メモリアルイヤーならではの商品も展示

カッシーナ・イクスシー青山本店でおこなわれたプレス向けプレビューでは、Cassina S.p.A.より、「LC50」の企画・VMD（ヴィジュアルマーチャンダイズ）・歴史的解釈など全般のリーダー的役割を果たしているアーカイヴス担当のバーバラ・レーマン（Barbara Lehman）さんが来日し、「LC50」プロジェクトの展示内容や、歴史的経緯を解説した。

「今年はル・コルビュジエ没後50年、カッシーナ社がLCコレクションを復刻生産して50年目にあたります。機械化と工業生産のエスプリを表現するモダニズムなったLCコレクションは、1925年、イタリア・ボローニャにあるエスプリ・ヌーヴォー館での発表にはじまります。当時、フォルムと機能を融合させた家具が住居で使われたことが画期的でした」とバーバラさん。

作者の意志に沿う環境負荷への取り組みも開始

さらに、「1927年からル・コルビュジエと共同でデザインを担い、家具の生産にかかわってきたシャルロット・ペリアンは1999年に亡くなるまで、娘である後継者のペルネット・ペリアンとともに、1965年にカッシーナ社で復刻生産をスタートして以来、素材のアップデートや細部の製造技術革新につねにかかわってきました」と続ける。

また、バーバラさんは「カッシーナ社では、復刻生産において高い品質を守りながら、いかにオリジナルに忠実に製造するかに挑んでいます。さらに、腐食防止と仕上げの美しさのために使われている毒性が強い六価クロムから、毒性が少なく廃棄物による環境へのダメージが少ない三価クロムに変更。革のなめし工程で有毒な薬品を使用しないオーガニックレザーや、環境に優しいWATERBORNファブリックをあらたに採用するなど、現在は環境負荷の基準に即した認証を含めたIDカードや“eco-friendly”のカードを商品に付けています」と語った。

ラ・ロッシュ邸 建造90周年の特別仕様モデル

特別展示「LC50」開催にさいして90台限定（日本には5点入荷）で生産された「LC2 Maison La Roche」（LC2 ラ・ロッシュ邸仕様）は、1928 年にデザインされ、ル・コルビュジエの友人であったスイスの銀行家ラウル・ラ・ロッシュ（Raoul La Roche）氏の邸宅用の家具として採用されたもの。

ル・コルビュジエがピエール・ジャンヌレとともにデザインしたモダン建築のラ・ロッシュ邸は、ピカソ、ブラック、レジェなどの作品を含むラ・ロッシュ氏のアートコレクションを美しく飾るために構想されたもので、現在はミュージアムとして一般公開されている。

「LC2 メゾン ラ・ロッシュ」は、アームチェアの最初のプロトタイプのひとつで、標準仕様のLC2に比べて、クッションのやわらかさを強調した素材のコントラストに大きな違いがあらわれている。ブラウンフレームにタバコ色のソフトレザー、非常にやわらかな外見はすべてフェザーを使用した中材によるものだという。この特別仕様モデルには、リミテッドエディションのナンバー、シリアルナンバー、作者らのサインと“Cassina I MAESTRI”（カッシーナ イ・マエストリ）のロゴが刻まれている。

「LCコレクション」復刻50周年記念 特別展示「LC50」開催期間
カッシーナ・イクスシー青山本店
東京都港区南青山2-12-14　ユニマット青山ビル1F～3F
開催期間｜2015年6月14日（日）まで

カッシーナ・イクスシー福岡店
福岡市中央区渡辺通4-8-28 FT スカラビル１F
開催期間｜6月9日（火）まで

カッシーナ・イクスシー大阪店
大阪市中央区南船場4-2-4　日本生命御堂筋ビル1、2F
開催期間｜6月18日（木）～ 7月14日（火）

カッシーナ・イクスシー名古屋店
名古屋市中区栄5-215 2F（1F・ザ・コンランショップ）
開催期間｜6月18日（木）～ 7月14日（火）

「LC50」特設サイト
http://www.cassina-ixc.jp/lc50/index.html