『OriginalFake（2）』モノ作りにかける思い
ACT4 『OriginalFake』（2）
突如、東京・南青山に出現したショップ「OriginalFake」。
日本でも多くの人々にリスペクトされるニューヨーク在住アーティスト『KAWS』によるプロジェクトなのだが、実はメディコム・トイがその根元に存在してるのだ。
第2回目の今回は、'07 A/W コレクションの【TAROT】シリーズ製品の紹介と共に、プロジェクトの全容を語っていただく。
文＝高橋猛志Photo by Jamandfix
■アパレルディレクター・今野氏を迎える
オープンから1年くらい経った頃、今年の5月くらいのことですが、KAWSと僕らとの会話の中で、「ファッションに関してのディレクターを入れた方がいいかも」という話が持ち上がりました。
KAWSの持つ志向性である、ストリートでもモードでもない、その中間のところで、彼のイメージをもっと具現化できる存在が必要だと。
そこで思い至ったのが、ファッションブランド「NEXUSVII(R)」の今野智弘さんです。
それとなく彼に打診をしてみたら、「面白いじゃないですか。絶対やりますよ！」とおっしゃっていただけたんです。
一同大喜びでしたね。特に、KAWSもNEXUSVII(R)の洋服が大好きだったこともあって。
今野さんは当時、もっと名の通った大企業さんからもお誘いはあったようなんですが、NEXUSVII(R)の仕事に差し障りがあるからと、全部断っていたんです。なのに、なぜか僕らの仕事を請けてくれたんです。
今野さんがKAWSやメディコム・トイのことを気に入ってくれたというのもあるでしょうし、タイミングが良かったというのもきっとあるでしょう。いろんな条件が全部オンになった結果の、幸運な出来事だったと思っています。
■新作「タロットコレクション」に込められた暗示
今野さんを交えてのプロジェクトは、去年の暮れから始まりました。その中で、ファーストコレクションとして皆さんの前に登場したのが、この「タロットコレクション」です。まずはTシャツなどの軽衣料からリリースを始めて、8～10月にかけて、どんどん商品が投下されていきます。
作業手順としては、コンセプトと基本グラフィックの打ち出しをKAWSが行い、それを元にして今野さんがインスピレーションをまとめていく、そんな形です。
KAWSと今野さんは、イーブンな関係で物を作っているようで、その様子は、見ている僕にとっても非常にエキサイティングですね。
KAWSが"タロット"というモチーフを選んだのにはきっと、これからOriginalFakeがアパレルの世界で、どんな審判を下されていくのかという意味が暗示されているのではないか、私はそう思っています。
→次回の「OriginalFake（3）」では、新プロジェクト、今後の展望などを語っていただきます。お楽しみに！
[OriginalFake]
住所 | 東京都南青山5-3-25 OhビルB1F
TEL | 03-3499-3333
URL | http://www.original-fake.com