最大800リットルまで拡大可能なラゲッジスペース

ついに、フェラーリ フォー（以下、FF）が日本上陸をはたした。フェラーリとして、はじめての4輪駆動モデルであり、特徴的なシューティングブレークふうデザインを採用したGTカーであるFF。ターゲットとするカスタマーについて、フェラーリ・ジャパンは「フェラーリをもっと頻繁に乗りたいと考え、エルゴノミクス、パッセンジャー／ラゲッジスペースの点においてハイレベルな快適空間がほしい」というカスタマーに向けて開発したと述べている。

実際、車内スペースはフロントシートが195cm、リアシートでも185cmの大人が着席するだけの広さがあり、室内の収納スペースだけでも20リットル、トランク容量については450リットルを誇るとしている。トランクは標準サイズのキャリーケースなら4個、あるいはゴルフバッグ2個とソフトケース2個、またはベビーカー2台とソフトケース2個が収納可能だという。さらに、リアシートバックを倒せば800リットルを超えるスペースとなる。

従来のV12エンジンより25パーセント削減されたCO2排出量

すでに紹介しているエンジンは、65°V12、総排気量6,262ccの直噴（GDI）仕様で、最高出力485kW（660ps）/8,000rpm、最大トルク683Nm（69.6kgm）/6,000rpmを発生。わずか1,000回転で 500Nmものトルクを生みだし、7段F1デュアル・クラッチ・ギアボックスを介して0–100km/h加速は3.7秒、0–200km/h加速は11秒、最高速度は335km/hを記録する一方、100-0km/hの制動距離は35m。これは、フェラーリとしては第3世代にあたるカーボン・セラミック・ブレーキによるものだ。

環境性能は燃費が15.4ℓ/100 km（6.5km/ℓ）。CO2排出量は従来のV12エンジンと比べて約25パーセント削減した360g/km。エンジンの直噴システムはもちろん、HELE（ハイ・エモーション／ロー・エミッション）とよばれる、システムストップ&スタート・テクノロジー、連続制御式フューエルポンプ、ブラシレスモーターによるラジエーターファン、最適化されたギアシフト、外部制御機能付A/Cコンプレッサーからなるシステムによるものだ。

サスペンションはSCM3と呼ばれ、ダンパーの粘度を磁性体で制御する、いわゆる磁性流体サスペンションで、形式はフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクとなる。

独自の4RMシステムを搭載

FFのハイライトといえるのが、フェラーリ初の4輪駆動システムだ。通常の4輪駆動システムより50パーセント軽量となったとフェラーリが謳う、独自の4RMシステム。これは、後輪へのトルクを維持したまま、フロントに搭載されたPTU（パワー・トランスファー・ユニット）が、路面状態におうじて必要とされる最大限のトルクを前輪に配分するというもの。E-Diff、F1-Trac、PTUという車輛制御システムをひとつのCPUに統合制御することにより、個々のタイヤへの最適なトルク配分が可能となるという。

重量配分は、ミッド・フロントにエンジンおよびPTU、リアアクスル上にギアボックスをレイアウトすることで、リアへの重量配分が53パーセント。エンジンを最新の鋳造製に、ボディには最新のアルミ合金を採用するなどして軽量化を図ることで、車両重量は1,880kgとなっている。

気になる価格は3200万円。すでに3月から受注を開始し、10月以降に順次納車される予定だという。

Ferrari Four｜フェラーリ フォー
ボディサイズ｜全長4,907×全幅1,953×全高1,379mm
ホイールベース｜2,990mm
車両重量｜1,880kg
エンジン｜6.2リッター V型12気筒
最高出力｜485kW（660ps）/8,000rpm
最大トルク｜683Nm（69.6kgm）/6,000rpm
欧州複合燃費｜15.4ℓ/100km
CO2排出量｜360g/km
駆動方式｜4輪駆動
トランスミッション｜7段デュアルクラッチトランスミッション
価格｜3,200万円