2015年春より新型マスタング発売開始|Ford
Ford Mustang |フォード マスタング
2015年春より新型マスタング発売開始
フォード・ジャパンは、フルモデルチェンジした第6世代となる新型「マスタング」の受注を11月より開始すると発表した。当初導入されるのはマスタング誕生50周年を記念した「50 YEARS EDITION」で、350台の限定発売となる。デリバリーは2015年春からおこなわれ、さらにこの新型マスタングには、歴代モデル初となる右ハンドル仕様も導入予定だという。
Text by SAKURAI Kenichi
フォードを代表するアイコン
フォード「マスタング」は1964年4月17日に米国でデビュー以来、アメリカを代表するスペシャルティカーとして世界中のファンに愛され続けてきた唯一無二の存在だ。昨年は記念すべき誕生50周年を迎え、全世界でさまざまなバースデイイベントがおこなわれた。
日本では1994年(当時はフォード・セールス・ジャパン)からマスタングの正規輸入をスタートさせ、今年で輸入開始20年の歴史を持つモデルである。日本での累計販売台数は17,000台を超え、日本においてもフォードを代表するアイコンとして存在している。
昨年12月に登場した新型マスタングは、フォードの最新技術を余すことなく投入、50年に及ぶ歴史の中で、もっとも大きな進化を遂げたといわれるモデルだ。エクステリアデザインは、一目でマスタングと分かる伝統的な要素がふんだんに用いられアップデイトされている。
例えばシャークノーズと呼ばれる逆スラントデザインのフロントフェイスや、そこに収まる台形のグリルをはじめとするマッシブでスポーティなアピアランス、3つに分割されたテールライトのデザインなどもそれらのひとつ。誰もがマスタングだと理解できるシンボリックな要素を、現代的なアプローチでアレンジ。よりモダンで、力強い印象をもたらす。
ボディサイズは現行モデル(全長4,815×全幅1,880×全高1,415mm:日本仕様)との比較で、全長がマイナス25mm、全高がマイナス35mm、全幅は40mm拡大されている。ホイールベースは現行モデルの2,720mmと同一数値なので(北米仕様数値比)、よりワイドアンドローを強調するデザインとなったことが分かる。
水平基調でありながら、左右対称のデザインを採用するインテリアもまた、伝統に則ったもの。質感を大幅にグレードアップしたほか、フォード最新のドライバーコネクトテクノロジー、MyFord Touch(マイフォードタッチ)を採用。エアコンやオーディオ、ハンズフリー電話や車輌セッティングなど車内のさまざまな装備や情報を一元化し、スマートフォン感覚の直感的なタッチパネル操作や音声(英語音声操作機能)で、簡単にコントロールが可能だ。左右独立温度調整機能付きオートエアコンを装備するほか、さらにフロントシートには、シートヒーター&クーラーも装備している。
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パワーユニットは3タイプ
注目は、ダウンサイジングされたパワートレインだ。2.3リッターという小排気量ながら314psを発生するフォード最新の直列4気筒直噴ターボチャージャーユニット、「2.3L EcoBoost」エンジンが、本国の場合これまでの3.7リッターV6と5.0リッターV8のラインアップにくわわり、パワーユニットは計3タイプの中から選べるようになった。
日本にも導入される2.3L EcoBoostは、ラインナップ中もっとも小排気量ながら、最高出力231kW(314ps) / 5,500rpm、最大トルク434Nm (44.3kgm)/3,000rpmを発生。パワーでは223.6kW(304ps)を発生する3.7リッターV6の上を行き、モデルレンジではV6とV8の中間となる位置づけである。
ちなみにV6ユニットの日本導入は未公表だが、2.3L EcoBoostとともに日本導入が決定しているV8は、223.6kW(441PS)と圧倒的なパワーが健在である。トランスミッションは、全エンジンで6段AT(本国には6段MTも存在)が組み合わせられ、マニュアル感覚の変速が可能なパドルシフトも採用した。これまで通り6段MTモデルも限定車として、ゆくゆくは日本導入を期待したいところだ。
いっぽう足回りにはフロント、リアともに新開発のサスペンションシステムを採用。リアサスペンションは長年親しまれたリジットアクスルからついに独立懸架方式に改められ、優れた走行性能と快適性を高次元で両立させたという。ラゲッジスペースが拡大されたのも、このサスペンション形式の変更によるところが大きく、2ドアクーペとしては大容量となる382リットルのキャパシティを新型マスタングでは確保している。
