【SHELTERBANKインタビュー】ヘドラの解剖図を異なる素材を組み合わせて立体化した芸術作品 | MEDICOM TOY
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2025年6月11日

【SHELTERBANKインタビュー】ヘドラの解剖図を異なる素材を組み合わせて立体化した芸術作品 | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

SHELTERBANK ヘドラ 完全解剖図解(3期)

朝日ソノラマの『怪獣画報 ゴジラ対ヘドラ』内にある解剖図からインスパイアされた人気シリーズ、「SHELTERBANK ヘドラ 完全解剖図解(3期)」の発売が決定! SHELTERBANKをひとりで手がけるYow氏に、これまでの軌跡と作品に対する思いを語ってもらった。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

70年代の公害がテーマである事とサイケデリックな雰囲気が好きです

1971年公開の映画「ゴジラ対ヘドラ」に登場した怪獣ヘドラの解剖図を、フェイクファーやプラッシュなど異なる素材を組み合わせて立体化したアートフィギュアが登場する。製作したのは名古屋・大須を拠点に作品を発表し、世界中のファンから注目を集めているSHELTERBANK。企画・原型・彩色を一人で手がけるYow氏にフィギュア製作を始めたきっかけ、メディコム・トイとの出会い、そしてヘドラへの思いについてうかがった。
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SHELTERBANK/Yow
フィギュア好きが高じて大学時代にカスタムフィギュアの製作をはじめる。2003年、名古屋・大須に「SHELTERBANK」をオープン。2017年頃、作品制作の為、店舗からアトリエへ。1978年生まれ、名古屋市出身。
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──Yowさんが最初にアメリカン・トイに興味を持ったきっかけは何でしたか。
Yow 小学生の頃にTVで見ていた映画やアニメです。「STAR WARS」や「GREMLINS」など、当時はストーリーを理解していなくても、キャラクターのビジュアルに惹かれていました。そのキャラクターたちをTOY SHOPで見かけたのが始まりです。
──ご自身でフィギュア製作を始めたきっかけと初期の作品について教えてください。
Yow 1998年頃の活動最初期はGI JOEやSPAWNをカスタムして大須のショップ「SPANKY」さんで委託販売をさせていただき、売れたお金でまたフィギュアを買うを繰り返してました。
2003年にお店をオープンしてからも定期的にソフビやレジンなどの造形物を作っていましたが、本格的に始めたのは2014年頃です。アメリカで’80年代に発売された「GIGGLES EYES MONSTER」や「MY PET MONSTER」のおもちゃを見ていて、手が自由に動かせて、自立出来るPLUSH DOLLがあったら良いと思い、小さな「CAMEON KEMO MANG」を作りました。フェイクファーを使った作品の始まりです。
──これまでのSHELTERBANKの作品からは、’60年代の「Rat Fink」「Weird-Ohs」、’80年代の「MADBALLS」「MY PET MONSTER」など、知る人ぞ知るアメリカン・カルチャーへの並々ならぬ愛情が感じられます。どのように出会い、それらを現代風に再構築していったのでしょうか。
Yow 子供の頃から恐竜や怪獣、お化けやモンスターのおもちゃが好きで、怖くて気持ち悪いおもちゃのことをどこか、かっこよくてかわいく感じていました。
そのまま20代に突入するとおもちゃのコレクションが始まり、気づいたら自分の好きなカルチャーを深く掘っていました。
現代風に再構築している感覚はないのですが、古いおもちゃに足り無いものを新しく作ろうと思っています。
──メディコム・トイとは2017年の「FANG」で初めてコラボレーションされ、その後もVAGシリーズ「VONGO」「AHOY」などのアイテムが展開されています。「FANG」の発売時は「新たな才能は名古屋から現れた! 全世界デビュー!」というキャッチコピー通り世界中のトイファンに衝撃を与えましたが、どのような出会いでしたか。
Yow ワンフェスで作品を知って頂き、後日お打ち合わせしたのが始まりです。
若いころからもちろん知っている会社なので緊張しましたが、おもちゃに関連するビジネスの話から、アート、そして今後の話へと、とても有意義で面白く、あっという間の2、3時間だったと思います。
2017年に発売された「FANG」
©️ SHELTERBANK
──「FANG」は頭部がウレタン樹脂、胴体部がファブリックという異素材を組み合わせたものでした。異素材の組み合わせは、その後もSHELTERBANKの意匠になっていますが、きっかけや製作過程の面白さ、大変さについて教えてください。
Yow きっかけは、自分の知識の中で作りたいモノを作った結果、異素材の組み合わせになった感じです。例えばミシンが使える、原型が作れる、複製ができると、頭に描いたキャラクターが作れるようになり、そのキャラクターを立たせたいし、ぶら下がっても固定できるように手足は固いレジンにするみたいな感じです。
制作過程に面白さは、最初の一体、新しい素材を見つけて取り入れたとき、新しい道具を買ったときは楽しいです。あと原型制作も好きです。
大変さは、工程が多いので、場所と時間が掛かる事です。
──「SHELTERBANK ヘドラ 完全解剖図解」は2022年10月に開催された「AKASHIC RECORDS 3 ~ from Illuminati ~」にて世界初披露されました。製作時のエピソードや完成品をご覧になった手応え、当時の反響についてお聞かせください。
Yow ライセンスを申請する際に、赤司さん(メディコム・トイ社長)に相談して、企画書を提出して実現しました。完成した時はとてもいい物ができたと思いました。
反響は同業の方のお褒めのお言葉を頂いたり、後日、応募数のご連絡を頂いた時にありがたいと思いました。
2022年に発売された「SHELTERBANK ヘドラ 完全解剖図解」
TM & ©️ TOHO CO., LTD. 
©️ SHELTERBANK
──SHELTERBANKでは以前からオリジナルのヘドラを製作されています。Yowさんのヘドラに対する思い、版権ものを扱うにあたっての苦労、最初に作ったもの、思い入れのあるものなど関連エピソードについてお聞かせください。
Yow ヘドラは好きですね。70年代の公害がテーマである事とサイケデリックな雰囲気も好きです。とくに今回のシリーズの元になるビジュアル、朝日ソノラマの『怪獣画報 ゴジラ対ヘドラ』内にある解剖図がカラフルで好きです。
版権ものを扱うにあたっての苦労は、版権によると思いますが、東宝様はオリジナリティに寛容でしたので苦労はありませんでした。最初に作ったのはヘドラの陶器です。釉薬がドロッとしたヘドラのイメージと合うと思い作りました。
思い入れのあるものは、たくさんありますが今回のシリーズ、「SHELTERBANK ヘドラ 完全解剖図解」がやはり思いれがあります。
──今回発売される「SHELTERBANK ヘドラ 完全解剖図解(3期)」で初めてSHELTERBANKの名前を知る方もいらっしゃると思います。最後に、ファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。
Yow いろいろと面白いものを幅広く作っていこうと思いますので、今後とも宜しくお願いいたします。
SHELTERBANK ヘドラ 完全解剖図解 (3期)
サイズ|全高約500mm
販売方法|MEDICOM TOY NEXTにて抽選販売
発売日|2025年6月発売予定
価格|22万円(税込)
※監修中のサンプルを撮影しております。発売商品とは一部異なる場合がございます。
※発売日・抽選応募方法はメディコム・トイ オフィシャルブログをご覧ください。
TM & ©️ TOHO CO., LTD. 
©️ SHELTERBANK
問い合わせ先

メディコム・トイ ユーザーサポート
Tel.03-3460-7555

                      
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