LIVING MOTIF｜リビング・モティーフ

LIVING MOTIF｜リビング・モティーフ
アートのある暮らしを一貫して提案

近年アートとデザインを中心にしたインテリジェンスある街に変わりつつある街・六本木。
そんな六本木に四半世紀以上も前に店を構え、よきデザインの系譜を選りすぐり展開している洗練されたショップを紹介。

写真と文＝加藤孝司

楽しく豊かな生活のための提案型のコーナーが充実

リビング・モティーフは1981年に設立されたアクシスの直営店舗としてオープンした、インテリアを中心にあつかうライフスタイルショップの先駆け的な存在だ。オープン当時から六本木といえばハイセンスな人々が集まるカルチャーの中心地。近年“六本木アートトライアングル”と呼ばれる3つの大型文化施設の開業・リニューアルが相次ぎ、現在六本木エリアは眠らない街という華やかなイメージから、かつての落ち着いた雰囲気をもった新たな文化の発信地へと変貌をとげつつある。

広々としたフロアには生活におけるさまざまなシ－ンをイメージしたコーナーがもうけられ、現代生活の多様化するライフスタイルに対応したクリエイティヴな提案を楽しみながらみることができる。キッチン＆ダイニングのコーナーでは世界中のキッチンツールを実際に手にしながら、食卓をいろどる最適なテーブルコーディネイトを選ぶことも可能だ。

日本の食卓にもすんなり馴染み、欠かすことのできないモダンな和のアイテムも充実している。なかでも漆をつかった工芸のアプローチからのクラフトに近い道具類は、長く使うことで味わいをます逸品ぞろい。アウトドアにも対応するインテリアの提案もリビング・モティーフならではの充実度といえるだろう。それらのアイテムをのんびりと眺めているだけで、都会のせわしない生活のなかでもゆっくりとした時間を過ごしてほしい、そんな心づかいが感じられてくる。

2階では旅をテーマにしたコーナーやホームオフィス、ベッドルームといった生活に直結したインテリアコーディネイトなど、楽しく豊かな生活のための提案型のコーナーが充実している。そのどれもが実際に使うことをイメージしてディスプレイされており、すぐに暮らしに役立つアイデアにみちている。同じフロアにあるビジネス＆アクセサリー、ステーショナリーのコーナーでは、無機質になりがちなオフィス＆ワークスペースを創造力豊かに喚起するための機能的で遊び心のあるアイテムがそろう。クラフト感ある手づくりのゲームが並んだ一角は、子どもならずとも大人こそがわくわくするような知的な仕掛けが楽しい。地階のセレクトブックショップ「ビブリオファイル」では、デザイン専門書のほか、世界中のハイセンスなインテリアや建築関連の書籍がラウンジ感あふれる空間に集められている。

そんなリビング・モティーフでは、アートのある暮らしを一貫して提案している。アートは暮らしのスパイスにもやすらぎにもなる。日常のなにげない風景にある美しい景色を味わうように当たりまえにアートを楽しんでみてほしい。六本木という夜の賑わいをみせる眠らない街にあって、大人も子どももゆったりとした時間を上質なインテリアとともに楽しむことのできる、日常の豊かな生活のための暮らしのインスピレーションを与えてくれるショップだ。