【松山智一インタビュー】大規模個展「松山智一展 FIRST LAST」会場にてBE@RBRICKを先行販売 | MEDICOM TOY
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2025年3月7日

【松山智一インタビュー】大規模個展「松山智一展 FIRST LAST」会場にてBE@RBRICKを先行販売 | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

BE@RBRICK TOMOKAZU MATSUYAMA 100% & 400%

2025年3月8日(土)~ 5月11日(日)にて、ニューヨークを拠点にグローバルな活躍を見せるアーティスト・松山智一の東京初となる大規模個展「松山智一展 FIRST LAST」が、麻布台ヒルズ ギャラリーにて開催される。会場では「BE@RBRICK TOMOKAZU MATSUYAMA 100% & 400%」も先行販売。これを記念して松山氏に本個展のテーマ、タイトル「FIRST LAST」に込めた思い、BE@RBRICKの感想について聞いた。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

BE@RBRICKは東京から発信するグローバルな言語として唯一無二のもの

──西洋と東洋、過去と現在、両極にあるものを掛け合わせて再構築する松山さんの作風は世界的に支持されています。制作に際しては、どのようなことを心がけていますか。
松山 「カルチャー」という言葉と「文化」という言葉は一見同じに聞こえますが、そこには乖離している何かがあると思います。文化はより普遍的で、時代のふるいに残ったもの。カルチャーというのはまさしく現在起こってることだと思っていて、そこを繋ぐことが自分の制作の原動力になっています。
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松山 智一|まつやま ともかず
現代美術家。1976年岐阜県生まれ、ブルックリン在住。絵画を中心に、彫刻やインスタレーションを発表。アジアとヨーロッパ、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素を有機的に結びつけて再構築し、異文化間での自身の経験や情報化の中で移ろう現代社会の姿を反映した作品を制作する。バワリーミューラルでの壁画制作(ニューヨーク/米国、2019年)や、《花尾》(新宿東口駅前広場、東京、2020年)、《Wheels of Fortune》(「神宮の社芸術祝祭」明治神宮、東京、2020年)など、大規模なパブリックアートプロジェクトも手がけている。
近年の主な展覧会に、「Mythologiques」(ヴェネツィア/2024年)、「松山智一展:雪月花のとき」(弘前れんが倉庫美術館/2023年)「MATSUYAMA Tomokazu: Fictional Landscape」(上海宝龍美術館/2023年)がある。2025年2月までパリのルイ・ヴィトン財団でも作品を発表していた。
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──TBS『情熱大陸』出演、巨大な壁画「バワリーミューラル」、ゆずのアルバム『PEOPLE』ジャケットなど、松山さんの活動をたくさんの人々に知ってもらう機会はこれまでも何度もあったと思います。その中で特に印象的な作品について教えてください。
松山 2020年のパブリック・アート「花尾」(英語表記:Hanao―san)です。JR新宿東口駅前広場に巨大なモニュメントを作るだけではなく、広場設計から人の導線を作るという大きなプロジェクトに携わりました。
新宿駅は世界で一番の乗降者数を誇り、一日350万人の人が使用しています。そうした場所で文化の一番の仕事は動線を作ること。人がそこを動き、文化を作るという動線を作れるという大きな仕事を、世界で一番まして日本のアイコニックな駅でできるプロジェクトは自分にとってもやりがいもありました。また、大企業、ゼネコン、行政まで多くの関係者とともに作品を作れたことは、非常に忘れがたい経験になりました。
JR新宿東口駅前広場のパブリック・アート「花尾」
──今回、麻布台ヒルズ ギャラリーで開催される「松山智一展 FIRST LAST」はどのような内容でしょうか。タイトル「FIRST LAST」に込めた思いについてもお聞かせください。
松山 今回は東京での初となる大規模個展で、キャリアのターニングポイントとなった横幅6mを超える絵画作品「We Met Thru Match.com」など日本初公開作品19点を含む約40点を展示します。そして、展覧会タイトルにもなった新シリーズ「First Last」を発表します。
英語で「最初で最後」を意味する本シリーズは、ようやく到達した東京での大規模個展開催までの長くとも短いような道のりを反映しています。
これは同時に、絶えない課題によって均衡が保たれるパラドキシカルな現代社会に向けたメッセージ「後の者が先になり、先の者が後になる」でもあります。アメリカ社会が抱える諸問題を起点に、自身の視点を通して世界を捉えなおし、芸術によって新たな共感を創り出すという試みです。
──開催に合わせて「BE@RBRICK TOMOKAZU MATSUYAMA 100% & 400%」が発売されます。これまでBE@RBRICKにはどのような印象をお持ちでしたか。
松山 15年前にもBE@RBRICKとコラボレーションして作品を作らせていただきました(2010年3月発売・国内限定300pcs「BE@RBRICK Tomokazu Matsuyama 100% & 400%」)。その時はトリプルネームという形で、「NIKE NSW」というナイキのハイエンドラインと連動し、一つのグラフィックでサンダルからコート、そしてBE@RBRICKも作りながら世界でリリースしたことは、今も鮮明な記憶として非常に印象的に残っています。
それ以降も、またオファーをいただく機会があったのですが、その場合はただBE@RBRICKを作るという行為ではなく、「一つの文化発信をする」「インパクトを作る」という延長線上で一緒に何か作りたいと思っていました。
BE@RBRICKというアイコンは、いろんな人々が持っている表現や言語を、あの造形に纏わせることによってカメレオンのように発信できる存在です。東京から発信するグローバルな言語として唯一無二のものだと思います。

