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2016年5月18日

日本のビスポークシューズのいま｜REGAL ギャラリー

リーガルのビスポークは、基本的にどんなデザインでもオーダーが可能だ。カーフやスエードなどのベーシックな素材のカラーも豊富に揃い、クロコダイルやリザードなど希少なエキゾチックレザーも選択することができる。
オリジナルのデザインはもちろん、リーガルの既成モデルやサンプルモデルも自分に合わせてオーダーできる。オーダーサロンには米国リーガルブランドの歴史的なアーカイブから着想したサンプルも揃っており、米国靴らしいラウンドトゥの新作ウイングチップもそのひとつだ。
カジュアル感のある外羽根のプレーントゥも、アメリカンテイスト薫る新しいビスポークサンプル。こうしたリーガルらしさを打ち出したサンプル提案は定期的に行われており、カタログにもまとめられているので、注文したい靴のイメージが固まっていないときなどに役立つ。
オーダー初心者にお勧めなのが「ビルト トゥ オーダー」システム。いわゆるパターンオーダーだが、デザインやトゥシェイプ、甲革、ソール＆ヒールなど選択肢が幅広く、好みの一足を手に入れられる。こうしたステップアップできるシステムが揃うのもリーガルの魅力だ。
見本帳で選べる豊富なレザーに加え、メダリオン（トゥの穴飾り）などのサンプルもかなり充実しているビスポーク。仮縫いと呼ばれる縫製サンプルで一度合わせられるため、アッパーデザインの修正やフィッティングの微調整なども行なえ、約半年後に理想の一足が完成する。
リーガルではビスポークの他に2つのオーダーシステムを用意。「工房九分仕立て」はサンプルからデザインや革を選び、工程の9割をビスポーク同様のハンドワークで、1割の底付けのみ機械縫いで行う。ビスポークに匹敵する履き心地やフィッティングをより手軽に体感できるのだ。
ビスポークアトリエでの作業風景。ブローギングと呼ばれる穴飾りは、ひとつひとつ手打ちで施される。手作業なので打つ位置やバランスなどを微調整でき、完成度が高められる。プレスで一気に型打ちする既製品では難しい、ミリ単位のこだわりまで表現できるというわけだ。
アッパーは専用ミシンを用い、一針一針ていねいに縫い合わせられる。羽根部分の強度を高めるカンヌキなどは、手で糸を編み込みながら縫うなど、各所に合った縫製を行う。なお、裁断や穴飾り、アッパー縫製などは繊細な作業を得意とする女性の靴職人がおもに担当している。
木型に縫い上がったアッパーをかぶせて固定する、釣り込みという作業。靴を立体的に仕上げるための重要な工程だ。既製靴の場合は機械を用い、均一な力で引っ張って固定するが、ビスポークでは随所で力を加減しながら固定するため、より美しく立体的なフォルムに仕上がる。
アッパーと靴底を接合する底付けは、紳士靴の命ともいえる工程で、履き心地や耐久性を大きく左右する。リーガルのビスポークではハンドソーンウェルテッドという最高峰の製法をおもに採用。松ヤニを塗った丈夫な麻糸を用い、細かなピッチでしっかりとすくい縫いしていく。
木型の削り出しもビスポークアトリエにて職人が行う。オーダーサロンでの採寸も、また仮縫い後の木型修正もすべて同じ職人が手掛けるため、一人ひとりの足に合った木型を仕上げることが可能であり、ひいては抜群のフィッティングを備えたビスポークシューズを追求できる。
リーガル本社屋のビスポークアトリエには、ビスポーク用のレザー素材が豊富にストックされている。既製靴ではなかなか使用できない希少で高価なレザーも揃っているが、どうしても好みのレザーが見つからない場合などは、注文主のためだけに探してくれることもあるそうだ。
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