フリクションの低減技術などにより、さらに燃費が向上

トヨタ プリウスの対抗車種として、ホンダが満を持して2009年に市場に投入したハイブリッド車「インサイト」。今回、「More Efficient」「More Smart」というテーマのもと、エクステリアデザインの変更、内装のさらなる質感向上を図るとともに、細部を見なおすことで燃費性能を高めた新開発のハイブリッドシステムを採用するマイナーチェンジをおこなった。

まずパワートレインにかんして、1.3リッター i-VTECとIMA（インテグレーテッド・モーター・アシスト）という組みあわせに変更はないが、ピストンコーティングの変更などをはじめとするフリクションの低減技術やCVTの改良などを実施。

さらにバンパー形状の変更などによる空力性能の向上や低転がり抵抗タイヤの採用により、燃費を従来より1.0km/ℓアップさせた31.0km/ℓを実現。ちなみに時速18～40km/h前後のときは、モーターのみの走行が可能で、アイドリングストップ機能も標準で用意されている。

エクステリアデザインにかんしては、前述のとおり空力を考慮にいれて設計しなおされた、スタイリッシュかつワイドになったフロント／リアバンパーを採用したほか、フロントグリルのデザインも一新。より存在感が強められた。

足まわりは、操縦安定性と乗り心地をさらに向上させるため、サスペンション特性の見なおしを図るとともに、さまざまな条件下での予期せぬ挙動の乱れを抑えるVSA（車輛挙動安定化制御システム）を標準で装備している。

1.5リッターエンジンを積む“エクスクルーシブ”を追加

今回、このマイナーチェンジとともに、排気量をアップさせたエンジンを搭載することでゆとりある走りを実現するとともに、内外装をより上質感があるものに仕上げた「インサイト エクスクルーシブ」も登場した。

インサイト エクスクルーシブには、CR-Zに搭載されている1.5リッターエンジンを専用にチューニングしたものが採用される。最高出力は1.3リッターモデルとの比較で23psアップの111ps、最大トルクは21Nmアップの142Nmを発生する。そのいっぽうで、燃費は26.5km/ℓと、ハイブリッド車らしい優秀な数値を記録している。

エクステリアにかんしては、専用のフロントバンパー、サイドシルガーニッシュ、リアバンパーディフューザー、シャークフィンアンテナを設定。フロントグリルには、プレミアム感を演出するLEDアクセサリーランプを内蔵するなど、1.3リッター版インサイトとの差別化が図られている。

インテリアは、黒木目調パネルや、高輝度シルバーパネルによって、“エクスクルーシブ”の名にふさわしい、シックかつ豊かな質感をもつ。

また、スポーティさ、利便性をさらに高める充実したオプションも魅力的だ。インサイト エクスクルーシブ専用に用意されるのは、「ロアスカートフロント」「ロアスカートリア」。これらは、東京オートサロン2010に出展された「インサイト スポーツ モジューロ コンセプト」からのフィードバックを受けたもの。コンセプトモデルを彷彿させるスポーティなスタイリングを作り出すだけでなく、空気抵抗を抑えることにも貢献しているという。そのほか、インテリアにはシートヒーターを追加した革調シートカバー、不快なにおいを分解・除去する「プラズマクラスター搭載LEDルーフ照明」などを設定する。

車輛価格はインサイトが193万円から、インサイト エクスクルーシブが208万円からで11月11日に発売される。

HONDA INSIGHT｜ホンダ インサイト
ボディサイズ｜全長4,390×全幅1,695×全高1,425mm
ホイールベース｜2,550mm
車輛重量｜1,190kg
パワートレイン｜1.3リッター直列4気筒＋モーター
最高出力｜66kW（88ps）/5,800rpm
最大トルク｜121Nm/4,500rpm
燃費（10・15モード）｜31km/ℓ
トランスミッション｜CVT
価格｜193万円（G）、213万円（L）

HONDA INSIGHT EXCLUSIVE｜ホンダ インサイト エクスクルーシブ
ボディサイズ｜全長4,395×全幅1,695×全高1,435mm
車輛重量｜1,200kg（XG）、1,210（XL）
パワートレイン｜1.5リッター直列4気筒＋モーター
最高出力｜82kW（111ps）/6,000rpm
最大トルク｜142Nm/4,800rpm
燃費（10・15モード）｜26.5km/ℓ
価格｜208万円（XG）、225万円（XL）、256万円（XL インターナビセレクト）