MaxMara|モスクワ発! マックスマーラ創設60年を記念した大回顧展
FASHION / WOMEN
2015年5月20日

MaxMara|モスクワ発! マックスマーラ創設60年を記念した大回顧展

MaxMara|マックスマーラ

コートでたどるファッション史

マックスマーラ創設60年を記念した大回顧展

5年前に日本でも開催され話題だった、マックスマーラの「Coats! MaxMara,60 Years of Italian Fashion」展の最終開催地はロシア・モスクワ。マックスマーラ創設60年を記念して、あらたなアート作品や特別限定のアイテムなど盛りだくさんだ。

文=高山裕美子

開催地ロシアにちなんだ、新作やアイテムから目が離せない!

マックスマーラグループの歴史をたどる「Coats! MaxMara,60 Years of Italian Fashion」展。マックスマーラの代名詞である、コートの形やシルエットの変遷を中心に、イタリアファッションの歴史をたどったこの回顧展は、2006年11月のベルリン「カルトルフォーラム」、2007年東京「六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリー」、2008年中国「国立美術館」での開催に引きつづき、マックスマーラ創設60周年を記念したスペシャルな新作を揃え、現在、モスクワの「ロシア国立歴史博物館」にて開催中だ。

1950年代以降に制作された、希少価値のあるコート70点にくわえ、マックスマーラ アーカイヴからはデザインスケッチや写真が数多く出展。展示物には伝説となった“101801”キャメルカラーコート、トレンチコート、そして女帝エカテリーナが愛したといわれるファーエッジのハーフコート、さらにはエマニュエル・カーンやカール・ラガーフェルド、ドルチェ&ガッバーナ、ナルシソ・ロドリゲスなどといった、マックスマーラ歴代のデザイナーが手がけたコートが一堂に会する。

ブランドの歴史を分野ごとにフィーチャー

展示は歴史や文化などがテーマ別に分けられ、それぞれのエリアが重なりながら時系列によってレイアウト。ブランド創設にかんして、出版部門の構築、クリエイティビティ、フォトグラフィー、そしてインダストリアル プロダクション。展示物を眺めながら時代とともに進化をつづけるマックスマーラを五感で感じとれるような構成になっている。

フォトグラフィーセクションにはサラ・ムーン、パオロ・ロベルシ、アーサー・エルゴート、アルバート・ワトソン、ピーター・リンドバーグ、スティーブン・マイゼル、リチャード・アヴェドン、クレイグ・マクディーン、イネス・ヴァン・ラムズウィールド&ヴィノード・マタディンなど、世界的な有名フォトグラファーによって撮影された広告キャンペーンにくわえ、マックスマーラグループのアーカイヴよりデザイナーのサイン入りデザインスケッチの数かずが展示される。

アートセクションでは、ウィリアム・ウェグマンや、やなぎ みわほか、コンテンポラリーアーティストによるインスタレーションやアートワークを展示。注目はサンクトペテルブルグ出身のヴァレリー・カツバによる新作のフォトシリーズ“ALBATROSS (When memories are awoken by birds) ”。マックスマーラの依頼により、今回の回顧展のために特別に制作されたカツバのあたらしい作品は、チュチュとマックスマーラのコートを身に纏ったボリショイバレエ団のダンサーが繰り広げる夢のような世界を表現。ダンサーの完璧な身体、優雅な動きやまなざし、光と影のコントラスト、複雑な感情、孤立感や郷愁が大いなるロシアのイメージを呼び起こし、まるでトルストイ作『戦争と平和』のナターシャ・ロストフや、ボリス・パステル・ナーク作『ドクトル・ジバゴ』のラリッサ・フェオドロヴナ、そしてアンナ・カレーニナのような、ロシア文学に描かれたヒロインたちを思い起こさせる。

“101801”ダブルブレストコートを纏ったマギー・ライザーがマトリョーシュカに!?

また、開催地がロシアということもあって、特別限定版「マトリョーシュカ」が登場。このマトリョーシュカには、1998年秋冬シーズンのマックスマーラ広告キャンペーン用にリチャード・アヴェドンが撮影したマギー・ライザーが描かれている。その人形にペイントされた女性が纏うのは、なんと“101801”ダブルブレストコート。1981年にはじめて制作されたこのコートは、発表後、瞬く間にベストセラーとなり、それ以来冬のコレクションに欠かさず登場するモデルだ。

そして今回、回顧展に合わせて、「アンナ アニバーサリー コート」が発売。アンナ・カレーニナに敬意を表したこのコートは、ロシアで大切にされてきた永遠の女性らしさ、エレガンスの伝統、歴代のロシア皇帝から依頼を受けてファベルジェによって制作されたファインジュエリーの傑作などからもインスパイアされている。

ブークレ素材でつくられたラインコートにドレスがコーディネートされ、それは、ロシア皇帝に献上されたエレガントなジュエリーが放つ洗練されたシックさ、そして意表をつく「サプライジング(surprising)」と呼ばれる独自のスタイルを継承している。限定品として今年の秋にモスクワのマックスマーラ ショップで販売されるのみならず、全世界の限られたマックスマーラ ショップでも販売予定だ。

アンナ アニバーサリー コート

マトリョーシュカ

MaxMara|マックスマーラ 05

さらに、マックスマーラはロシア国立歴史博物館への感謝のしるしとして、同博物館の一部でおなじ赤の広場に位置するポクロフスキー大聖堂の復元作業に寄付することを決定。
イタリアを代表するファッションブランドのアーカイヴをさまざまな角度から堪能できる、類いまれな展覧会「Coats! MaxMara, 60 Years of Italian Fashion」は、2012年1月10日まで開催予定だ。

Coats! MaxMara,60 Years of Italian Fashion
会期|~2012年1月10日
モスクワ国立歴史博物館
http://www.shm.ru/

マックスマーラ ジャパン
Tel. 03-5467-3700

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