パッシブセーフティでは、運転席および助手席のSRSフロントエアバッグのほか、側面衝突時に前席乗員の主に胸部を保護するSRSサイドエアバッグ、前後乗員の主に頭部を保護するSRSサイドカーテンエアバッグ、さらに前面衝突時に乗員の脚部を保護するSRSニーエアバッグを運転席だけでなく、助手席にも装備。合計8つのエアバッグを標準装備した。
この助手席ニーエアバックは、フォード初採用で、グローブボックスのふたが、エアバッグの役割を果たすよう設計されており、従来のニーエアバックより、小型化と軽量化が図られている。
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マスタングのあらたな魅力
こうしたハードの進化やあたらしい装備の投入だけではなく、現在市販車に実装可能な電子デバイスの惜しみない採用も、この新型マスタングにこれまで以上の魅力を添えている。
例えば件の2.3L EcoBoostを始めとするパワートレインには、4つのドライブモードを選択できる走行プログラムも盛り込まれている。これは、「Normal」「Sport+」「Snow/Wet」「Track」の各モードから選べ、それぞれのモードに応じてステアリングの重さやアクセルレスポンス、変速タイミング、アドバンストラックのプログラムを変更させ、走行シーンやシチュエーションに合わせ一層ドライビングを愉しむことが可能なシステムだ。
参考までに前述のアドバンストラックとは、すでに日本でリリースされているモデルにも導入されているフォード独自の車両安定化装置で、トラクションコントロール、ABS、ESCを統合制御することにより、さまざまな路面状況下でも、安全なドライビングを提供するシステム。
車輌の挙動を常時モニタリングし、センサーが感知したヨーレート、舵角、横Gなどの情報を統合、自車の走行状態を判断する。万が一スリップ状態に陥った場合には、システム自体がその危険を察知し、エンジンの出力や4輪それぞれのブレーキを自動でコントロールし、車輌の挙動を安定させるというものだ。
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マスタング史上初となる右ハンドル
日本仕様には専用チューニングのサスペンションと大型のブレーキローター&キャリパーを採用したほか、アドバンストラックのプログラムもよりスポーティな走行に対応したパフォーマンスパッケージを標準装備し、ハンドリングやブレーキ性能を強化。
さらに、路面の凹凸や進路が左右に振られる変化をモニターしながら、強い横風や路面のうねりなどによるステアリング操作をサポートする「ドリフト補正機能」や、ステアリングホイールの微小なブレや震動を感知してそれをシームレスに打ち消す制御をおこなう「アクティブニブルコントロール機能」付き電動パワーステアリングも装備した。
ユニークなところでは、車両に掛かるGフォース計測、高速ブレーキングのタイム計測、指定速度への到達タイム計測(0-60MPH加速など)や指定距離までのタイム計測(0-1/4マイルなど)といったマスタングのパフォーマンスをディスプレイに表示し視覚的に楽しむことができる「トラック・アップ」の装備があげられるだろう。
2015年春よりデリバリーを開始するのは、限定350台で日本に導入されるマスタング誕生50周年を記念した特別仕様車「50 YEARS EDITION」。2.3L EcoBoostエンジンを搭載した左ハンドル仕様で、エクステリア、インテリアに50周年記念エンブレムが配されるほか、フロントに50周年記念モデル専用のエンボス加工された本革スポーツシートや50周年記念モデル専用のアルミプレート、19インチホイールといった特別装備が施される。
2015年後半には、マスタング史上初となる右ハンドルを導入し、同時に5.0リッターV8エンジンと、コンバーチブルをラインナップに加える予定。アメリカンスポーツカーの新たな基準となる新型マスタングの日本登場に、いまから期待が高まる。
Ford Mustang 50 Years Edition|フォード マスタング 50 Years Edition
ボディサイズ|全長 4,790 × 全幅 1,920 × 全高 1,380 mm
ホイールベース|2,720 mm
トレッド 前/後|1,580 / 1,645 mm
重量|1,660 kg
エンジン|直列4気筒直噴ターボ
総排気量|2,260 cc
ボア×ストローク|87.5 × 94.0 mm
最高出力|231kW(314 ps)/ 5,500 rpm
最大トルク|434Nm(44.3 kgm)/ 3,000 rpm
トランスミッション|6段AT
駆動方式|FR
サスペンション 前/後|マクファーソンストラット/マルチリンク
ブレーキ 前/後|ベンチレーティッドディスク
価格|465万円(2015 年春より販売開始)
※11月1日より2015年2月1日まで、全国フォードディーラーで予約受付
※右ハンドル仕様の詳細については、2015年後半に発表予定
フォードお客様相談室