展覧会で作品を見て、経験してもらったものを、さらに持って帰れる

──「BE@RBRICK TOMOKAZU MATSUYAMA 100% & 400%」の製作にまつわるエピソードについてお聞かせください。完成したBE@RBRICKをご覧になった感想もぜひお願いいたします。
松山 今回、商業施設の中で展覧会の開催が決まった時に、久しぶりコラボレーションして、何かより広く、発展的な発信の方法がメディコム・トイさんと一緒にできるんじゃないか。それは前回を超えるような何か。
今回、東京での初めての大きな個展というタイミングで、自分の作品をラッピングしたアイテムが生まれ、短期間での制作期間でしたがメディコム・トイさんと一緒に歩むことができました。
15年ぶりにメディコム・トイさんと仕事をすることになり、本社にうかがったところ、さまざまな技術が進歩していて、今までなかった表現方法や作品の転用方法があることを知りました。また、多くのアート作品を手掛けられていることもあって、いろいろと学ぶきっかけにもなりました。
今回、自分の作品のアプローチの仕方は、異なる様々な文化や時代の記号を引用しながら、アメリカという国をある意味象徴するとも言えるキリスト教を背景にしながらも、非常に色鮮やかで色彩のインパクトが強い作品になっています。
本展を象徴する作品をラッピングすることによって、展覧会で作品を見て、経験してもらったものを、さらに持って帰れることに意識し、非常に理想的なかたちの作品に仕上がったと感じています。
『Passage Immortalitas』(2024)
H267 x W470cm Acrylic and mixed media on canvas
──「FIRST LAST」会場でどんな体験ができるか楽しみにしております。最後に、今後の活動予定についてお聞かせください。
松山 1年半ほど前、青森の弘前れんが倉庫美術館で大きな展覧会があり、そして今回、東京での開催です。自分が生まれ育った故郷で大きな展覧会をできることは、自分にとって本当にホームカミングで特別な意味を持っています。
この先数年間は欧米圏の美術館での活動が続き、アメリカ、ヨーロッパの美術館での発表が活動の主軸になってくると思います。また今後も継続的に公共の場に作品を届けることも大切にしていくので、その辺も随時SNSで皆さんに共有できればと思っています。
BE@RBRICK TOMOKAZU MATSUYAMA 100% & 400%
サイズ|各全高約70mm/280mm
発売日|2025年3月8日(土)から5月11日(日)まで麻布台ヒルズ ギャラリー(麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階)にて行われる「松山智一展 FIRST LAST」にて先行発売。追ってメディコム・トイ直営各店舗等にて発売予定
価格|2万4200円(税込)
※数量限定となります。品切れの際はご容赦ください。
©️ TOMOKAZU MATSUYAMA All Rights Reserved
BE@RBRICK TM & ©️ 2001-2025 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
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松山智一展 FIRST LAST
開催期間|2025年3月8日(土)~ 5月11日(日)会期中無休
時間|10:00 〜 18:00 金曜日・土曜日・祝前日は10:00〜19:00
入場料|一般 2400円 / 大学生・専門学生・高校生 1900円 / 4歳〜中学生 1300円 / 4歳未満 無料
会場|麻布台ヒルズ ギャラリー(東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階)
https://www.tomokazu-matsuyama-firstlast.jp/
問い合わせ先

メディコム・トイ ユーザーサポート
Tel.03-3460-7555

                      
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