトンを粋に着けこなす洒落者たちのスナップを紹介→

時計のつけこなし流儀を拝見！　スタイリッシュなハミルトン愛好者たち

さてBTCを訪れたひとたちのなかでスタイリッシュなハミルトン愛用者たちに、その流儀を見せてもらおう。

まずレッド・カーペットに登場したニコラスさん。アエロバティックの第一人者であり、2005年からハミルトンのアンバサダーを務めている。空を縦横無尽に翔ける男の手に光るのは、カーキ X-パトロールだ。

「ぼくの役割は、パイロット専用機能の搭載でアドバイスをすることだったんだよ。たとえばこのX-パトロールには、キロとマイルの双方の度量衡換算機能がついている。飛行機というのは機種によってキロとマイルの表示があるので、パイロットにとっては役に立つんだ」

パイロットのニコラスさんはカーキ Xパトロールを愛用。

カーキ X-パトロール

1919年米国初の定期航空郵便の公式時計に採用され、1930年代にはユナイテッド航空など多くの航空会社で採用。さらに第二次世界大戦時は空軍の航空時計を手がけていたハミルトンは、その栄光を受け継ぎつつ現代に伝えている。

ニコラスさんはどこの飛行場でもベストドレッサーに選ばれるほどスタイリッシュなパイロットとしても知られるが、それだけにデザインへのこだわりも強い。

「ハミルトンの時計はとにかくデザインがいい。ぼくは毎日気分によって時計を着がえたいタチだから、どれかひとつと決めつけないで、その日の服に合わせて選んでいるんだ」

一流パイロットが選ぶハミルトンの時計には、大空を飛ぶ男のロマンが詰まっているといえるだろう。

カーキ　X-パトロール

「ハミルトンのデザインはアメリカン・ルーツにつながっているのが魅力的ですね」と語るのは、ハミルトンの時計をデザインしているアレックスだ。身に着けたのはカーキ　X-パトロール。

ハミルトンは鉄道、ミリタリー、そして航空機の歴史とつながっており、アメリカのDNAが脈々と受け継がれている。それと同時に現代のアイデンティティもあり、高品質なスイス製。アメリカをインスピレーション源にしながら、スイス製の精度を誇るのが、大きな魅力だと語る。

右の写真は、彼が手がけたカーキ ネイビー パイオニア限定モデル。米海軍のマリンクロノメーターに公式に採用されていたという歴史を踏まえて、それを模した専用のウッドボックスに時計がセットされている。

マリンクロノメーターとは、船舶の揺れに時計が左右されないようつねに水平に保つ特殊な計器であり、第二次大戦中アメリカ海軍が時計メーカー数社に要請したところ精度で選ばれたのが、ハミルトン社製のものだった。

精度が高いだけでなく、時計部分だけを取り外して、腕時計のベルトにセットできる。最新のテクノロジーを配しながら、歴史につながっているところがハミルトンらしい。

カーキ ネイビー パイオニア限定モデル

時計を水平に保つジンバル付きウッドボックスにセットして、縦横両用の置き時計としても使えるという。

1943年には第二次世界大戦で功績をおさめたミリタリー・ウォッチとしてアメリカ海軍から”E Award“を受賞したハミルトンのレジェンドを感じ取れる時計として、これほどふさわしいものはないだろう。

フランス出身の彼女は、ベンチュラ　レディ・ダイヤモンド　クォーツがお気に入り。

ジュエリーだけでなく、ファッショナブルに時計を着けこなす女性も魅力的だ。主張あるスタイルを、見事にコーディネイトしている女性を発見した。彼女のチョイスはベンチュラ XXLのレディースタイプ。独創的なフォルムと白いベルトが相まってスタイリッシュだ。

ちょうどBTCの週末だったので、映画でも名高いベンチュラでムービーな気分に盛り上げてみました、と微笑む彼女。

普段はメンズのカーキ フィールド　オートマチックをつけるのが気に入っているという。

カーキはどんな服装にも合わせやすいし、ミリタリーのディテールが気に入って、愛用しているとのこと。働く女性にとっては機能的だし、あえて男物の時計を使うのがクール。ハミルトンの時計の魅力は、まだ若い世代にも買うことができる値段でありながら、機能的でクリエイティブなデザインであるところがパーフェクトだという。

個性あるスタイルで際立っていたのが、ブラジルから来ていた男性。手もとを飾るのは、遠くからでも人目を奪うパルソマティック　ステンレススチールブレスだ。1970年に世界初のデジタルウォッチ、パルサーを発表したハミルトンだが、このパルソマティックはアナログとデジタルが融合した画期的な時計だ。

「たんなるデジタルウォッチなら現代では珍しくないし、価値もない。でも一見するとデジタルウォッチに見えながら、文字盤の裏を返してみると、じつは精巧なオートマティック機能が見えるという、この遊び心が気に入っているんだ。この裏側を人に見せると、誰でも引き込まれるんだ。しかも自動巻きによる発電機能で、ほっておいても数ヵ月動くところも優れているね」

ブラジルから来た男性が愛用するのはパルソマティック。

時計とは、まさしく持ち主を語るアイテムだ。ハミルトンは本物を知るひとたちにとって個性と美意識を表現する小道具になっている。

ハミルトンCEOのシルバン・ドラ氏は「時計とはエモーショナルなアイテムなのです」と語る。

「時計はたんなる生活必需品ではありません。ひとは生活必需品には愛着を覚えませんよね。しかし時計には、そのひとの思い出やこだわり、愛着や物語がつきまとうのです」

たしかに古くなった計算機やスマートフォンに愛着を覚えるひとはいないが、時計には必ずセンチメンタルな思い入れがつきものだ。

「時計は職人が手間暇をかけて作るものであり、そこが生活必需品とはちがいます。時計に込められた職人のこだわりが、持つひとにとっても感情を呼び起こす愛用品になるのです。だからこそ時計と映画はおなじパッションをわかちあっているといえます。時計というのはひとの感情につながるアイテムであり、映画もまたひとの感情にかかわるクリエイションであることから、ハミルトンの時計と映画はまさに切っても切れない関係にあるのです」

ハミルトンのもつアメリカンスピリッツと、スイス製のテクノロジー、そして数々の映画のキャラクターに彩りを添えてきたレジェンドは、本物の価値を知るひとたちを魅了しつづけるだろう。

ハミルトン／スウォッチ グループ ジャパン
Tel. 03-6254-7371