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Secrets behind the Success｜連載第6回 「USM」代表取締役 アレクサンダー・シェアラーさん ギャラリー

「USM」代表取締役 アレクサンダー・シェアラーさん
今年、5周年を迎えた丸の内のUSM直営ショールーム。それを記念したアニバーサリープログラム「USMカラールネッサンス」を、3月から展開している
「USMカラールネッサンス」の第1弾として、家具前面のパネルに、ベージュとピュアホワイトの2色をセレクトし、市松に組み合わせることで、春の穏やかな光を表現したインスタレーション。ディレクションを手がけたのは、日本人の美意識を、現代のプロダクトに反映する「丸若屋」だ
基本的なパーツはボール、チューブ、パネルという、わずか3つのUSMモジュラーファニチャー
6方向に接合用ホールを設けた点（＝ボール）に線（＝チューブ）を連結、面（＝パネル）を嵌めて立方体を作る。それらを組み合わせていけば無限のバリエーションが生まれるという斬新な発想のシステム家具だ
丸の内のUSMショールームでは、今年のミラノサローネで発表するインスタレーションの一部を、いち早く紹介している。アート作品と組み合わせ、USM最大の魅力である汎用性を表現。手がけたのは、スイスのデザイン事務所「アトリエ・オイ」
「非常に少ない基本構造からなっている。それが私たちの強みであり、成功したひとつの大きな要因。だからこそ、誕生のころから何も変えずに半世紀近くもつづけられたのだと思います」
「変わっていないとはいえ、目に見えない技術的な部分、たとえばドアの開閉部に使うヒンジのようなパーツは、もちろん少しずつ改良を加えています。製品の鮮度を保つという意味でも改良は大切ですし、生産工程の改善も今日の企業としては当然、必要なことだと考えています」
組み合わせ次第で、どんな家具にも変容するUSMモジュラーファニチャー。丸の内のUSMショールームでは、その変容ぶりを間近に見ることができる。写真はUSMハラーを本棚に見立てたもの
日本での一番の売れ筋は、テレビ台だという。家具の大きさを自由自在に調整できるため、限られたスペースにもぴったりのサイズで作ることが可能だ
テレビ台に次いで人気なのが収納棚だ
アレクサンダーさんはシェアラー家の4代目。USMはこれまで、シェアラー家が代々営むファミリー企業として歴史を積み重ねてきた。シェアラー家が培ってきた精神は連綿と受け継がれている
「私たちが新しい従業員を雇うときは、ただの従業員としてではなく、新しい家族を迎え入れる心持ちで雇うんです。一緒に仕事をするなかで、彼らは実際にどんどん“ファミリー”の一員になっていきます。もちろん良い意味で、ですよ。マフィアのような意味ではなく（笑）。それは会社にもプラスに働いています。家族のためなら、ということで、みんなとても熱心に仕事に取り組んでくれる」
アレクサンダーさんの休息に欠かせない趣味は、セーリング。スイスの湖で子どものころから慣れ親しんできたという。「海はいいですよ。オープンですし、街にいるときとちがって自由な感覚も味わえる」
製品を世界で展開する企業のトップとして、海外に出向く機会も多いアレクサンダーさん。そんな彼だから、お気に入りのレストランもワールドワイドだ。「日本で楽しみにしているのはなんといっても日本食。日本食が大好きなんです。特に寿司」
ニューヨークにあるお気に入りのレストラン、「フォーシーズンズ・レストラン」 Photograph by Jennifer Calais Smith
「フォーシーズンズ・レストラン」<br /> 99 East 52 Street New York, New York 10022 <br /> Tel. +1-212-754-9494<br/> http://fourseasonsrestaurant.com<br /> Photograph by Jennifer Calais Smith
日本での定宿は「ホテルオークラ」
「ホテルオークラ」<br /> 東京都港区虎ノ門2-10-4<br /> Tel. 03-3582-0111<br /> http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/
「ホテルオークラといえば、確か、フォーシーズンズ・レストランとほぼおなじころに建てられたはず。それだけに、どちらもおなじモダニズム・デザインの印象を強く受けています。もちろん、オークラには日本的な解釈が多分に加えられていますが」
ホテルのなかにある寿司屋「久兵衛」もよく訪れているお気に入りのレストランだ
愛する仕事を忘れてひととき、ホッとする場面で、いつも隣にいるのは愛犬のジャックだ。「煮詰まったりすると、どこかに散歩に出かけて気分を紛らわせることが多いので、どこにでも付いてきたがるジャックは、いつも一緒。よく山へ散歩に出かけています」
「愛犬ジャックといるときに吸うのが葉巻で、わたしがボールを投げ、彼がそれを取りにいっている間に、吸って待っている（笑）。デイリーで吸っているのは『パルタガス』セリーです」
セーリングの様子を写した画像をタブレット端末で見せながら目を細めるアレクサンダーさん。促されるままに、彼が指差す船の帆の部分をよく見てみると、そこにはUSMの心臓部であるボールがシンボルマークとして描かれていた
「穴の空いた、ただのボールなんですけどね（笑）。実物も、こうして持ち歩いています。これがわたしのラッキーアイテム。これがなければ、こうして日本に来ることも、世界のほかの国に旅することもできなかった。そうしたことを可能にしてくれた、幸運の女神だと思っています」
お気に入りのホテルを尋ねたところ「オムニア」という答えが返ってきた
「オムニア」。スイス・ヴァレー州のマッターホルン山麓ツェルマットに建つここは、USMが所有するホテルだ
「オムニア」。ニューヨークを拠点とする建築家、アリ・テイヤーさんがデザインを手がけた。コンセプトは“現代の小屋”
「オムニア」<br /> Auf dem Fels, Zermatt 3920, Switzerland<br /> Tel. +41-27-966-71-71<br /> https://www.the-omnia.com/&#8206;
USMの使命として、常にハイクオリティな製品を生産し、ブランドとして一歩ずつ進歩していきたいと語ったアレクサンダーさん。今日もラッキーアイテムであるボールとともに世界を行く
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