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2021年3月31日
対馬の海洋環境を守るために。日本サニパックの挑戦
ITOCHU|伊藤忠商事
海洋ごみ問題という社会課題を解決するためのプロセス
伊藤忠商事と、子会社で日本最大手のゴミ袋メーカーである日本サニパックは、世界初(※1)となる海洋ごみ(※2)由来の原料を配合したゴミ袋を開発した。また海洋ごみを再利用した買い物かごを開発し、ファミリーマートの一部店舗で導入された。
Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)
対馬市の漂着プラスチックごみをリサイクル
昨今、国内外で海洋ごみが問題となり、その対策が急がれている。
特に「日本一海洋ごみが多い島」と呼ばれるのが長崎県対馬市だ。ここには年間約2万立米の海洋ごみが漂着していると推定され(※3)、毎年数億円の回収費用をかけながらも全量回収には至らず、深刻な問題となっている。
回収されたプラスチックごみは一部油化リサイクルされているが、その多くは埋め立て処分されており、対馬市はSDGs未来都市として海洋プラスチックごみのリサイクル利用推進を目指している。
伊藤忠商事は、対馬市と連携しながら、海洋プラスチックごみのリサイクルに成功。伊藤忠商事の子会社で日本最大手のゴミ袋メーカーである日本サニパックが、リサイクル海洋プラスチックを一部配合したゴミ袋を世界で初めて開発した。
伊藤忠商事と日本サニパックは、今回開発したゴミ袋を対馬市やその他の地域で海岸のゴミ清掃活動を必要とするエリアに一部無償で提供する計画で、海洋ごみ問題という社会課題を解決するための循環経済型のビジネスモデルを構築していく。
海洋ごみ問題への啓発も兼ねたこの活動で、対馬市での海洋ごみの発生や処分コストの抑制にもつながると伊藤忠商事はみている。
海洋ごみが買い物かごとして生まれ変わる
それら海洋ごみを再利用したもう一つの事例がある。ファミリーマート、伊藤忠商事、テラサイクルジャパンの3社が、長崎県対馬市に漂着したプラスチックごみを原材料の一部に使用した買い物かごだ。2021年2月より、ファミリーマートの一部店舗に導入されている。
3社の協働により、海洋プラスチックごみをリサイクルした買い物かごを開発。テラサイクルジャパンが長崎県対馬市で回収された海洋プラスチックごみを調達し、伊藤忠商事と協働して製造されている。
導入店舗は、ファミリーマート対馬厳原大手橋店(長崎県対馬市)、ファミリーマート壱岐芦辺店(長崎県壱岐市)、ファミリーマート壱岐郷ノ浦東店(長崎県壱岐市)、ファミリーマートベイサイドプレイス店(福岡県福岡市)の合計4店舗だ。
(※1)伊藤忠商事調べ
(※2)すでに海洋環境に流出してしまった海洋ごみをさす。
(※3)出典:対馬市SDGs未来都市計画(2020年8月26日発行 対馬市)
(※2)すでに海洋環境に流出してしまった海洋ごみをさす。
(※3)出典:対馬市SDGs未来都市計画(2020年8月26日発行 対馬市)
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