329種類の日本酒を2日間にわたってブラインドテイスティング！

気がつけばあっという間に2011年。昨年もたくさんのステキな日本酒を通じての出会いがありました。今日は、「きき酒師チズコ ハワイできき酒！」という貴重な体験のお話です。

以前にお伝えした、毎年秋に開催されている「Joy of Sake」(以下、JOS）という全米では最大規模の日本酒イベント。こちらに出品される300を超えるお酒は、全米日本酒歓評会という日本を代表する醸造界のプロ5名と、全米で活躍している日本酒ソムリエ5名の審査員によって審査されます。「鑑評会」じゃなくて、「“歓”評会」というところがこの審査会のユニークなところで、実際にアメリカで一般の飲み手に接している酒ソムリエの目線からも審査に参加できるというのが大きな特徴です。

このたび、光栄なことに、私、東海岸代表の審査員のひとりとして参加させていただきました！　とくに、昨年のJOSは、第10回目という記念すべき年であり、主催者の国際酒会の皆さんも大変感慨深いものがあったようです。それにしても、審査員の顔ぶれは本当に豪華で、日本酒ファンとしては夢の共演なのです！　それがまたアロハなハワイ、というところがますます夢のような話で──いま、この記事を書きながら回想しても、あれは夢だったんじゃないかな？　と思うほどです。

日本酒イベント「Joy of Sake Honolulu」の様子

日本酒イベント「Joy of Sake Honolulu」の様子

2010年の審査は、ハワイコンベンションセンターにて、合計329種類を2日間にわたってブラインドテイスティング。大変な緊張を強いられましたが、この大量のきき酒にはまいりましたね。醸造のプロのきき酒のスピードの早いことといったら……。1種類につき、きき酒と審査の書き込み合わせても10秒かかってない。どんどん置いていかれる私。

もちろん、制限時間もあることなので、私は彼らとはちがうのだ、となかば開きなおり、自分のペースでやらせてもらうことに。そのうち、15種類くらいきき酒していると、ある一定のリズムが見えてくる。香り、最初のアタック、口にふくんだ感じ、鼻から抜けていく残り香と味の消え方……。ちなみに、審査のときはほんの少し口にふくみ、「吐器（はき）」と呼ばれるものに吐き捨てます。それでも最後にはフワ～っと酔うものなのですが。

じつは以前、岩手県の「南部美人」さんからの推薦で、岩手県新酒鑑評会のオブザーバー審査員をさせていただいたことがあり、あの経験があったおかげで、今回パニックにならなくてすんだのかも。

そんなこんなで、緊張緊張のなかでのきき酒師チズコ初オフィシャル審査員体験でしたが、まわりの大先生たちのおかげで本当にステキな経験をさせていただきました！
http://www.joyofsake.jp/usnj.html

きき酒している私

審査員の面々

この2日間の審査が終わったら、あとは待ちに待った「Joy of Sake Honolulu」です！　美しいホノルル美術館(Honolulu Academy of Arts)を会場に、私たちが審査したお酒たちが、金賞銀賞のサインとともに国際酒会のスタッフのみなさんの手によりずらりと勢揃い。

開会式では、審査員の紹介と幕開けの鏡開きがおこなわれ、ハワイ在住の有志の方たちのすばらしい琉球の舞と太鼓でテンションもマックス！　西海岸代表の酒ソムリエ ジェシカ フルイさんとともに手を取りあって感動の涙でした！

会場では、JOSオリジナルのロゴ入りお猪口（ちょこ）が用意されていましたが、私は自分で企画した「MYお猪口」を持参。小ぶりなきき猪口で専用の巾着バッグ付き。手首にかければ不要なときに入れて両手も使えます。（とくにスタンディングでお料理食べるときに重宝！）。

ハワイを代表するたくさんの人気レストランの料理ブースも充実していて、会場内を歩いているだけで、トロピカルなハワイの雰囲気と日本酒の見事なマッチングに感動しきり。しかも、会場にはたくさんの人気蔵元も日本から駆けつけていて、日本酒ファンにとってはまさに夢の世界でした！（野球にたとえたらメジャーリーガーたちとお酒を楽しんでる感じかな？）

今まで、ニューヨークのJOSしか体験していなかったのですが、ハワイはまたひと味もふた味もちがう！　アロハでマハロなハワイでのきき酒。これは一生の思い出になる貴重な体験でした！　日本人が大好きなハワイ。ビーチやショッピングはもちろんですが、ぜひ今年は「Joy of Sake Honolulu」と絡めて出かけてみては？　あ～、また行きたい!!　マハロ～!!

SAKE DISCOVERIES
http://www.sakediscoveries.com/