V12フェラーリ最速の812スーパーファスト、日本上陸|Ferrari
Ferrari 812 Superfast|フェラーリ812スーパーファスト
V12フェラーリ最速の812スーパーファスト、日本上陸
フェラーリ・ジャパンは3月に開催されたジュネーブショーでワールドプレミアしたフェラーリ「812スーパーファスト」を日本で初披露した。価格は3,910万円で、年末よりデリバリーが開始される予定だ。
Text & Photographs by UCHIDA ShunichiPhotographs by Ferrari Japan
史上最速のフェラーリ
フェラーリ「F12ベルリネッタ」の実質的な後継モデルともいえる「812スーパーファスト」。その特徴は大きく3つある。ひとつはエンジン、次にビークルダイナミクス、そしてエアロダイナミクスだ。
歴代フェラーリの中で最もパワフルで最速な動力性能を誇るそのエンジンは、6.5リッターV型12気筒自然吸気エンジンをフロント・ミッドに搭載。出力は800cv(馬力)/8,500rpm、最大トルクは718Nm/7,000rpmを誇り、「トップエンド までスリリングに湧き上がるパフォーマンスこそ、レースで鍛え上げられたフェラーリV12 エンジンの伝統的な特性です」とは、フェラーリ極東・中東エリア統括CEOのディーター・クネヒテル氏の弁。
このエンジンの、全コンポーネントうち75パーセントが新しく設計された。そして、そのパフォーマンスは最高速度340km/h、0-100km/h加速2.9秒、0-200 km/h加速7.9秒を叩き出している。
次に、812スーパーファストはビークルダイナミクスを追求することを目的に、フェラーリとして初めて電動パワーステアリングが採用された。更に、「F12 TdF」などにも採用されてる“バーチャル ショート ホイールベース”も2.0システム(PCV)にバージョンアップ。前輪の電動操舵アシスタンスと、タイヤサイズ、後輪操舵に基づくメカニカルコンセプトを組み合わせて機能させる。
これらのシステムは、ステアリング入力への敏捷性とレスポンスタイムの向上を目的に、フェラーリが特許を取得したサイド スリップ コントロールの最新バージョン「5.0」をベースにしたビークルダイナミクス制御システムと統合されている。
トランスミッションは、7段F1 DCTながらシフトアップ時は30パーセント、ダウン時は40パーセント変速時間を短縮している。
そして、スタイルとエアロダイナミクス機能を統合し、革新的な技術とフォルムを創造することは、全てのフェラーリに共通するテーマだ。これは812スーパーファストにも受け継がれており、フロント周りでは、アンダーボディ前部に設けたアクティブ フラップをはじめエアロ デバイス クラスターが組み込まれ、サイドでもエアロ ダイナミック バイパスを設けてダウンフォースを生成させている。それらの結果、F12と比較すると、ダウンフォースは10パーセント増加。リア フェンダー ダクトのダウンフォースも8パーセント増加している。 これによってパフォーマンスとドライビング プレジャーは大きく向上しているという。
最後にディーター氏は、「我々は最もパワフルで最速のV型12気筒フェラーリを創造しました。ステアリングを握って得られるエモーション、そしてドライビングエクスペリエンスはどの市場を見てもこのモデルに匹敵するクルマは存在しません」とコメントした。
Ferrari 812 Superfast|フェラーリ812スーパーファスト
V12フェラーリ最速の812スーパーファスト、日本上陸(2)
V12は自然吸気を継続、SUVは考えていない
812スーパーファスト日本発表のために、ディーター・クネヒテル氏が来日したのを機に、いくつか質問をぶつけてみたのでご紹介する。
まずは、今後もV型12気筒自然吸気エンジンは作り続けられるのだろうか。ディーター氏は、「12気筒エンジンは、ユーザーからの強い要望もあり、これからも自然吸気エンジンを採用し続けます」とダウンサイジングによるターボ化などは考えていないという。そして、将来に関してはいくつかのシナリオはあるとしながらも、「12気筒ミッドエンジンの採用予定は向こう数年のうちにはないでしょう」とした。
また、近年ハイエンドクラスでもSUVはブームになっているが、「お客様が求めていませんし、フェラーリのDNAにもマッチしないので計画はありません」と明言。「完全自動運転も同様です。しかし、電気自動車そのものはありませんが、電動化技術に関しては、リサーチは必要で研究を重ねています」と述べた。
70周年記念イベントは10月に開催予定
さて、2017年はフェラーリ70周年という記念すべき年だ。全国で様々なイベントが多数開催され、ここ日本においても10月に開催が予定されている。
フェラーリ・ジャパン&コリア代表取締役社長のリノ・デパオリ氏はここで、あるパーソナライゼーションのお披露目を考えているという。
パリモーターショーで発表された通り、フェラーリは70周年を記念し、過去70種類の素晴らしかったフェラーリのデザインをモチーフに、現行5モデル(F12、GTC4ルッソ、カリフォルニアT、488GTB、同スパイダー)をベースにパーソナライゼーションモデルを開発中だ。「トータル350台のうち、何台かが日本に来る予定なので、このイベントで披露出来るようにしたいと考えています」とのことなので、詳細を待ちたい。
Ferrari 812 Superfast|フェラーリ 812 スーパーファスト
ボディサイズ|全長 4,657 × 全幅 1,971 × 全高 1,276 mm
乾燥重量|1,525 kg
重量配分 フロント/リア|47 / 53
エンジン|6,496cc V型12気筒
最高出力|588 kW(800 ps)/8,000 rpm
最大トルク|718 Nm/7,000 rpm
最高速度|340 km/h以上
0-100km/h加速|2.9秒
燃費|14.9 ℓ/100km(およそ6.7km/ℓ)
CO2排出量|340 g/km